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第86話。明後日は歓迎の宴と聞いてはしゃぐタニアとそれをいさめる仲間。用意された食事をとりに行ってみると、そこで鞠絵が見たものとは…。

第86話です。

「そんな、頭を上げてください」

「聖銀様がお還りになったということで、勝手ながらこのおばば、他の真竜たちの長を集めて話し合いの場を設けるべく、すでに各長たちに通達を出しております」

 えっ、そうなんですか。

「こちらで勝手にしてしまい申し訳ございませぬ。しかし数日中には全員集まるでしょうから、話し合いはその時でもよろしいでしょうか」

「はい」

「それまでに、我らでわかることはまとめておきますので」

「はい。ありがとうございます、よろしくお願いします」

「ではそれまでの間、ゆっくりなさってください。明日はお疲れでしょうから、明後日には我ら黒鋼竜での歓迎の宴を用意するつもりでございます。数日はこの地でお休みになって、湯なども使ってご休息くださいませ。女たちに食事の支度をさせましょう」

「わあ姫様、明後日は宴ですって!」

「タニア、はしたないわよ!」

「だってサラ、楽しそうですもの。姫様も楽しみですよね?」

 ま、まあ、楽しそうではあるけれど。

 タニアの太い尻尾がそれは嬉しそうにぶんぶん振り回されたものだから、私の背後にいるルイにビシビシ当たったらしく、ルイは不機嫌そうな声を出した。

「タニア、尻尾やめろよ痛い」

「仕方がないんですうー」

 タニアは私の右腕を両腕で抱え込んで、嬉しそうにはしゃいだ。

 ほ、豊満な胸がぐいぐい当たってます。

「マ・リエを振り回すのはやめなさいって、タニア!」

「サラだって嬉しいくせに。姫様、ごはんを食べたらお湯に入りましょうね!そしたら女三人でくっついて眠りましょう!」

「ぐっ」

 背後でルイが、悔しそうな、おかしな声を出した。

「ふふふ、仲の良いことで喜ばしい。ささ、地図は数日のうちには書き込みも含めて用意しておきますから。本日は色々あってお疲れのことでしょう。本日はあたたかい食事をご用意いたしました。それを召し上がって、今宵と明日はどうぞごゆるりとお休みくださいませ」

「ありがとうございます、おばば様」

 細やかな気遣いが嬉しい。

 確かに、今日はあまりに色々なことがありすぎてもうフラフラだ。

 おなかもすいたし、食事が頂けるならできたらお風呂にも入って、もう休みたい気分だったから、宴を明日でもなく明後日にしてもらったのは本当に良かった。




 その後私たちは皆で一緒に食事をとるべく別室に案内されて、そこで私は見てしまった。

 あれは…あれは…お釜じゃない?

 それにその隣には、味噌汁色をしたスープが入った鍋があるのだけど。

 まさか…まさか…白飯に味噌汁!?

 いやいやそんなバカな、落ち着くのよ鞠絵。そんな都合のいい話があるわけないじゃない。きっとあのお釜っぽいものの中身はお肉とかが入ってて、味噌汁っぽいものは何か別のスープに違いないわ。

 しかし震えながらお皿を置いた私に、真竜の女性がにっこり笑ってこう話しかけてきたのだ。(続く)

第86話までお読みいただき、ありがとうございます。

次回は白米と味噌汁も含めたごはんを食べます。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

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