第206話。自分は一人ではないと再確認するマ・リエ。そんな彼女に、ユニコーンのルイたちは最後の情報として、帝都の城の地下へ行ったことを告げる。その方法とは…。
第206話です。
あたたかい。
そう、私は一人じゃないんだ。
私の中にはずっとナギがいるし、信頼も心配もしてくれる仲間たちだっている。
元いた世界では、こっちの世界よりずっと便利だったけれど、私は一人ぼっちだった。お父さんもお母さんもいなくなって、私のことを心配してくれる友達もできなくて、ご近所付き合いもなくて。
きっと、私が殺されたか行方不明になったと思われた後も、淡々と処理がされて終わりになったんだろう。
でもこの世界では違う。
こんなに私のことを気遣ってくれる人たちがいて、私の歌で救ってあげられる人たちがいて。
私はここで…幸せだ。
だから、みんなも幸せになって欲しい。
つらい思いをしている人が、いない世界に少しでもなったらいい。
そのために私ができることがあるならば、喜んでどんな苦労もするつもりだ。
でも、仲間たちに心配をかけないように、これからは隠さずにきちんと話し合うようにしよう。
サラに寄りかかりながらそう私が決意したとき、ダグが口を開いた。
「それで、これがオレたちが手に入れた最後の情報なんだが」
「はい」
私はサラから身を起こし、背筋を正してダグとルイに向き直った。私の左右からタニアとサラがそれぞれ片手ずつを私の背中に伸ばして、そっと支えてくれた。
ルイがダグのあとを続けたが、その内容に私は目を見開いた。
「マ・リエに助けて欲しい者がいるんだ」
「え?」
私に?だれ?
仲間たちがわざわざ私に言ってくるような人ならば、私にできることなら喜んでするけれど。
「実は、オレたちは帝都の城の地下に潜って探ってきたんだ。そこに在る者の情報を得たからなんだが」
「えっ、そんな危険なことまでしてきたの?私には相談しろって言ったのに」
半分は心配からちょっとムッとして、私はルイたちを睨んだ。
隣でサラが、ごめんね、と囁く。
ダグもバツが悪そうな顔をして、ルイは私に向かって頭を下げた。
ちょ、ちょっと、そんなことしなくていいのよ。
「すまない、その通りだな。だがマ・リエに相談しようにもその場にはいなかったし、急を要することだったから勘弁して欲しい」
「どうやって、城の地下なんて行くことができたの?そう簡単には入り込めないでしょう?」
私の問いに、ルイが頷いた。
「元大将軍のヴィレドが、オレたちを抜け道に案内してくれたんだ。オレたちの姿は魔法師のラバンが、目くらましの魔法をかけてくれた。触らなければ、相手からは認識阻害がかかってオレたちを視認できなくなる。魔力のない只人には、特に有効だ」
「ヴィレド…今回あなたたちが連れて帰ってきた人の一人ね」
もう一人は金ピカさんだ。
「ああ。オレたちが神金竜ヴァレリア様を探していて、彼女が城の地下にいるんじゃないかと疑っていたら、そうではないと言われてね。それで…確認しに連れて行ってもらったんだが…」
ルイは言葉尻を濁すようにして、うつむいた。(続く)
第206話までお読みいただき、ありがとうございます。
ルイは何を言いたいのでしょうか。
また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。




