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誘いの拒否

「晴斗一緒に帰らないか? 」


「晴君! 今日こそ私と2人きりで下校するよね? 」


 帰りのホームルーム終了後。架純と祐希が晴斗を誘う。


 もはや最近では恒例行事となった。


「白中君! 私達も混ぜて! 」


「相変わらず風紀委員と学級委員は早いな」


 千里と玲香も後で合流する。


 ちなみに、祐希以外は晴斗と別クラスだ。


「ねぇねぇ4人共。そんな陰キャとじゃなくて俺達と帰らない? 」


「そうそう。帰宅した後は一緒に遊ぼうよ。絶対に楽しませるから! 」


 クラスでもイケイケの男子2人が4人の美少女をまとめて遊びに誘う。プラスで晴斗を貶して。


「「「「は?」」」」


 4人同時に苛立ちの声が漏れる。


 架純と玲香は睨め付ける。祐希と千里はニコニコ笑みを浮かべるが、目は一切笑ってない。


「ちょっとどうしたの? 4人共なんか怖いよ? 」


 イケイケの男子2人は共に頬に冷や汗を流す。4人からの圧力に恐怖を感じたようだ。


「どうしたのじゃない? 先ほど晴斗を馬鹿にしただろう? なぜ馬鹿にした? 」


 架純が男子2人に詰め寄る。苛立ちを抑えられないみたいだ。


「そうそう。玲香もそれは気に入らないな。何か白中晴斗君が悪いことでもしたの? 」


 玲香も架純に同調する。


「それならうちが話を聞くよ。生徒会書記のうちが」


 余裕のある笑みを浮かべる千里。


「謝って欲しいかな。晴君に」


 4人の後方からメラメラ燃えたぎるオーラが現れる。盛んに火が燃える。


「ご、ごめん。やっぱりさっきの誘いは無かったことで」


「う、うん。俺もそれでいいわ。それと白中君。ごめんね。馬鹿にして」


「「では、さいなら〜」」


 大慌てでイケイケ男子2人は教室から退出した。4人の美少女達から逃げるために。


「さっ。邪魔者も消えたし。もう少し楽しい楽しい会話をしましょうか! 」


 パチン。


 千里は両手を合わせる。


「そうだな。気晴らしに晴斗と会話をしよう。それにしてもムカついたな〜」


 架純は未だに怒りが抜けないようだ。


「玲香もだわ」


「これから飽きるまで教室で会話しようね! 多分、私が飽きることはないだろうけど」


 4人の美少女はそれぞれ空いた席に座る。晴斗の近所の席だ。


 偶然にも晴斗の周囲の席は全て空いていた。席主が既に下校していた。


「うん。じゃあ何から話そうか」


 最近、劇的に生活が変化したとしみじみに思いながら、晴斗は返答した。

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