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第103話。鞠絵や黒鋼竜のおばば、真竜の長たちを始め、総勢十八名によってひらかれた会議で、鞠絵がナユのウロコから読み取った情報を開示する。その内容とは…。

第103話です。




 そして、夕飯の後。

「さて、皆さんお集りですね。これから会議を始めようと思います」

 集まったのは私と黒鋼竜のおばば様とルシアン、七人の真竜の長、ペガサスのエルと元帝国軍人のカルロスと二人の魔法師たち、そして三人のユニコーンたちと雷虎のタニア。

 大きな部屋にぐるりと円陣を囲んで、絨毯を敷いた床の上にクションが置かれ、総勢十八名のうち十名が内側を向いて座った。

 私の右隣にはおばば様が座り、その後ろにルシアンが座る。

 私の後ろにはルイ、タニア、サラ、ダグが並んで座った。

 トリスラディ様の横、ったこと。ナギは聖銀竜の二世代めであり、まだ初代の神金竜や聖銀竜たちが多く残っていたようだ。

 ナユはその先読みの力で、ナギが戻ってくることを漠然と感知してはいたが、いつであるかということまでは魔力が足りなくて知ることができなかった。他の聖銀竜から力を借りれば知ることはできたけれど、世界の修復が優先されていた当時では、個人的なことのために力を借りることはできず、修復が終わりに近づいた頃に行われた先読みによって、ようやく知ることができたという。

 先読みの内容としては、その時点での世界の修復はほとんど終わってはいたけれど、この先もそのまま世界が維持されていくのかどうか。

 再び虚無がこの世界に侵食してこないか。

 封じたほころびが封印を破って開くことがないか。

 それらを調べるための先読みだった。

 ナギの帰還についてはついでのはずだったが、ナギが帰還する時期に合わせるように、虚無が活動を始めることが判明する。虚無の目が開き、新しいほころびが生まれ、世界は再び破滅の危機にさらされると、ナユの先読みによって神竜たちは知ってしまった。

 それは逆に、神金竜も聖銀竜も減ってしまっているだろう時代に危機が訪れるからこそ、それを止めるためナギがその時代に飛ばされたとも考えられた。

 その先読みの結果を受けて、聖銀竜と神金竜、黒鋼竜の代表が会議を開いた。未来の危機に備えるための話し合いだ。

 いろいろな意見が出たが、結論として出されたのは神金竜と聖銀竜を未来に送り込むことだった。

 しかし、その時点ですでに大人の神金竜と聖銀竜はほとんど力を使い果たしており、魔力と神気によってささえられている神竜たちの余命は残り少なかった。かといって、子孫を残し血を繋ごうにも、聖銀竜の数は数百頭程度、神金竜に至っては百頭足らずであったため、何千年も先まで子孫を残すことはとても無理だと思われた。

 黒鋼竜は数千頭いたこともあり、未来にナギが出会うこともナユの先読みで見られていたのだが。

 話し合いの末、苦肉の策として、神金竜と聖銀竜のタマゴを未来に送ることとなった。

 タマゴの殻を結界として使い、魔法で人工冬眠状態にして、長い年月を超えさせる。その間に、タマゴの中に神気や魔力を取り込んで力をたくわえさせることによって、孵化した後は急激に成長することとなる。

 ただし、いくら体が成長しても子どもだけでは心や経験が伴わないので、彼らを導く大人も行かなければならない。

 聖銀竜はナギに任せるとして、ナユがそのためにウロコに情報を残し、唯一血を繋げられる黒鋼竜や真竜の長たちに分割して託した。

 それが、今回集まった十二枚のウロコだ。

 神金竜は最も力を持っていたヴァレリア様が、魔法による人工冬眠に入ることとなった。

 しかし…ヴァレリア様に関することはあの欠けたウロコに入っていたため、どうやって眠りにつき、どこで眠っているのかまではわからなかった。

 そこで、私が同席をお願いしたルシアンの出番だ。(続く)

第103話までお読みいただき、ありがとうございます。

ルシアンはこの後何を語るのでしょうか。

また次のお話も読んでいただけましたら嬉しいです。

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