第27話色んな色と邪魔なもの
第27話 色んな色と邪魔もの
「ガイアさん、何してるんですか。 起きてください」
イレイザはガイアに呼びかける。
「ガイア! 大丈夫か!」
ダンは右腕を抑えながらダンに駆け寄った。
「ダンさんは腕は大丈夫ですか?」
「全く力も入らないし、何も感じないけど大丈夫だよ」
ダンは右腕の肘が普通とは逆に曲がっているのをイレイザに見せた。
「全然大丈夫じゃないじゃないですか」
イレイザはすぐに蔦でダンの右腕をぐるぐるに固め、応急処置をする。
「どうしてイレイザさんは俺の事助けてくれたの? 俺よりガイアの方が絶対大事だったでしょ」
「目を合わせた時に、ガイアさんの気持ちが伝わったんです。 俺よりダンを助けろってじゃないともちろん助けないですよ」
「だよね」
ダンは苦笑いをしながら右腕をさすった。
「はい、すみません。嘘はいけないので正直に言いました。あなたの腕の状況から察するに、あの龍は物理的な攻撃ではなく、神経系や心を奪う見たいです。 ならあのクソボケ老人を殺せばガイアさんも起きるかもしれないですね」
「良く聞こえなかったがクソボケみたいな事言ったか? 用が無いなら私は船に戻るが」
「待て、今殺してやるからそこで止まれ」
イレイザは髪の毛を逆立てるとゲミューに向かっていった。
「傷つけるのは最小限に抑えたいんだがな」
「うるさい、ガイアさんを返せ」
ゲミューに四方八方から尖った枝が向かっていく。
「まだ死ねないね」
龍がゲミューを中心にとぐろを巻き、龍に当たった枝は萎れていった。
「なら質量で行く」
イレイザは瓦礫を家一個分くらい集めるとそれをゲミューに放り投げた。
ゲミューの龍が再度とぐろを巻き、瓦礫から身を守る。
「ここは私の一部だ」
とぐろを巻いたゲミューの真下の地面から枝を生やし、ゲミューの足を貫いた。
「これで終わり」
「君も終わりだ、龍が1匹なんて最初から言ってないからな」
イレイザの足元から龍が現れ、体全体を飲み込まれた。
「すまないな、だがしょうがないんだ。 私も出来ればみんな仲良く世界を作っていきたい。だが学校のクラス一つ取っても派閥が出来たり仲良く出来ない我々人間が人種どころか、獣人や君みたいな植人や岩人、死ぬほど居る多数の種族と仲良く出来るわけない。
綺麗な色をいっぱい混ぜても綺麗な色にはならない。 最後に行き着くのは暗い黒なんだよ」
地面に倒れていたイレイザは顔をゆっくりと上げた。
「私はあんたらの計画なんてどうでも良い。 ガイアさんを傷つけた奴は殺す、それしか私のルールは無い。でも一つ言わせてもらうなら、諦めた理由を正当化しようとするな。邪魔する奴は殺す。 結局はそういう単純な話だろ」
ゲミューは表情を変えずにイレイザを見つめている。
「発芽しろ」
イレイザの声と共にゲミューの足から無数の枝が突き出し足をズタズタに切り裂いた。
「私が終わりと言ったら終わりだ。あんたの体の魔力を養分として、その種は成長する。 最後は全身から枝が突き出て、サボテンみたいになって死ぬ。 ガイアさんを傷つけたあんたには相応しい最後だ」
「どのみち生きて帰れるとは私も思ってない。 そろそろ勇者が私達を倒しに来る頃だしな、私は船に戻る。残された時間で目的を達成しよう。イレイザ君が正しいよ、邪魔する奴は殺す。血で濡れた旗を掲げていくよ」
ゲミューがロープを掴むと、ロープは引き上げられゲミューは船に戻って行った。
「イレイザさん!」
ダンはイレイザさんに駆け寄った。
「意識の細分化はなんとか上手くいっけど、あの龍に精神を持っていかれすぎましたね。意識をもう保てません。
ダンさん、ガイアさんをどうか安全な所に、本当はもっと話したい事あったんだけどな、居なくなった時にどこに居たのかとか、あったかいご飯とあったかいベッドで寝れてたのかとか他にもいっぱい…………また慌てすぎだって怒られちゃうかもしれませんね。 ダンさん後は頼みました」
イレイザは眠るように意識を失った。




