35話古代魔術
35話 古代魔術
「さて、ガイアも急いでいる事だし、巻きで倒させてもらうわ」
ガイアの中にいる魔術師は手をヘクサに向けて力を入れた。
「あれ? 何も起きないんだけど」
それを見たヘクサすぐさま氷柱を飛ばす。
「危な!」
魔術師は氷柱をかわして再び手を前に出す。
「この時代は空気中の魔力が薄いから私の大気中の魔力を利用する、魔術を発動するには魔力が足りないのね」
魔術師は壁に刺さった氷柱を引き抜いた。
「触媒はこれで良いわね。ヘクサ、火力比べといきましょう」
「魔術の真理に到達してる私に良い度胸ね!」
ヘクサの首筋や腕に魔術式が現れ、そこに書かれた文字や絵は絶えず変わっていっている。
「これで氷魔術を原始の水魔法に一時的に進化。 体に魔術式を直接書き込み絶えず発動させて、一時的な魔力の放出と吸収を同時に行える様に出来る。 火力比べ受けてあげるわ」
ヘクサは両手を広げると空中に水の塊が現れ、そこから水がレーザーの様に無数の方向からガイアの体を借りた魔術師に向かっていった。
「魔術、氷」
ガイアがヘクサに手を向けると、船の真上に船の倍ほどの大きさがある氷の塊が船に向かって落ちてきた。
「何よこれ」
ヘクサは体勢を低くし水の膜を作って氷の塊を受け流そうとするが、氷の塊はヘクサとガイアをもろとも船を真っ二つに引き裂いた。
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「派手にやりすぎたね」
ガイアはひっくり返った船の壁をぶち抜き外に出てきた。
「なんだか記憶が曖昧だな、戦ってた記憶はあるんだけどヘクサは倒したのか? とりあえず船の中のゲミューを探すか」
ガイアは落下の衝撃で船の中央に穴が空いているの見つけそこから中に入ろうと向かっていく。
「待ちなさい。 力比べの途中でしょ」
ヘクサは瓦礫の裏から姿を表した。
「貴方の中にいる魔女は誰なの?」
「おばさん、あんたの名前は?」
ガイアは頭の中で会話を繰り返す。
「答えて来んないな。まだ早いって言ってるわ」
「そう、でも私並に魔力の真髄に近づいている事は確かね」
ヘクサは興奮気味で喋った。
「嬉しそうだな」
「私は1000年に1度の天才。尺に触るけど話が合うのは貴方の師匠ぐらいしか居なかったわ」
「へぇ、じゃああんたも相当な変人ってことだな俺は船の中のゲミューを探す。邪魔をしないでくれ」
「ねぇ、貴方はもし世界一強い男と戦える機会があったらそれを逃す様な事する? 戦いたいって思わない?」
「俺だったら絶対戦う」
ガイアはいったって真面目に答えた。
「なら戦いましょ、もしかしたら私より強い魔術師かもしれない」
ヘクサが杖で長い髪に触れると、髪は結ばれた様に一本に束ねられた。
「俺も全力で行く! えぇっと木!」
ガイアは咄嗟に墜落した船の木片を掴み叫んだ。
ガイアの目の前地面がうねりながら禿げていき、木の根の様なものが何本もヘクサに向かっていった。
「さっきのでこのぐらい大規模魔術なのは想定通り!」
ヘクサは足元に水を起こすと水流に押し上げられ空に飛び上がった。 木の根はヘクサを上空に追いかけていく、ヘクサは木の根が追う速度より速く空を上に上に上がっていき、やがて木の根は空中で停止する。
それと同時にヘクサは水をドリルの様に回転させながらガイアに向かって勢いよく垂直落下を行った。
「大規模な術は細かい操作は苦手なはず、これで決める!」
ヘクサを捕らえようと木の根はヘクサに向かっていくが上空まで伸び切った木の根は落下するヘクサを捉えるには遅すぎた。
ヘクサは落下しながら、水のドリルを全面に張って、残りの木の根を弾きながらガイアに向かっていく。
あと少しでガイアに届くその時ガイアは地面に触れながら次の魔法を唱えた。
「石!」
ガイアの真下の地面から石柱が勢いよく盛り上がりヘクサの体に鈍い音が響き、ヘクサは地面に転がった。




