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第201話。帝都に情報集めに行っていたルイ、ダグ、サラが戻ってきて、マ・リエに帝国の第三皇子ガイウスと元大将軍ヴィレドのことを報告する。その内容とは…。

第201話です。

 帝都では何が起こっても不思議ではない。

 特にルイとダグは、ユニコーンの村では戦うことのできる立派な男性ではあったけれど、決して兵士などではないのだから。

 だから…とても心配だったのだ。

 現代のようにスマホで連絡がとれるわけでもないし、彼らが離れている間は、やきもきしながら待っているしかなかった。

「本当に良かったわ。あなたたちにまた会えて嬉しい。大変だったでしょう」

 ルイが翠色の瞳を輝かせて、私を見つめた。

「オレも…オレたちも、またマ・リエに会えて嬉しいよ」

 サラが私を離して、満面の笑みで言う。

「ちょっと大変だったけれど、少しは情報も手に入れてきたのよ」

 しかしダグは少々顔色を曇らせた。

「だが…神金竜ヴァレリア様の居所については、調べてくることができなかった。…すまない」

「そんなこと。いえ、それは確かに重要なことだけれど、あなたたちが無事に戻ってきてくれたことが大切なのよ。ヴァレリア様については、また調べればいいわ」

「マ・リエ。そのことなんだが…」

 ルイが、彼らと同行したカルロスと魔法師のラバンとシダーは、連れ帰ってきたという二人と一緒におばば様のところに行っている、と説明してくれた。

「名前はガイウスとヴィレドだ。マ・リエは水竜の砦で見たことがあると思う」

「えっ、私が?」

「そうだ。ほら、金ピカの鎧を着ていた帝国の第三皇子と、その傍についていた大将軍だよ」

 ああ、と私は息を吸い込んだ。

 覚えている。水竜の砦で、私の言葉に低頭しながらも、決して捕らえた水竜の子どもたちの居場所を言おうとしなかった、金ピカさんたちね。

「でもどうして、あの人たちを連れて帰ってきたの?彼らは敵ではなかったの?」

 不思議そうに問いかけた私に、ダグが頷いて説明してくれた。

「彼らは国境近くで襲われていたんだ。そこをオレたちが助けてな」

「えっ、皇子様と大将軍なのに襲われていたの?なぜ?」

「ガイウスは第三皇子だ。他の兄弟たちに命を狙われていた。ヴィレドはガイウスを守るため、密かに帝都から連れ出そうとしたんだが、監視がついていたんだろう。帝都を離れた途端に襲われたんだそうだ」

 なんてこと…私には兄弟はいなかったけれど、血のつながった兄弟から命を狙われる、だなんて。

「ケガはなかったの?」

「いや、二人ともケガはしていた。特にガイウスのケガはひどかったから、近くの街の宿に入って手当して、彼らを監視しながら皆で手分けして帝都のことを調べたんだ」

 眉をしかめる私の肩に、ルイがそっと手を置いた。

「大丈夫だよ、マ・リエ。ガイウスのケガはもう良くなった。シダーが宿で傍にいて、回復魔法を少しずつかけたからな。今はもう平気だよ」

 そうなのね、良かった。

 水竜の砦を襲った人たちとはいえ、実の兄弟に狙われて命を落とすだなんて、かわいそうすぎるもの。(続く)

第201話までお読みいただき、ありがとうございます。

ガイウスのことは、やはりマ・リエは心配してしまうのですね。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

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