仮面の先輩
日をまたぎましたが更新します
コポコポコポ……………。
給湯器がお湯を沸かすような音がする。そして、この香ばしい匂いはコーヒーか。
機能を一時停止していた体の感覚が戻ってきた。少しずつ意識も暗い闇の底から浮き上がってくる。今、自分がいる状況を確認するために俺はゆっくりと目を開いた。
そんな俺の顔を誰かが覗き込んでいた。
「スーハー。スーハー。スーハー」
ほほぅ。これは某SF映画のダー○ベイダーさんではありませんか。
「わぁああああああああ!!」
思いがけもしなかった人物を目のあたりにして、今まで寝かされていたであろうソファーから転げ落ち、近くにあった棚にぶつかる俺。
何!?この状況。目を開いたらいきなりダースベ○ダーって、怖いよ!怖すぎるよ!
さらに、混乱している俺の前に棚から何かが落ちてくる。
→プ○デターの頭部らしきもの。
「のゎわああああああ!!」
何だよ!ココハドコ?ワタシハダレ?状況が全く掴めない。はっ、そうだ!あいつは、俺がこんな目に遭った原因を作った張本人は‼︎
「白星は何処だ―――――!!」
「今、私のこと呼んだ?」
○ーダ卿の後ろのドアが開く。
「あ!良かった。白ほ……」
開いたドアの向こうには女子制服を着たエイ○アンがいた。
神様。俺が何かしましたかね⁉︎
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「いや~。ごめん、ごめん」
「………いや、こっちこそ驚いてすみませんでした」
「いやいや。いいよ。驚かせてしまったのはこっちの方だし」
そう言ってくれるのは制服に青のラインが入った人物だった。一年は緑で二年は赤だったから三年だろう。
一見、優しそうな先輩だが、俺は警戒心バリッバリッだ。
何故なら、彼は今、忍者ハッ○トリ君の面をしていた。
「あんたは何処の20世○少年だよ!!」というツッコミを抑えつつも会話を続ける。
「大丈夫ですよ。柚木がビビりなだけですから」
白星の一言でこめかみの血管が切れそうな音がする。ってか、呼び捨てかよおい。軽く締めてやろうか?と考えかけたので、鋼の精神で自分の膝をつねって我慢する。
まぁ、それよりも気になることがある。
「えっと…先輩はどうしてお面を付けてるんですか?」
「いやいや、先輩なんて堅苦しいから竜でいいよ」
どうやら社交的な人みたいだな。って、あれ?もしかして質問を無視された?
「いや、あの、どうしてお面なんか……」
「ところで君はビキニとスク水の内どちらが好みだい?」
絶対最速前言撤回!この人は要注意人物に決定。これは【変】で始まって【態】で終わるアレだろう。
しかも、話が180度変わりすぎでしょ!!
「いや、うん、ゴメン、ごめんなさい」
えっ?どうして竜先輩が謝ってるんだ?
もしかして、今の俺の顔って怖いのか?
「はぁ……」
白星がこめかみに手を置いて溜め息をついている。
竜さんにそんなに怖がんないで下さいとフォローを入れたいが今はそんなことよりも優先すべきことがある。
「白星。ここは何処なんだ。そして、どうして俺はここに連れてこられたんだ」
…………………。
しばらくの間、沈黙の空気が流れる。
聞こえてくるのは壁に架けてあった時計が時を刻む音と給湯器がお湯を沸かすような音がするだけだ。
「この場所は、旧校舎四階の多目的室横の準備室よ。そして、ここは………」
沈黙を破った白星は深く息を吸ってはっきりとこう言い放った。
「ここは私たちお掃除部の部室よ!!」
えっと~、どうコメントすればいいんだ?お掃除部だったよな。部がつくからには部活の一種なんだろうけど……。名前からすれば掃除をする部ってことだろうけど……、学校を掃除する部なんて聞いたことないぞ。
「どう?わかった?」
白星が言いきった顔をして俺の表情をうかがうが、全くもってわからん。
「まぁ、今の言葉だけじゃあわからないよね。じゃあ説明するよ」
竜さんがそう言って語り始める。
明日もテストがあります。なので、現実逃避のように小説を書きましょう。