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料理人と戦艦街① 至高の料理人

第19話 料理人と戦艦街① 至高の料理人

 




 「はい、次どうぞ」



 「俺に料理を作ってくれ!!」



 「嫌です、消えて」




 ガイアは寮の食堂で配膳の列に並びある女性に話しかけていた。




 「ジル・カレン、あんたの力が必要なんだ!」



 「もう1週間だよ? いい加減しつこいです」



 「それでもあんたの料理が必要なんだ」



 「純粋な動物みたいな目をするな、わかったわよ、朝食の時間が終わったら話は聞いてあげるから、そこら辺の椅子に座って待ってて」




◆◆◆◆◆◆◆◆



 

 「起きて、あなたが話したいって言ったんでしょ」




 ガイアは朝食を食べた満腹感で机に突っ伏して寝てしまっていた。 カレンはガイアを揺するが一向に起きる気配はない。



 「しょうがないな」



 カレンが指を鳴らすと手のひらにシャボン玉が現れ、ゆらゆらと漂いガイアの顔の前で破裂した。



 「うぉ!」



 ガイアはシャボン玉の破裂音に驚き、口から垂れた涎を拭きながら顔を上げた。



 「ごめん、ごめん! 寝ちゃってたわ! ん?? 何この良い匂い!」



 「それ食べていいよ、」



 カレンはシャボン玉が割れた場所に指をさした。 そこには皿に乗った白いドーム状の塊が置いてある。




 「これ何なの?」



 「勇者様に依頼されたアイスという氷菓子よ。 冷たくて美味しいわよ、これはバニラという1番シンプルな味なの食べてみて」



 「わかった」

 



 ガイアは恐る恐る、皿に添えてあるスプーンを手に取り、アイスをすくって口に運んだ。しばらくの沈黙の後、もう一口、もう一口とスプーンを動かす手が速くなる。




 「何だこれ! 美味すぎる! めちゃくちゃ甘い! 俺甘いの大好きなんだよ!」




 ガイアはアイスを白飯の様に全てかき込んだ。




 「あんたやっぱり最高の料理人だな、俺に力を…………」




 その時ガイアは突如として白目を剥き、その場に倒れてしまった。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





 「起きなさい」



 ガイアは自分の部屋のベッドで目を覚まし、辺りを見回すと脇の椅子にカレンが座っていた。



 「カレン、俺に何を食べさせたんだ?」



 「食べ物のせいじゃないよ、私が作った料理はね、魔力を増幅させるの。ガイアの場合はほぼ限界まで体内の魔力回路が成長しているからアイスを食べたら回路がパンクしてしまったみたい。 


 国の将軍とか英雄と呼ばれる人が私の料理を食べるとよく起こる事だよ。 中々強いんだね、ガイア君はもうヴァルハラ内でも話題だよ。 エリックさんを倒したって、エリックさんは負けたショックで外に修行に出たとかいう噂だし」



 「魔力増幅!? そうかだからモネはカレンを俺に紹介したのか。 やっぱり俺がしたい事にあんたは必要だ。 俺と一緒に来てくれ、料理をつくって欲しい奴らが居る」



 「ちょっと待ってよ! こっから私が帝国で兵士達に無理矢理料理を作らされていた話とか、涙無しには語れない話があるのに先にそっちを聞いてよ!」



 「いいよ、そういうのは長くなるからさ。     俺と来るのか来ないのか、それだけ答えてくれ最終的にカレンが料理を作りたくないと判断したら俺はその決定を絶対に尊重しよう」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




 次の日2人はヒンメルの街を歩いていた。



 「久しぶりだなこの街もカレンはヒンメルには来た事あるの?」



 「私は帝国からヴァルハラに勇者様に連れて来られてからずっと食堂で働いてるから、あの島以外からは出た事ないよ」



 「もったいないな、じゃあこの街を知り尽くした、この俺が街を案内してやるよ。料理を作りに行く前にしばらく楽しもう! 材料の買い出しもあるし」



 「それは断る理由がない! 早く行きましょう! あそこに見える屋台の食べ物が食べたい! 勉強になると思うし


 「ただ食べたいだけだろ、俺も腹減ったし早速行くか」



 「その前にちょっと待って、説明待ちだったんだけど全然説明しないから聞くわ、その格好何? 髪も坊主にしてさっぱりしちゃってそれに魔術師みたいなローブ着てるしイメチェン?」



 「こっちは突っ込み待ちだったよ、早く聞けよな、これはな一応、この街で俺はものすごく、本当偉大な存在だったからな、普通の格好してたらみんなにバレちゃうから今回は魔術師として行動しようと思う。 


 このローブを巻いてれば大体の奴からは俺 

ただの人間として認識するようになるらしい。モネの言ってる事をそのまま言ってるだけだけど。そうだな、魔術師アイスって事でよろしく!」



 ガイアは背中から杖を取り出し、カレンに見せつけるように杖を体の真ん中に突くと、仁王立ちのポーズを取った。


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