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第219話。アトラス帝国の中で眠っている神金竜ヴァレリアを救い出すための方法を、元大将軍ヴィレドが語りだす。その方法とは…?また現アトラス帝国皇帝についての秘密とは…。

第219話です。

「それにタマゴがまだ無事だったとは…貴重な神金竜のタマゴが、それも五つも」

「ヴァレリア様をお救いして、タマゴも救い出すことができれば、孵ったタマゴの子が大きくなれば、どこかにほころびができても封じることができるようになりますね」

「そのことだが」

 スーリエ様が、もう一度ヴィレドさんたちを見た。

「ヴィレド殿の言葉では、ヴァレリア様をお救いするための手段もある、とのことだったな」

 そうよ、それはどうなるの?

 軍隊のたくさんいる中に入っていって、地下にいるヴァレリア様を救い出す手段なんてあるの?

 するとヴィレドさんはちらり、と隣のガイウスさんを見やり、それから真竜たちに向き直って、はっきりと言った。

「はい、私に考えがございます」

「その考えとやらを聞こう」

 光竜スーリエ様に頷いて、ヴィレドさんは背筋を正した。

「皇帝陛下にご退位願って、新しい皇帝陛下を据えるのです」

「は?」

 えっ?

 なんですって?

 ヴィレドさんは私たちをぐるりと見回して、言葉を続けた。

「これはカルロス殿やユニコーン殿たちにも話したことなのですが、数百年前から代々、帝位についた者は何者かに体を乗っ取られていると思われます。今の皇帝陛下ディガリアス様も、おそらくはそうであるかと」

「なんと!?」

 真竜たちがざわつく。

 えっ?乗っ取られているって、どういうこと?

 にわかには信じがたい言葉に私もびっくりして、ヴィレドさんを目をまるくして見つめた。

「おそらくは数百年前の皇帝か、もしくは別の人物かもしれませんが…その者がそれ以降、帝位を継ぐ者の魂を乗っ取って、皇帝となっているのです」

「そんな…そんなことが、できるのか?」

 真竜の長たちがそれぞれに、疑惑の言葉を口にした。無理もない、そんなこと、はいそうですかとすぐに納得できるものではないもの。

 ヴィレドさんは皆を見回して、淡々と語った。

「やり方などはわかりません。しかし私は十年以上も前から、様々な資料を調べてまいりました。その中には、数百年前から同一人物としか思えないような事柄が、いくつも出てきたのです」

 皆が顔を見合わせていると、ヴィレドさんが続ける。

「アトラス帝国はここ数百年、戦ばかりで進歩がありません。帝国はもう老人のようです。ですから変えなければなりません。皇帝陛下の代替わりは、絶対に必要なのです」(続く)

第219話までお読みいただき、ありがとうございます。

本当に皇帝の代替わりなどできるのでしょうか。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

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