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36話 1番身近な魔法

36話 1番身近な魔法




 「その大規模な魔術は恐らく古代魔術ね。 発動時間、威力、強度どれを取っても一級品だわ。この目で見るのは初めてだけど」



 ヘクサは地面にへたり込みながらそう答えた。



 「お望み通り、ゲミューの居場所を教えてあげる」



 ヘクサは氷柱を作るとそれで船体に大穴を開けた。



 「ありがとう、ヘクサはどうなるんだ? こっちに儀式で呼ばれた後ずっとこっちに居られるのか?」



 「いや、この状態だと居るだけで魔力を消費するんだよ。 そして最後は灰になる、それならもうひと足掻きしても良いよね」



 ガイアが足元に嫌な感覚を感じ、目を下ろすと足首ほどまで水が溜まっていた。



 「水結界、結」



 ヘクサとガイアを中心とした四角形の薄い魔力の膜が現れた。



 「これであなたは魔法を使えない、にしても貴方簡単に敵の間合いに入りすぎよ」


 「うるせぇよ。確かに木片を掴んでも何も反応しない」


 「水は人の体に吸収されやすい、その水に私の魔力を流し、相手の魔力の発動を妨害するの。 いくら強いパンチを出そうとしてても身体中をくすぐられててたらパンチを出せないでしょ? それと一緒よ」


 「まぁ別に、普段から魔法は使いたくても使えないし元に戻っただけだな。え? わかったよ。あんたは魔法での勝負にこだわるんだな」



 ガイアは再び頭の中の魔女と話す。



 「ヘクサ最後の力比べだ。 俺の中に居る魔女の名前はフォンネール・ネルカだ。 元々ネルカの魔法は触媒なんて要らない、だけど触媒を使う。 その理由は元々ある1種類の魔法の適性が高すぎてどの魔法を使おうとしてそれの魔法が発動してしまうから」


 「フォンネール・ネルカ! 魔法のひらがなを作ったと言われる、魔法の始祖! そんな偉大な人が貴方の中に。 良い機会ね、なら私は魔法の漢字を作るまでよ!」



 ヘクサの体の魔術式が忙しなく動き続け、周囲に水の塊が何個も現れる。



 「話の途中だ。その適性が高すぎる魔法は常に俺たちの体にとりいれて触れている物。   空気だ」



 ガイアはゆっくりと水で濡れた両手を広げた。



 「ネルカ式魔術・空」



 ガイアの周囲の空気が揺れガイアの元に集まり、一気に放たれる。



 「まずい! あの空気がここまで来たら負ける! 水砲発射!」



 ヘクサの周囲の水の塊が一箇所に集まり、ブクブクと泡立つと一気に弾け、滝が横向きに流れているかのように激しい勢いでガイアに向かっていった。



 「無駄だ。空気と水どっちが早いかなんて誰でも分かる」



 その瞬間、ヘクサの体が止まり指先すら動かせなくなり水砲は崩れていった。



 「空気は人の体に無くてはならない存在。  ヘクサには呼吸と喋る事しか今は許可していない。このまま体を切り刻んだり、呼吸を止める事も出来るがあんたは良い人そうだからやらない。

 このままあんたの魔力が尽きるまで拘束させてもらう」


 ヘクサの体の魔術式がピタリと止まった。


 「何がいけなかったんだろ、水と空気の相性が悪かった? 火の魔法だったら空気を燃やせたかもしれない。 

 そもそもの魔力の蛇口の大きさがネルカと私じゃ違いすぎる? 皮膚に付与する魔術式も改良の余地がありそうね…………やっぱり負けるのはムカつくわね」



 ヘクサはぶつぶつと誰にも聞こえないような声で呟いた。



 「あぁごめんなさい。 何がいけなかったのか考えてたの、安心してもう魔力は全部出し切ったからもう私は消えるわ。 ゲミューは船の機関部に居ると思うわ」



 ヘクサの皮膚から魔術文字と術式が消えて、縛られていた髪が解け長い髪から魔力の残滓が煌めいていた。



 「機関部かありがとう」



 ガイアは船に目をやった。



 「次会う時はもっとゆっくり」



 再びヘクサの方を見た時にはもうヘクサの体は灰に宙を舞い、何も無くなっていた。



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