表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/356

第94話。ミンティの次に到着した雷竜の長スパーダ・ガンディ、氷雪竜の長オーリ・ファライアスが持参してきたものとは…?

第94話です。

「お早いお着きじゃな、小娘よ」

 そこへおばば様がやってきて、ラナクリフ様にそう笑いかけた。ラナクリフ様を小娘扱いとは、さすがはおばば様。

「久しぶりじゃのう。かれこれ二百年ぶり…」

「きゃー!言わないで!年のことは言わないで!ミンティちゃんは永遠の十六歳なの!」

「おぬしそれはちと厳しいぞ…」

 大声でおばば様の言葉を遮ったラナクリフ様には、年齢に関する話題はご法度、と。

 覚えておいたほうが良さそうだ。

「ナユ様のウロコを持ってきてくれたのだな。もちろん情報もお持ちでしょうな?」

「もちのろんよ!皆が集まるのは明日の夕方とかになるだろうから、その後ちゃんと話すね!」

「うむ、よろしく頼む。明日の昼には聖銀様がいらした宴を行うつもりだが、おぬしも参加するか?もちろん全員集った暁には、改めて真竜の長たちをもてなすつもりだが」

「ごちそう!もちろん出るよ!出るにきまってる、だって黒鋼のところのごはんは美味しいもの!」

 ごくり、と喉を鳴らしてラナクリフ様が即答する。

「ああ~、早く着いて良かった!今夜までにまだ何人か到着するかな?」

「おそらくな」

「それにしてもほんとに聖銀ちゃん可愛い…」

「これ小娘、聖銀様をちゃんとは何じゃ、様と呼ばんか」

「あっごめんなさ~い、イヤだった?」

「い、いえ、そんなことないです」

 その後も私を構うラナクリフ様とおばば様と私たちは、黒鋼竜の男性が淹れてくれたお茶と、女性が持ってきてくれたお茶菓子で談笑した。

 その日の夕方には、雷竜スパーダ・ガンディ様が到着した。金茶の髪が大きく広がった、がっちりした体型で長身の立派な男性だ。

「これは聖銀様。お会いできて光栄です。雷竜の長、スパーダ・ガンディと申します、以後お見知りおきを」

 私の前で左手を脇に垂らし、右手を腹に当てるようにして丁寧にお辞儀をした彼は、まずはこれを…と、ラナクリフ様が出した小箱より大きな、がっしりとした箱を手渡してきた。

 開けてみると、その中にあったものは。

「これは…」

 ナユのウロコが、三枚入っていた。

「三枚も持ってたんだあ、雷ちゃんは!これは他の長が持ってくるのも楽しみだねえ」

 ラナクリフ様がウキウキと声を上げる。

 すごい。ものすごい勢いでナユのウロコが集まってきてるよ、ナギ。

 これは中の情報を読み取るのが…そしてナユの声を聞くのが、楽しみだね。

 ラナクリフ様とガンディ様も共に夕食を済ませて、まとわりついてくるラナクリフ様にちょっと閉口しながら、皆で騒がしく一緒にお風呂に入った後に到着したのが、氷雪竜の長だった。

 すらりとした細い体躯、雪のような白く長いストレートの髪を額の真ん中で分けた彼は、オーリ・ファライアスと名乗った。

「聖銀様、まさかこのような日がくるとは、このファライアス思ってもみませんでした。お会いできてこの上なく幸せです。まずは聖銀様にお渡しするよう代々伝わってきたこちらを。私の代で、ようやくお渡しできます」

 細かいダイヤモンドをあしらったような箱は氷のようにキラキラと輝いていて、どんなに大切にされてきたのかが知れた。

 箱を開けてみると、そこには思った通りナユのウロコが、やはり三枚綺麗に並べられて入っていた。

「ありがとうございます、ファライアス様。受け取らせていただきます」

 これでもう八枚も揃ったわ、ナギ。すごいね。

 もっと集まるのが楽しみね。(続く)

第94話までお読みいただき、ありがとうございます。

ウロコはもっと集まるのでしょうか。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ