ヒロ、魔女に会う
10話です、アミちゃんが戦います
俺達は、今、魔女の家の前にいるところだ。
「なぁ、アミちゃん、魔女ってどんな人かな?美人かな?」
魔女と聞くと、つい、そんな事を思ってしまう。
「さぁ、わかりませんよ、私だって、魔女なんて、話でしか聞いた事ないですから」
「そっか、じゃあ、俺が、ノックするね」
そう言って、俺は、古い木材でできた扉を二回叩いた。
そしたら、
「すこし、待って頂戴」
という声が聞こえ、その指示通り待っていると、扉が勢いよく開いた。
俺はその姿を見た時、驚愕した。
そこには、想像以上に綺麗で美しいけれど、どこかあどけない、三角棒を被ったとても可愛い、女性が出てきたのだ。
しかも、胸には、二つの大きなモノがついていた。
やばい、この人やばい、マジでやばい、
「何の用?こんなところに、唯、旅するために来る人なんていないのよ、何か目的があるのよね?何の用かしら?」
「えっ、その、あの、」
まずい、あまりに慣れてないので、言葉に詰まってしまった。やばい、人と話す時って、どうやるんだったっけ?やばい、テンパってきた。
こんな危機的状況の中、救世主が口を開けた。
「あぁ、貴女が持っている、薬草を貰いに来たんです。私達には今、それが必要なんです。」
助かった。流石アミちゃんだぜっ!
「薬草ね?でも、ワタシ、沢山薬草を持っているから、何の薬草か教えてくれるかしら?そうすれば、持ってくるわ?」
「いや、そんな事言われても、俺達もわかんないんだ、唯、あんたの持ってる薬草が必要なんだよ!」
少しずつ落ち着いてきた俺は、結構強めに怒鳴った、すると、魔女は、表情が少し曇り、
「それじゃあ、貴方達にあげられる物は何もないわ、帰って頂戴」
と言い、俺達を睨んだ。ここで退く俺たちではない、それからも、20分程、交渉を続けたが、俺のふとした一言が、交渉を破壊した。それは、
「もういいよ、もう、薬草全部くれよ、おばさん」
であった。
その言葉を俺が発した瞬間。
俺の身体は燃え上がった。
「熱っ!!」と叫ぶと、畳み掛けるように、今度は、火の玉が俺に向かってとんできた。
「ワタシの事さっきおばさんって言ったよなぁ、そんな馬鹿は、炭になれ!」
そう魔女の声が聞こえた、残念だが、そう簡単に炭になる、馬鹿な俺じゃない、俺はその火の玉を華麗にかわし、剣に手を伸ばした。
しかし、剣に伸ばした手が動かなかった。
それは、アミちゃんが止めていたからであった、アミちゃんがかつてない程の表情を俺に見せ、声をだした、
「いえ、貴方だと、魔女を殺してしまう、ので、力の加減が得意な私が彼女をねむらせてあげます」
そうアミちゃんがいうと、やれるもんならやってみろとでもいうように、巨大な火の玉が、アミちゃんの、前方に現れた、
「危ないっ!」そう、叫んでしまったが、心配無用とでも、言うように、綺麗なフォームで、躱すアミちゃん。
「面倒くさいっ!さっさと灰になってよっ!」
魔女がそう叫ぶと、さっきよりも、でかい、指では、数え切れない量の火の玉を繰り出してきた、「面倒くさいのは、こっちですよ、貴方を倒すのに、少々ムリをしなきゃいけないようですからね」
すると、その言葉と同調するようにアミちゃんの身体から、白いオーラが発生した。と、アミちゃんがさっきまでとは、比べ物にならない位の速度で、火の玉を飛び越えた。
とんでもない跳躍力だった。
そして、一気に地に着地して、殴る、
かと思いきや、魔女に何か香水のようなものを懐からとりだして、吹きかけた。それを吹きかけられた魔女は、まるで、糸が切れた操り人形のように、崩れた。
どうやら、麻酔だったらしい。
俺は、その様子を呆然と見ていたが、ふっと、我を取り返し、疑問をアミちゃんに投げかけた。
「おい、アミちゃん!何、さっきの!急に身体の動きが良くなったよ!何ソレっ!」
そう言うと、アミちゃんは答えてくれた。
「あぁ、そういえば言ってませんでしたね、あれが、私の個人特有能力です、唯の身体強化です。」
「へぇ〜」
なんか、シンプルなものほど、強そうだ。羨ましい。
2分程経つと、魔女が目覚めた。俺は、目覚めた時、また、襲いかかってくると、思っていたが、そんな事はなく、負けた事を落ち込んでいるようだった。
続