32話
≪きやがったぞ! むかえうてーっ!≫
≪おおおおおおおっ!!≫
ピロパッポ族と竜族の、存亡をかけた戦いが終に始まった。
西の荒野を舞台に、陣を展開するピロパッポ族の部隊へ、竜族が次々に襲い掛かって行く。
今までなすすべもなくやられていた兎兵達。しかし今は装備が違う。
ぶつかり合う二つの勢力。しかしその戦いは見事に拮抗していた。
「おー、簡単には倒されないか。でも大丈夫か?」
今はイベントでオート進行中である。
手持無沙汰になった悠里はこの隙にと立ち上がり、モニタを見ながら冷蔵庫を物色し始める。
彼は取り出したサンドイッチの包装を開けながら、どかりとまた座布団に座った。
「ゲームしながら食い物用意できるのは便利だな。この浮いてるモニタ、俺が生きてる時にもあったらなぁ」
益体もないことを言いつつ、悠里はがぶりと噛り付く。
そしてちゃぶ台の上にぽんと置き、再びコントローラーを両手で握った。
≪いいか ユーリ ポッポロン。 もういっかい いうぞ≫
並んで立つユーリとポッポロン。二人は展開されている戦闘を後方で眺めていた。
そんな彼らへポッポリーが振り返り話しかけてくる。
≪ざこのあいては おれたちに まかせろ! おまえたちは りゅうおうのあいて だけをかんがえて つっぱしれ!≫
はい いいえ
「ここで選択肢か……」
いつものように唐突に現れた選択肢。
しかし今までの事を思い返し、悠里は悩んだ。
「どうすっかなぁ。このゲーム、下手すると味方が簡単に死にそうなんだよなぁ」
ポッポロやバンポッポ達、最初の集落にいた兎人間達は、皆あっさりと殺されてしまった。
このゲームは簡単にNPCが死ぬゲームだ。
思えば敵である竜族を殺す前にも、選択を迫られたこともあった。
もしかしたらこの選択肢の結果如何で、ポッポリーが死ぬかもしれない。
そう考えると安易に”はい”を選ぶのは躊躇された。
「うーん。そうだなぁ……」
はい ⇒いいえ
悠里は少し悩んだ後”いいえ”を選ぶ。
≪おいおい ここにきて そりゃねぇぜ!? おれたちだって たたかうために ここにきてんだぞ!?≫
結果、ポッポリーには呆れられてしまった。
然もありなん。
悠里が彼の立場だったら同じように呆れただろう。
≪しんぱいされるために ここまできたんじゃねぇ。 そうだろ おまえら!?≫
ポッポリーは周囲の兵士達に呼びかける。
≪おおおおおおおっ!!≫
彼らもポッポリーの思いに喊声をもって応えた。
魔法使いが放った魔法が竜人兵を押し戻す。そこへ兵士達が畳みかけると、敵はバタバタと倒れて行った。
「ま、そうだよな、ここまで来てんだから。でも何か嫌な予感がするんだよなぁ」
戦況は優勢に見える。しかし悠里の嫌な予感は消えなかった。
喊声を上げているのか、ぴょこぴょこと飛び跳ねる兵士や魔法使い達。
彼はそんな皆の姿を見ている事しかできなかった。
≪ユーリさん≫
ポッポロンが話しかけてくる。
≪いきましょう。 ぼくたちの やるべきことを なすために≫
「おっ。言うじゃねぇか、ポッポロン」
最初は紙装甲で頼りなかったポッポロン。しかし今はユーリにとって、唯一無二の相棒となっていた。
それは悠里にとっても同じことで。
頼りがいのある台詞に、悠里の口角もゆるりと上がった。
「考えても仕方ねぇ。いっちょやってやろうじゃねぇか」
見つめ合う二人にポッポリーが声をかける。
≪おれたちが やつらのきをひく。 おまえらは ひだりからいけっ!≫
≪はいっ!≫
ポッポロンからの返事を聞いて、ポッポリーは前を向く。
≪いくぞおまえら! とつげきだーっ!≫
≪おおおおおおおっ!!≫
皆もこれに応え、一斉に前進を始めた。
残されたポッポロンとユーリは、その背中を見送ってから再び向かい合う。
二人同時に頷いて、そしてここでやっと操作が悠里へと戻って来た。
「よし、こっからは俺だな。このまま左側を突っ走ればいいんだな、了解了解」
悠里は十字キーを操作し、戦場を避けて左側隅を上方向へ突っ走る。
右手では多くの兎兵士と竜人兵があちこちでぶつかり合っている。
これを尻目に二人は駆ける。
しかし戦場を抜けようという二人を見咎めて、竜人兵が襲い掛かってきた。
「でもさぁ、かかる火の粉は何とやらって言うじゃん?」
だが、これに悠里はニヤリと笑う。
「試し切りついでに、やっちまってもいいんだよなぁ!」
ユーリ レベル42 ポッポロン レベル25
HP 157 HP 62
MP 44 MP 115
ちから 64 ちから 14
たいりょく 83 たいりょく 23
すばやさ 46+5 すばやさ 37+3
かしこさ 39 かしこさ 66
うん 17 うん 13
こうげき 72 こうげき 27
ぼうぎょ 106 ぼうぎょ 59
E ピロパッポのほうけん+2 E ちりゅうのつえ+2
E おうりゅうのよろい+3 E ひりゅうのローブ+3
E せきりゅうのたて+3 E スケイルガード+3
E りゅうのかぶと+3 E かりゅうのベスト+3
E ポッポロのおまもり
E そうりゅうのマント+2




