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第217話。ドラゴン会議中、アトラス帝国の元大将軍ヴィレドが 話をする。彼は神金竜ヴァレリアの居場所を教える代わりに、とある人物の身の安全を取引したいと申し出て…?

第217話です。

「聖銀様。驚かせてしまって申し訳ございません」

 エラストリ様がいつもの優しい口調でそう言って、私の肩に手を置いた。

 でも…見上げると、その口元は笑顔の形になっていたが、水色の瞳は笑っていなかった。

 怖。

 でも仕方がないわよね…あの戦では、水竜たちはひどいめにあったのだもの。小さな子どもまでも。

 エラストリ様が怒るのは無理もないけれど、ラナクリフ様やトリスラディ様が言うように、彼らの話を聞かなければヴァレリア様の居場所がわからない。

「さあ、愚かなる只人たちよ。おぬしらの命は、ヴァレリア様の居場所を話すためだけに延ばされた。さっさと話すがよい」

 冷徹なエラストリ様の声が部屋に響く。しばらくの間、ガイウスさんとヴィレドさんは激しく喘ぎ続けていたが、やがて呼吸が戻ってくると、髪の毛一筋たりとも濡れていない顔を上げた。

 この二人が今にも水死しそうになっていたなんて、誰が信じるだろう。

「…わたくしから、お話いたします」

 ヴィレドさんが床から手を離して起き上がり、膝をついたままエラストリ様を見上げ、深々と頭を下げた。

 それから膝で向きを変え、真竜の長一人一人に頭を下げていき、カルロスさんたちにも低頭し、最後に私に向かって、床に額を擦りつけた。

「ヴィレドさん」

 私があわてて駆け寄ろうとするのを、頭を上げたヴィレドさんが手を挙げて制する。

 ガイウスさんは、ずっと床に這いつくばったままだったが、ヴィレドさんに肩を叩かれてようやく顔を上げた。

「こんなことを申し上げられる立場にないのは重々承知ながら、まずは、取引をさせていただきたいと存じます」

「おぬしらの身の安全と、ヴァレリア様の居場所のことだな」

 光竜スーリエ様が、静かな声でそう答えると、ヴィレドさんはスーリエ様に向き直って頷いた。

「はい」

「それでは、おぬしらの話を聞こう。話すがよい」

「ご温情に感謝いたします。彼は帝国の第三皇子、ガイウス様です。私は皇帝によってその任を解かれているので、元がつきますが、大将軍の地位にあった者でした」

 ヴィレドさんは淡々と語り、ガイウスさんは自分が紹介されたときにまた深々と低頭した。

「ガイウス様はおそらくは、第一皇子によって命を狙われています。私は彼を守りたくて秘密裏に共に帝都を出ましたが、既に情報が行っていたのでしょう。帝都を出た瞬間に数人の刺客によって襲われたところを、あちらの」

 ヴィレドさんはカルロスさんたちを示した。

「カルロス殿、魔法師殿、ユニコーン殿に助けていただいたのです」

 その後彼らによって近くの街へ連れていかれ、傷の手当をしてもらったこと、それを恩義に感じて帝都の城へ向かうというダグたちの先導をしたことを話した。

「彼らは神金竜ヴァレリア様は帝都の地下におられると思われていたようでしたが、それは違います。確かに竜は存在しましたが…それは既に、報告されていますね?」

 重い扉の外で待機していた彼らには、部屋の中の様子は伺えなかったのだろう。ヴィレドさんの問いに、スーリエ様が答えた。

「確かに。それは聞いている」

「私は神金竜ヴァレリア様の居場所を知っています。それを皆さんにお教えする代わりに、ガイウス様の身の安全を保障していただきたいのです」

「おぬしのことは?今の言い分だと、おぬしは含まれていないように聞こえるのだが?」

 スーリエ様の問いに、ヴィレドさんは静かに頷いた。(続く)

第217話までお読みいただき、ありがとうございます。

ヴィレドの身の安全はどうするつもりなのでしょう。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

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