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第82話。ルイたちのいる部屋へ戻り、彼らが食べたというおやつ をもらう鞠絵。それに驚愕する鞠絵だが、そのおやつとは一体?

第82話です。

「マ・リエ!」

 部屋に入ると、真っ先にルイが私を見つけて呼んでくれた。

 ああ、ルイの声に呼ばれると安心する。

「姫様、お気がつかれたのですね!良かったです」

「心配だったけど、一人で休ませてあげたほうがいいって、おばば様が言われたから、私たちはこちらの部屋にいたのよ」

「オレたちも休んでいたから、気にするな」

「そうだったのね。皆、ありがとう」

 にっこり笑うと、タニアもユニコーンたちも一様にほっとした表情になり、私を囲んで口々に話しかけてきた。

「姫様、私たち、美味しいおやつをいただいたんですよ。姫様は眠ってらしたから、ぜーんぶいただいちゃいました!」

「まあタニア、意地悪を言うんじゃないのよ。大丈夫よマ・リエ、ちゃんとあなたの分はとってあるから」

「サラが姫様にいい顔しようとしてる~」

「何言ってるのよタニアったら」

「マ・リエ、オレたちおばば様とも色々話をしたんだ。お前はすごいことをしたんだな」

「オレも感心した。さすがだマ・リエ」

「え、み、みんなちょっと待って」

 私はサラが私の背中を、タニアが頭を撫でてくるのに笑いながら、しばし皆と聖銀竜や黒鋼竜のタマゴや洞窟について話した。

「そんなに綺麗だったなら、私も見てみたかったですう」

「何を言うタニア。大切な場所なのだから、うかつに入れるところじゃないだろう」

 ダグは真面目だなあ。

 そうだ、おばば様に話があるんだった。

 部屋の中には白い大きなテーブルと、それを囲むように五つの白い椅子が置かれており、テーブルの上にはお茶とお菓子が平らげられた状態で置かれていた。

 あれがタニアの言っていたおやつね。サラの言った通り、少し残っている。

 ん?

 あ…あれは!?

 まさか!?

 どう見ても…どう見ても…。

「み…みたらし団子!?」

 するとヘレナ様が覗き込んできた。

「ミ・ターシがどうかいたしましたか?」

「み・たーし!?」

「この団子の名称です。甘辛で、とても人気があるのですよ。聖銀様にもぜひ召し上がっていただきたいです」

「そ、それは…ぜひ…」

 サラがにっこり笑ってはい、と団子の刺さった串を私に差し出してきた。

「とっても美味しかったのよ。タニアが全部食べちゃいそうだったのを、ちゃんとマ・リエの分をとっておいたんだから」

「いっ、いただきます!」

 私はその、どう見てもみたらし団子なミ・ターシの串を受け取って早速かぶりついた。

「ああ…」

 みたらし団子でした。

 懐かしい…お醤油味の。

 ん?お醤油味?

 ってことは、この世界にはお醤油があるってことになるんだけど。

「あ、あの、ヘレナ様」

「はい」

「とっても美味しいです。これ…醤油、ですか?」

「しょうゆ?味付けはショユと砂糖ですが。ショユは黒鋼領の昔からの特産品のソースで、大豆から作るのですよ。外部に販売していてとても人気があります」

 大豆から作るソース…それはつまり醤油じゃないですか!!

 やった…この世界でもお醤油が食べられるんだ…。嬉しすぎる。

 だって元は日本人ですもの。

 私は感動しながら二本目も平らげて満足し、奥の椅子に座って微笑みながら私たちを見つめていたおばば様を振り返った。

 みたらし団子ショックですっかり忘れていたけれど、聞きたいことがあったんだと思い出したからだ。(続く)

第82話までお読みいただき、ありがとうございます。

みたらし団子美味しいですよね。私も大好きです。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

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