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人は俺の事を勇者と呼ぶ  作者: ヴァ汁
ファーストブレイブ 召喚勇者
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ヒロ、盗賊と戦う

「あーっ!!もーっ!疲れたっ‼︎」



俺の声が何もない道に響いた。



「疲れたって、洞窟までまだ結構ありますよ?ヒロ、こんなところでへばって世界を救えるんですか?」


「いやでも、もう三時間位歩いてるんだぜ、疲れてもいいじゃんか」




俺達は、アタールという薬の素材を手に入れる為に町の南門から外に出た。

もう三時間が経過していて、俺の精神が、もう限界だと訴えている

しかし、洞窟までは、まだ半分も進んでいないとの事だ。嫌になったって仕方ないじゃないか



「ねぇ、アミちゃん〜、暇だからさ、しりとりでもしながら行こうぜ」


俺の決死の策だ。

しりとりでもすれば、気が紛れて、少しは楽になると考えたのだ。俺の予想通りアミちゃんは、乗ってきた。




「しりとりですか...?いいですよ、では、私から行きますね、[リール]」

「[ルビー]」

「[ビール]」

「るっ!?またるっ!?えっとじゃあ、[ルノワール]」

「[ルール]」

「また、るかよ!えっと、えっと、[ルシファー]」

「[ファール]」

「やっぱりなっ‼︎もう読めたわっ!もうやめよしりとりっ!」





逆効果だった。



気を紛らわせるつもりが、逆に苛立ってしまった。アミちゃんの顔を見ると、とてつもなく勝ち誇った顔をして

「え?もう終わりですか?超ヨユーだったんですけど、ヒロは、雑魚なんですねぇ〜っ」と言ってくる。


殴りたい、その笑顔。



しかし、その笑顔は急に真剣な顔に変わった。




「待って、ヒロっ!何か来ます!」


その声に驚くと同時に俺は剣を抜いた、花の化け物の時のお陰で、戦闘の覚悟はできていた。


「アミちゃんっ!何が来ているか?わかる!?」




俺は、この時、現れるのは魔物だと思っていた。


だけど、実際現れたのは、




「盗賊ですっ!」




その声と同時に、俺へ、一気に距離を詰めてくる影、俺は咄嗟に左へ避け、影の背後へ回った。


安心したのもつかの間、今度は、背後から何か攻めてきた、気づくのが遅くて、かわせないと思ったが、その何かは、突然、右へ吹き飛んだ。


どうやら、アミちゃんが助けてくれたようだ。

俺は現れた二つの影と距離を取り、向かい合った。



すると、その影の内の一人が、口を開けた。



「今の俺達の奇襲を避けるなんざ、おめーら、唯もんじゃねーな、」


もう、言う必要はないと思うが、やって来たのは、人間だった。


「荷物を置いていってくれるなら、戦わねぇ、どうする?お前ら?」


正に主人公のヤラレ役のような台詞を吐くもう一人の影、


俺は、まだ、人を斬る覚悟はしていなかったけれど、やるしかないか、と考える。俺は今、初めて、この世界の人間と戦うことになる、 正直怖い、すると、


「ヒロ、右の奴は任せます、私は、左の奴を倒すので」


聞き慣れた、綺麗な声が耳元で響いた、急に勇気が湧いてきた。

アミちゃんの声はいつも俺に勇気をくれる。




俺は盗賊に対し、まるで漫画に出てくるヒーローみたいに答えてやった


「奪いたいんなら、力尽くで奪ってみなよ、おっさん!」



と、言った瞬間、盗賊が地面を滑るように移動し、俺との間合いを一気に詰めた、が、俺にはその動きがやけにゆっくりに見えた、そして、盗賊が繰り出した拳が迫ってきたが、これも、すごく遅く感じた、そのまま、その拳を躱すと、体勢を崩した盗賊がこけたので、そこを狙って剣を振る、結構軽く振ったつもりだったのに、盗賊は、豆腐みたいに斬れてしまった。




え?コイツ弱っ!


と思うと、隣では、アミちゃんが、驚いたような顔をして、俺を見ていた。


アミちゃんも、盗賊を倒していたようで、俺が声を掛けようとすると、アミちゃんの方が早く、声を発した



「ヒロっ、貴方、昨日自分が強いかどうかっていってましたよね、その答えが出ました。




貴方、メチャクチャに強いです。」




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