姉妹のとある1日
時刻 6:50
ベッドの上にいるメアリは、朝食を作るために
起床します。ふと隣のベットを見ると、リリアの姿はどこにもありません。
メアリ「お姉様ったら、また早起きですか…
このままだと、本当に倒れるのでは?
…というかまさかあれ程言ったのに、
デスクに向かってるわけではないわよね?」
そう言ってリリアの仕事スペースのデスクに顔を
出します。リリアはいつもの通り仕事をしています。
メアリ「お〜ね〜え〜さ〜ま〜?」
リリア「あら、メアリじゃない。今日は早いのね。
何かあったの?」
メアリ「何かあったの?じゃないですわ!
私先日申し上げましたよね?!
お姉様は仕事のしすぎなのですよ!
お仕事と休憩を両立してくださいと、
いつも言っていますよね?!」
リリア「で、でも、皆んなが順風満帆な生活を送って
ほしくて私はお仕事してるの。
…もしかして、そろそろペースを落とした
ほうが良い時期なのかしら。
いつかは市民の皆んなな仕事量の需要と供給
確立のために、私の仕事量を減らさなくては
いけないからね」
メアリ「そこまで分かっているのなら、一旦お仕事
から離れてくださいよ…まったく」
時刻 7:15
姉妹揃って朝食を摂ります。
この日のメニューは、フルーツヨーグルト。
ヨーグルトの上のフルーツは水々しくて、
とても美味しそうです。
リリア「あら、ヨーグルトがいつもと違うわね」
メアリ「最近流行っている『ワニの乳』の3作目
のようでして、従来のものよりあっさりして
いますよね」
リリア「メアリはどちらの方が好きなの?」
メアリ「私は…このヨーグルトではない方ですね」
リリア「実を言うと…私もなのよ」
仲睦まじく2人で食事を終えて、
後片付けもしっかりと済ませました。
時刻 8:15
メアリは現場作業を、リリアはデスク作業をします。
リリアは主に書類関係、経済関係、法律関係の仕事。
メアリは主に現場職、世論調査、ボランティアというように、手分けして作業を行っています。
メアリ「はーいもしもし」
リリア「もしもし、メアリ?この前の土砂災害の
現地調査報告書を提出してもらえる?」
メアリ「今すぐの方がよろしいのですか?
夕飯の際に渡そうと思ったのですが」
リリア「今年度の予算額の超過の程度を
知りたいのよね。端的にいうと、それぞれの
国でどれくらい借金をしているかの情報を
揃えたいの」
メアリ「それと報告書の関係性とは?」
リリア「災害補償関連費が私が思っているよりも、
風の国ではかなり必要だったんじゃないかな
と思ってね。でも書類があるなら、夜でも
大丈夫よ。急にごめんなさいね」
メアリ「いえいえ、お姉様もお勤めご苦労様です」
時刻 13:30
ここて2人は各自で昼食を取ります。
大体は軽い栄養食です。
2人はお気に入りの『野菜バー』を食べました。
時刻 18:20
メアリが自宅に帰ってきます。
リリアはメアリと約束したように、デスクからは
離れていました。とはいえ、リリア自身は凄く暇そうにしていて、ただひたすらに、椅子に座ってもじもじしていました。
メアリ「…どういう状況ですか?」
リリア「仕事しないように我慢しているの。
…正直、凄く辛いわ」
お気づきのように、リリアは重度の仕事中毒者
なのです。メアリは頑張って、それを改善しようと
取り組んでいる真っ最中なのです。
メアリ「で、でしたら、今夜の夕食は一緒に作って
みませんか?本日はチーズグラタンにしよう と思っているのですが」
リリア「初めてでもできるかしら?」
メアリ「問題ありませんわ!」
こうして和気藹々と、2人は夕食を無事に作り上げました。少しチーズが焦げてしまいましたが、
これもこれで美味しいようです。
時刻 19:30
風呂に入ったり、歯磨きをしたり、団欒をしたりして
自由に過ごします。
明日に向けての仕事の会議をしたりもします。
2人は決まって、暖かい紅茶を用意します。
リリアが淹れる紅茶は、心休まる一杯であるとか。
時刻 22:00
2人は夜の散歩及び、近所のパトロールをします。
2人がいる近くの地域では害獣や不審者が度々現れるので、それに備えて地域のヒトたちと街や郊外を
巡回します。
住民「あ、あれ見てください!クソザルですよ!」
メアリ「本当ですね。お姉様、駆除しますか?」
リリア「駆除対象だし、可哀想だけれど、
仕方ないわね。殺しましょうか」
クソザルは果樹園の植物を食い尽くす害獣で、
知能も高く、群れをなして、目をつけられたら最後、一瞬で壊滅してしまいます。
因みにクソザルは、確かにクソみたいな存在とは
思われていますが、クソザルというのは皆にそう
呼ばれているだけで、『カロナサベルグザル』という
正式名称があります。
時刻 23:00
あっという間に1日を終えてしまい、2人は寝室で、
おやすみなさいと言うと、すぐに眠りという穴の底へと落ちていきました。
明日も同じような1日か、それとも変わった1日か。
2人の生活は如何なものになるのか。
メアリ(寝言)「お姉様…仕事…」
リリア(寝言)「うーん…あとちょっとだけ…
やらせてよ〜…」