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第215話。ドラゴン会議の最中、神金竜ヴァレリアの居場所を知っているという帝国の第三皇子ガイウスと、元大将軍ヴィレドが真竜たちに紹介される。ガイウスは自分が襲った水竜の砦の件を…。

第215話です。

「それで、我々が調べていた神金竜ヴァレリア様の居場所ですが」

「わかったのか?」

 トリスラディ様が身を乗り出す。

 カルロスは一つ息を吐いて、それについて…と述べた。

「我々が助けたその人物の一人が、ヴァレリア様の居場所を知っている、と申しております」

「おお…!」

 七人の真竜の長たちが、一様に声を上げた。うなだれていたリヴェレッタ様でさえも。

「それで…ヴァレリア様はいずこに?いずこにおられるのか?」

 スーリエ様が意気込んでカルロスさんに詰め寄ると、彼は言いにくそうに言葉を濁した。

「彼らは…国を追われた上、命までも狙われています。ですから、ヴァレリア様の居場所を我等に教えるその代わりに、彼らの身の安全を保障してもらいたい、と言っておりまして…」

 真竜の長たちは、顔を見合わせた。しかしその表情に怒りや蔑みはなく、一様にカルロスさんを振り返る。

「なるほど…そういったこともあるだろう。よかろう、彼らの話を聞いてみようではないか」

「…わかりました。それでは、彼らをここへ連れて参ります」

 カルロスさんはそう言って廊下へ出て行き、しばらくすると扉が開いて、ヴィレドさんとガイウスさんを連れて戻ってきた。

 二人とも地味な服装をしていたが、黒鋼竜の領地は寒いので、貸してもらったのだろう、あたたかな上着を羽織っている。

 ヴィレドさんは厳しい顔をしていたが、その隣からガイウスさんがつかつかと進み出てきて、私を見て少し顔を赤らめた。

「?」

 私をじっと赤い顔で見つめているけれど、何かしら。

 しばらく後にキッと顔を上げたガイウスさんは、椅子の隙間から円陣の中へ入ってきて、周囲に座った者たちをぐるりと見回す。

「この中に、水竜の長殿はおられるか」

 えっ、自分からいっちゃう?私があわてて止めに入ろうとする間もなく、エラストリ様が立ち上がる。

「私ですが」

 ああ~…。

 イヤな予感しかしない…。

 ガイウスさんはエラストリ様に真向から向き合うと、膝を折ってその場に膝まづいた。

 円陣の外で一瞬固まっていたヴィレドさんも、あわててその後を追って膝まづく。

「水竜殿、その節は大変申し訳なかった!」

「は?」

 あっ、やっぱり言っちゃう?

 こう言っちゃなんだけど、ちょっとおバカさんなの?

 エラストリ様は、一瞬で何かを察したのだろう。いつもは穏やかでお優しい菩薩のようなお顔でにっこりと笑い、優しい声で一言聞いた。(続く)

第215話までお読みいただき、ありがとうございます。

ガイウスに水竜の長はどういう反応をするのでしょうか。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

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