赤髪の侵入者
「えーと、ガゼルの家は……」
事前に調べておいた生徒の住所表からガゼルの家を探してたどる。
昨日の書類はどうしたって?
そんなもんコピーに任したよ。
「…………デカくね?」
レンガの家なんかが並ぶこの国の中で珍しく和風式の豪邸。
剣舞の名家らしいから、納得の作りなんだろうが、あんなヘラヘラヒヨヒヨのやつがこんな俺の家の数十倍いいとこに住んでることに若干納得がいかない。
本当にここであってんのか?
不安になってきた。
あと今更だろうが、事前に来ること行っておくべきだったかもしれない。
他人の家とか行ったことねぇからわかんねぇけど。
ドンドンドンドンドン
「ガゼル。俺だ、開けろ」
バンっ
「ちょっと!貴方そこで何してるんですか?!通報しますよ!」
正門らしきところの横の小さい出口から女性の使用人?みたいなやつが出てきた。
そして、俺の髪色を見て目を細める。
「怪しいもんじゃねぇよ。ガゼルに会いにきただけだ」
「……赤髪が、ガゼル様になんの用でしょう」
「今髪色関係ねぇだろ。同期なんだよ。わかったらさっさと通せ」
「失礼ですが、訪問の許しは得ているんでしょうね」
「ない」
そういった途端そいつはふんっと鼻で笑って言い放った。
「アポのない者を通すわけないは行きません。また後日お越しください」
「じゃあ本人連れてこい」
「今お取り込み中でございます」
あー、もうめんどいって。
「はぁ……。わかったよ」
「よかったです。それではもうお帰り……」
スタスタ、ギッ、バタン。
「…………え?」
ガチャ。
「……………………」
その使用人はしばらく何が起こったか分からずレイが消えた扉を見つめていた。
「侵入者だー!!!赤髪が侵入したぞ!!!」
屋敷から聞こえたその怒号に、はっと我に帰る。
「嘘でしょっ!?こんな堂々と入るなんて!?」
ガチャガチャッ、ガチャガチャッ
「あの赤髪のガキ、鍵までかけて……もう!!」
そして一方レイは……
「うわっ、危ねぇな!そんな広範囲な魔法使うなよ!屋敷壊れんぞ」
屋敷の廊下を全力ダッシュ中。
いやー、思ったよりすんなり入れたな。
で、入れたはいいけどあいつはどこだ?
ガチャ
「おっと、トイレか。失礼」
名家はトイレもでかいな。
「おい止まれ、ガキ!」
「そっち行ったぞ!捕まえろ!」
躍起になってゾロゾロ人が出てくる。
なんかすげぇ武器とかいっぱい出してきたのを横目で見つつ、たかが侵入者如きにやりすぎじゃね?と思うが、まあ気持ちはわかる。
侵入者が家の中走り回ってるんだから当たり前だろって?
いや、そういうことじゃない。それだけなら多分こいつらはこんな取り乱してないはずだ。
ここまでされる原因は十中八九俺の髪色にあるんだろう。
だって、髪色に性格が現れるこの世界で、赤髪は
「暴力的で、短期ですぐ手が出る、犯罪者予備軍が!!」
あらら、全部言われちまった。
ガラッ
「おっと、やっと見つけた」
「レイ君!?!?これどういう状況!?ほんとに何やってんの?!?」




