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第23話料理人と戦艦街⑤まずい料理と侵略者

第23話料理人と戦艦街⑤まずい料理と侵略者




 「不味い、申し訳ないですけど、雑巾みたいな味がします」


 「はぁ? 私の料理が雑巾? 殺すぞクソガキ、帝国仕込みの格闘術でお前をボロ雑巾にしたるわ!」



 カレンがキレ散らかして、汚い言葉を吐きながら、ダンに襲いかかるのガイアが羽交い締めにして必死に止めた。 しばらくして落ち着きを取り戻したカレンに対してガイアはゆっくりと手を離した。



 「ふぅーー落ち着いたわ、殺そうかと思ったけど多分まだ魔力回路が覚醒してないから私の魔力を含んだ料理を美味しくないと感じるのね、魔力を持たない人からしたら脂身をそのまま食ってるみたいって前に言われたし、とにかくダンは私の料理を美味しいと言うまで帰さないからね」



 そう言うとカレンはシャボン玉から食材を出して調理を始めた。




 「もっとすごい料理作ってるから、とりあえず今はこれ食べてみて!」



 カレンはダンに向けて何かを投げた。



 「何この、箱みたいなやつ、んん!!  この匂い!アイスじゃん! カレン! 俺の分あるよね?  でもこれ以上カレンの料理を食べたら気絶しそうだし、今はお前にやるよ」



 ガイアは掴んだアイスを再び投げて、ダンに渡した。



 「これはさっきの料理より美味しそうって言うか甘い匂いがする」


 「当たり前よ、私が作ったんだもん、その蓋を取れば中に平たい棒が入ってるからそれで食べて」



 カレンはそう言うと再び慌ただしく料理を作り始めた。

 

 

 「食べてみる」



 ダンはアイスを口に運んだ。



 「うん、普通に美味しい。 砂糖の味がする」


 「普通って何よ、普通って、後私の料理を砂糖の味で片付けるな、なんかもっと奥の方から感じるバニラの旨味とかあるでしょ、でも美味しいって感じられたならよかった」



 カレンの調理をする手は軽くなり、口角は自然と上がった。



 そんな微笑ましい、路地裏での一幕を切り裂くように地面が水面に石を投げた様に波打ちながら揺れ、そこから体の反応をする暇もなく、耳が一瞬聞こえなくなるほどの大きな破裂音がした。



 ガイアは自分の心臓の鼓動と呼吸の音しか聞こえず、土煙が辺りに漂う中、子供達の方を真っ先に見ると、そこには子供達全てをゆうに潰せそうな、大きな瓦礫が子供達に落ちる所だった。 


 ヴォルトはすぐさま駆けつけようと足に力を入れたが、ヴォルトの足首は瓦礫に押し潰されていて一瞬、ヴォルトの動きが遅れてしまった。 



 「任せて!」



 カレンは子供達の頭上にシャボン玉を割るとそこから大きな生き物の頭蓋骨が現れ、子供達全員を机ごとすっぽりと覆った。



 「カレン! ありがとう、助かった」



 カレンは地面の揺れの衝撃で倒れながらも子供達の上にシャボン玉を発生させていた、ヴォルトはカレンの元に駆け寄り、倒れていた体を起こした。



 「間一髪だったね、子供達はしばらくガストルの頭の中に入れときましょう、良いダシが取れるんだけど、仕方ないわそれより何今の地面の揺れ」


 「わからない、この衝撃はヒンメルが攻撃されてるか、相当な力を持ったものがヒンメルで戦ってるかしか考えられない、どちらにしろ緊急事態だな」



 ガイアはローブを脱ぐと、道の脇にある雑草を掴んだ。



 「ガイア何してるの?」


 「俺がヒンメルの団長だった時にこの街の防衛の仕組みをイレイザと一緒につくった、街の地面に等間隔に生えたイレイザの雑草が街で起きる感知出来る仕組みだ。 だからまず俺がこの雑草に俺の魔力を流して俺が戻った事を教える。 

 そうすればイレイザは」



 ガイアが言葉を言い終わる前に雑草が生い茂り、地面からは木が生えてきた。



 「来たな」


 「ガイア隊長、随分遅いご帰還で」


 「ごめんな、イレイザだいぶ手間取った」



 ガイアが振り向くとそこには長い緑色の髪をなびかせるイレイザの姿があった。



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