第2話 Street Town
空港から電車とバスを経由して約40分位の所にある「Street Town」と看板に書かれた店の前に俺たちは立っていた。店の外見は錆びれていて、とても新しい店だとは思えなかった。
本当に大丈夫かここ?てゆうか、看板の英語はなんて書いてあるんだ?えーと、スト、スト・・・・・・・
「”ストリートタウン”よ。海斗、あなたあんな簡単な英語読めないでアメリカにどうやって住んでたのよ?」
と呆れながら由香里が聞いてくる。
ていうか、また俺の心の中を読むな!!
「う、うるせー!英語が読めなくたってたいていのことはできるんだよ!バスケやるには支障がなかったから問題ない!!」
「はぁ、本当にバスケバカね。」
と言い由香里は店の中に入ってって行く。
「お、おい待てって!」
慌てて由香里の後を追って行く。
――――ウィーン
店の中に入ると、店の外見とはとは裏腹にとても清潔感があり壁には数えきれないほどのバッシュが並べられていた。
「す、すげー。」
本当にすごいな。アメリカでもこんな大規模な店はない。
周りをよく見ると、ジョーダンモデルの最新のバッシュがあるではないか!!
いいなー欲しいなー!値段は13,800円。ちょっと奮発して買っちゃおうかな?などと考えていると、
「兄ちゃん、いい目してるね~。ジョーダンモデルの最新のバッシュ!昨日入荷したばっかでさ~。どうだい今ならお安くしとくよ?」
スキンヘッドのがたいの良い店員らしき人が俺に話かけてきた。
「マジっすか!今すぐ買い・・・・・」
「待ちなさい。」
と由香里に言葉を遮られてしまった。なんだよー!ジョーダンの最新モデル欲しいんだよー!
「おや、いらっしゃい由香里ちゃん。」
「源さん、こんにちは。海斗、こちらStreet Townの店長”源 輝彦さん”。」
「初めまして。瀬川海斗です。」
俺はそう言って軽くお辞儀をする。
「おう!由香里ちゃんの紹介があったようにStreet Townの店長の源 輝彦だ!みんな源さんと呼んでるから気軽にそう呼んでくれ!」
源さんは豪快に言ってくる。
「そういえば源さん、奥のバスケットコートを使わせて欲しいのだけれど・・・・・・。」
そう言う由香里にびっくりした顔で源さんが言う。
「別にいいけどよ。今日も人がいっぱいいるぜ。由香里ちゃん、人前でバスケをするのイヤだって言ってたじゃんか?」
「いいの。今日はバスケをしたい気分だから。」
すると源さんが何かにひらめいたらしく、俺を見てニヤニヤしながら言ってきた。
「海斗の兄ちゃん~、あの”幻影の魔女”をその気にさせるなんてどんなことしたんだ~い。」
何だその中二病全開な二つ名は!?
俺、そんなの付けられたら悶え死んでしまうぞ!
そんなことを思っていると、由香里が頭を痛そうにしながら言ってくる。
「・・・・・・・・・源さん、その名前で呼ばないでって、言ったでしょ。」
「いいじゃんかよ~。華麗なパスで駆使して相手を幻惑させ、怒涛のドリブルで相手を抜き去っていく魔女!通称
”幻影の魔女”!さらにその美貌からとても人気があって、当然ファンも多い!」
と源さんが力説する。
まぁ確かに俺から見ても由香里は素晴らしい美貌の持ち主だと思う。
身長170cm位で細りとした長い足、顔のパーツも全体的に整っていてショートヘアーがかなり似合っている。
などと考えていると顔を真っ赤した由香里が呟いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばか。」
「え?何だって?」
何を言っているか分からなかったの聞き返したら由香里さらに顔を真っ赤にして言った。
「ッ!?兎に角、さっさとバスケットコートに行くわよ!」
と言い由香里はどんどん奥に行ってしまった。
や、やべぇ。なんか知らないが怒らしちまった。早く何とかしないと後が面倒なんだよなー。
「まぁ、とりあえず、由香里ちゃんの後を追ってきな!」
源さんはこっちをニヤニヤ見ながら言ってきた。
くそぅ、他人事だと思いやがって!
俺はこれから起こるであろうことを想像し、憂鬱になりながら奥のバスケットコートに足を運んだ。
今回はバスケをやるつもりでしたができませんでした。ゴメンナサイ。次回こそバスケやります。