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お掃除部‼︎  作者: 天笠すいとん
春 出逢いの季節
6/67

一週間と犯罪予備軍


本日、二回目の更新です!



 

 あれから一週間、お掃除部なる謎の部活に強制的?に入部させられた俺は研修という名の自由時間を与えられた。

 そもそも、あの春奈とかいう少女が行き当たりばったりで動いていることを学習した。

 新人研修だのと言っておきながら依頼や相談がない限り動かないなら初めから言っとけ!!って話だ。

 まぁ、流石にそれを真っ正面から言うと泣きそうになるかもしれないから困るんだよな…。しかも、部長らしいし。

 そんな事を考えながら一日の授業を終えて慣れ始めた足であの部屋に向かう。 白星+部長コンビが着替え?(ようはコスプレ)することも有るらしいので、ドアをノックして、 「失礼します」

 と一声かけて入る。


「やぁ、早かったね」


「今日は竜さんだけすか?」


「今の所はね」


 いつもは竜さんか白星が先にいて、部長はいつも遅れて来る。


 本人いわく、

「偉い人ほど後から登場するのよ!」と言うことらしい。付き合ってられるか!と思う。


「あっ、柚木来てたんだ」


 俺の次に入って来たのは現在進行形の幼なじみの白星。最近、呼び捨てにも慣れてきた。


「何だよその言い方。まるで溜め息みたいじゃねぇか」


 転校初日はこいつに騙されてここに連れてこられたけど、あれからずっとこんな態度をとってるんだよな。 まぁ、三年振りに会ったから照れ隠しだろうと思ってるよ、俺は。


「後は部長だけすか」


「部長についてはいつものことよ」


「ハルは早く来ることの方が少ないよ」


 皆の部長に対する態度はこんなもんか……。


「今日も自由すか?」


 部長が遅いので竜さんに今日の予定を聞いてみた。


「いや、今日は違うみたいだよ」


 そう言うと、今日は戦隊もののお面を被った竜さんが自分の覗いていたノートパソコンの画面をこっちに向けた。

 その画面には校内地図の形をしたマップがあり、赤い一つの点が移動していた。

 その赤い点の横には《My Angel(私の天使)》という表示がある。しかも、青い点が3つ集まってる所に真っ直ぐ向かっている。


「竜さん。この青い点が固まってるのってこの部屋ですよね」


「そうさ、この青い点は僕たち三人を表しているんだよ!」


 えっ、じゃあこの赤い点は何?と思ったが、聞いたことのある声があまり音程があってないのに自信満々に歌を歌っているのが聞こえた。しかも、歌のチョイスが童謡…。


「これって犯罪じゃないすか…」


 すると竜さんは妙にシリアスな顔をして告げた。


「人は時として、犯罪に手を伸ばすこともあるんだよ……」


 部屋の中に重苦しい空気が……、


「いやいや、シリアスに言えば何でも良いと思うなよ!!」


 つい周りの空気を受け入れそうになった自分が恐い。

 たった一週間、されど一週間ということか…。

 なんて思ってると、白星が座っていたパイプ椅子から立ち上がり竜さんの肩に手をおいて、


「そう、誰にでもあるのよ…」


「やっぱりそうだったんだ…」


「だ~か~ら、シリアスな感じだったら何言っても良いと思うな!!白星も乗るな!!」


「「えぇ〜〜〜」」


「がっかりするな!!」


 ガラガラ―


「みんな!大変なことになっちゃったよ~」


「部長も乗るな!!」


 ん?部長?


「いきなり何なのよ!?」


 部長が大層ご立腹になってしまった。


「すいません。つい、流れで……」


「流れでってどんな流れだったのよ…」


 怒りが呆れに変わったのか部長は肩を落としながら椅子に座ってテーブルに突っ伏す。

 ちなみに部長が座る椅子は他の椅子よりも座面が高い作りなので部長しか座らない。


「話が始まらないんでそろそろいいすか?」


「ユーくんって結構自分勝手よね」


 失礼な。ちなみにユーくんというのは部長がつけたアダ名だ。子どもみたいな感じがするからあまり好きではないけど部長は変える気はないらしい。


「話を始めるけど…。さっきね、先生に呼ばれてね、宿題をしてきてないのを怒られると思いながら行ったのよね」


「部長?また宿題してこなかったんですか?」


 白星が微笑を浮かべているが、背筋が震えそうな微笑だ…。


「ごめんなさい…」


「はぁ、可愛いので許します」


 許すのかよ。しかも白星が浮かべている表情が可愛いものを見るとゆうよりは、肉食獣が獲物を追い込んだみたいに感じれるがとりあえず無視。


「でね、部連盟の先生がね、お掃除部は規定人数に達してないし、特に活動もせずにダラダラしてるから廃部を検討してるんだって」


 部屋の空気が重くなる。竜さんと白星は深く考え込むような顔をする。けど、それも妥当じゃないのかと俺は思った。


「それで部長は何か言ったんですか?」


「それがね………」


「「「それが?」」」


 部長は勿体ぶる様子をみせたが観念したのか堂々と言った。


「今週中に人数集めてやりますよ!!って言っちゃった。テヘ」








明日から本格的に学校なので、更新が不定期になるかもです……



お掃除部の役所ですが、


桃園春奈 部長


白星姫華 副部長


青田 竜 ヒラ部員


紅道柚木 見習い部員


となっております。

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