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傍観者達の謝罪

「あの。すまなかった白中」


 クラスメイトの1人が謝罪しに来る。休み時間に突入した直後だったため、周囲には架純や祐希たちの姿はない。


「……いや、別にいいよ」


 晴斗は素っ気なく答える。正直、いじめの傍観者を許せる気にはなれない。しかも、謝罪してきた男子は晴斗のいじめを見て、野山と同様に笑っていた。


 その事実が余計に腹立たしかったのだ。


「お、俺もごめんな。いじめの傍観者を全うして」


「わ、私もごめんなさい」


 次々とクラスメイト達が晴斗に頭を下げる。男女関係なく。おそらく、野山のようになりたくないのだろう。晴斗に謝罪すれば、自分も野山の痛い目の合わずに済むと考えたのだろう。


(まぁ……俺へのいじめがなくなったところで、あいつらの罪悪感なんてどうでもいいんだけど。だけど何だ。この心のもやもやは)


 晴斗の心の中にモヤがかかったような感覚を覚える。それはまるで、自分のことを見ているようで見ていない。そんな感じだった。イライラと呆れが混じった複雑な感情。

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