表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/51

23話

 ”りゅうじんへいAの こうげき! ユーリは 1のダメージを うけた!”

 ”りゅうじんへいBの こうげき! ユーリは ダメージを うけなかった!”

 ”りゅうじんへいCの こうげき! ユーリは ポッポロン を かばった!”

 ”ユーリは 1のダメージを うけた!”

 ”りゅうじんへいDの こうげき! ユーリは 1のダメージを うけた!”

 ”りゅうじんへいEの こうげき! ユーリは ダメージを うけなかった!”

 ”りゅうじんへいFの こうげき! ユーリは 2のダメージを うけた!”


「わははは! 俺は黄金の鉄の塊よ! そんな攻撃びくともせんわ!」


 砦に突撃したユーリ達を待っていたのは、竜人兵の大群だった。

 瞬く間にタコ殴りにされるユーリ。

 しかし受けるダメージは殆ど無く、悠里は絶賛高笑い中だった。


 ”ポッポロンは アーススパイクを となえた!”


「ポッポロンさん! やっておしまいなさい!」


 ”りゅうじんへいAに 67のダメージを あたえた!”

 ”りゅうじんへいAを たおした!”

 ”りゅうじんへいBに 74のダメージを あたえた!”

 ”りゅうじんへいBを たおした!”


「おー、敵が消し飛んでいく。気持ちいいわーコレ」


 ユーリが防御をしている間に、ポッポロンがアーススパイクを二回撃つ。

 それだけで竜人兵達はなすすべなく倒されていく。


 ”ユーリたちは りゅうじんへいのむれ を たおした!”

 ”ユーリたちは 1434の けいけんちを もらった!”

 ”ユーリは レベル28 に あがった!”

 ”ポッポロンは レベル19 に あがった!”


「よっしゃレベル上がった。ポッポロンももうちょい早く上がればなー。ま、ここでガシガシ稼いでくか」


 今まで倒すのに苦労していた敵が、まるで相手になっていない。

 そればかりか簡単に倒せる上、経験値がかなり美味しい。

 まるで入れ食い状態だと、悠里は砦の中を縦横無尽に進んでいた。


 ”りゅうじんへいA が あらわれた!”

 ”りゅうじんへいB が あらわれた!”

 ”りゅうじんへいC が あらわれた!”

 ”りゅうじんへいD が あらわれた!”

 ”りゅうじんへいE が あらわれた!”


「また来たなご苦労さん」


 悠里はまた”ぼうぎょ”と”まほう”を選択し、ユーリとポッポロンに同じ行動を取らせる。

 ユーリがタコ殴りに合っている間に、ポッポロンが魔法で一掃する。


 ”ユーリたちは りゅうじんへいのむれ を たおした!”

 ”ユーリたちは 1189の けいけんちを もらった!”

 ”ユーリは レベル29 に あがった!”


「んー、美味い。敵も一匹二匹じゃなくて大量に出てくるから、すげー効率がいい。あ、ポッポロンに携帯食食わせとこう」


 どんどんと出てくる敵に、悠里の気分は上々だ。

 ポッポロンに携帯食を食べさせながら、ユーリは悠々と砦を進む。


「お、剣がある。鎧もあるな。肉も――げっ。いや、これはいいや。つーかグロいから止めろマジで。ポッポロンが泣くぞ」


 そして押し入った部屋という部屋で物色をしながら、砦の攻略を進めていった。

 一階をある程度回った後は、当然二階へ進む。

 そして最初に入った部屋で、悠里はあることに気づいた。


「ん? こいつ、キャラグラがあるな。敵じゃねぇのか?」


 部屋の真ん中に竜族が立っていた。

 その後ろには小さな竜族も三体いる。

 しばらくそのまま待ってみたが、どうやら襲い掛かってくる気配は無さそうだった。


「話しかけてみるか」


 当然、悠里は話しかけてみる


≪ドウカ ミノガシテクレ。 コドモタチ ダケデモ。 タノム……≫



   はい  いいえ



「あー、こういうのね。よくあるよなー、こういう選択肢。RPGにさぁ」


 戦意は無く、ただ命乞いをするNPC。

 確かにRPGでたまに見る展開である。

 選択の結果、良いことが起きる場合もあれば、悪いことが起きる場合もある。

 ストーリーに小さな、しかし後に残る結果を生む事もある、選択を考えさせられるイベントだった。


「でもさぁ」


 普段の悠里なら、ここで”はい”を選択したかもしれない。


「すげー勝手じゃねぇ? こいつらポッポロ達を皆殺しにしたくせにさ。それにさっきツボ調べた時、ピロパッポの肉とか言うのを見つけた俺の気持ち分かる?」



   はい ⇒いいえ



「却下で」


≪ソ ソンナ…… クラーコ……ッ!≫


 最後に一言だけ残し、竜族は攻撃の効果音と共に赤いドットと成り果てた。

 残りの子供達も次々に赤くなり、部屋にいた竜族は全て赤い花へと変わった。


「……画面から消えるだけじゃないのか。やっぱ、見逃せば良かったかな……」


 キャラが消えるだけだと思っていた悠里は、真っ赤に染まった部屋を見てテンションを下げる。

 ドット絵とは言え、これでは少し良心が咎める。

 悠里の気持ちを代弁するかのように、ユーリも呆然と部屋に立っている。

 しかしそんな部屋に、一人の竜族が入ってきた。


≪ナ……! ケーレラッ!!≫


 それは竜人兵とは異なる、赤い色をした竜族だった。

 竜族は入ってくるなり叫ぶ。


≪レック! ヘラーラ! ラコッレ!≫


 先ほどユーリが殺した者達の名前なのだろう。

 竜族は一人一人の名前を必死に叫んだ。


≪ウ……≫


 そして――


≪ウォォォォオオーッ!!≫


 雄たけびを上げ、襲い掛かってきた。


 ”りゅうへいちょう クラーコ が あらわれた!”

ユーリ レベル29    ポッポロン レベル19


HP 112       HP 51

MP 30        MP 92


ちから   42     ちから   11

たいりょく 53     たいりょく 16

すばやさ  29     すばやさ  25

かしこさ  26     かしこさ  47

うん    14     うん     9


こうげき 42      こうげき  16

ぼうぎょ 67      ぼうぎょ  41


E バンポッポのけん   E きのつえ

E スケイルメイル+3  E ドラゴンローブ+2

E スケイルシールド+2 E スケイルガード+2

E りゅうのかぶと+2  E ドラゴンベスト+2

E ポッポロのおまもり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ