表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
211/356

第211話。七頭の真竜の長が黒鋼竜の領地に集まって、ドラゴン会議が開かれる。その中でマ・リエが真竜の長たちに説明したことと、それに対する長たちの反応は…。

第211話です。



「皆さんお着きですね。こんな短期間に、また集まることになるとは思っておりませんでしたが」

 光竜の長ハリー・スーリエ様が、六人の真竜の長たちをぐるりと見回してそう言う。

 夜までに全員がこの黒鋼竜の領地に集まったので、皆で夕食をとってからドラゴン会議が行われた。

 そこには私とタニア、黒鋼竜のおばば様、ルイとダグとサラ、カルロスさんと魔法師の二人も同席していた。

 本来ならば七人の真竜の長たちだけで行われるのが当然のドラゴン会議であったけれど、彼らに報告する重要なことが私たちにはあったので、特別に同席が許されたのだ。

 まずは七人の長たちが順番に各々の領地であった出来事を報告していって、会議は中盤にさしかかった。

 風竜の長ミンティ・ラナクリフ様が、手を挙げて私とおばば様を見る。

「私も一緒にいたことですが、そこのお二方からお話は聞いたほうがよいと思います」

 すると議長でもある光竜の長ハリー・スーリエ様が、おばば様と私に向かって手を差し伸べた。

「あなたたちからは、いくつか報告があると聞いています。まずはラナクリフが申す事柄から、説明してもらえるでしょうか」

「はい」

 私とおばば様は、私が夢を見た話から始めて、深夜に黒鋼竜の領地の向こうにある、邪気にまみれた国の跡に行った話をした。

 そこで私が浄化の歌を歌って、国の邪気とそこに捕らわれていた生き物たちの魂を浄化し解き放ったこと。

 現れた、大きな黒鋼竜の魂エレサーレのこと。

 彼が抱えて離さなかった、殺された聖銀竜の子マ・コトの言葉を伝えて、彼がその身の内に捕らえていた王様を始めとする城の者たちもろとも、歌にのせて昇華させたこと。

 その後マ・コトが、産まれてくるのが怖いと言いながらも、私の言葉に納得して昇華してくれたこと。

 そしてその後、聖銀竜ナユの子が次々と産まれ、その中には双子のマ・コトの中に、消えていったマ・コトもきっといること。

 黒鋼竜の子も各地で産まれていることは、長たちの報告の中に入っていたので言わなかった。

 事情を知っているラナクリフ様以外の六人は、呆然とした顔でその話を聞いていたが、やがて一様に溜め息をついて、それぞれの顔を見合わせた。

「いやはや…マ・リエ殿の御力は知ってはいたけどよ、よもやこれほどとは」

 炎竜リンガル・リヴェレッタ様がそう呟けば、雷竜スパーダ・ガンディ様もその太い腕を組む。

「うむ。邪気竜を説得するだけでも相当なものだが、それを浄化してしまうとはな。いかなつわものでも、それは不可能であったろうよ」

 氷雪竜オーリ・ファライアス様も、黙って目を閉じて頷いた。

「聖銀ちゃんの御力は、そりゃもうすごいんだからね!私もこの目で見たけれど、ちょっとやそっとじゃ信じられないくらいだよ!」

 風竜ミンティ・ラナクリフ様が、翠の宝石のような瞳をキラキラと輝かせながら、胸の前で手を組んだ。

 地竜の長アラル・トリスラディ様と、水竜カルラ・エラストリ様も、真剣な瞳で頷く。(続く)

第211話までお読みいただき、ありがとうございます。

マ・リエの力に皆驚いていましたね。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ