第18話 後始末
第18話 後始末
「すいませーーん、ヴァルハラから来た者なんですけど、パーシバルっ子がこの村に居ると思うんですけど」
ガイアとヒルゼは村の井戸で水汲みをしていたご婦人に話しかけた。
「あら、ヴァルハラの人達? 随分と若いのね、本当にヴァルハラの人なの? 私達は呼んでいないし」
ご婦人は疑いから2人を爪先から頭の先まで舐め回すように見つめた。
「俺は新人なので無理もないですよね。 ならそのの用心棒でも呼んで来てくれませんか?俺達が用があるのはその2人ですし」
「ごめんなさいね、こんな辺境にある村だと閉鎖的になるのよね。 少し待っててね」
ガイアはヒルゼが退屈そうに逆立ちの姿勢のまま歩くのを眺めているとパーシバルとユーベルが森の奥から丸太を抱えてやってきた。
「お前らがヴァルハラからやってきたっていう怪しい2人組か」
ヒルゼはパーシバルのデカい態度に思わず吹き出してしまった。
「あんた弱いくせに態度はデカいんだから」
ヒルゼはツボにハマったようで涙が出るほど笑っている。
「なんだこいつは」
パーシバルは怒りとゆうより驚きが勝った反応をした。
「私達はそうだな……スカウトしに来たんだ。 そこのユーベルを」
「僕で良いんですか! 一応器ですけど、まだ覚醒してないし、探知魔法しか使えませんけどそれでも良いなら!」
ユーベルは目を少年の様に輝かせている。
「だからその潜在力に目をつけたんだよ! 君はもっと強くなれる!」
ガイアはユーベルに手を差し出した。
「俺の弟子だぞ、許可すると思っているのか」
パーシバルはガイアの手を払い除けてガイアの目の前に立った。
「師匠行かせてください! この村の外に興味があります! 僕は自分の国が作りたいんです」
「お前何を言ってるんだ」
それからユーベルとパーシバルは言い合いになり、ガイアとヒルゼは静観する事になった。
「なぁ、ガイア、思った事があるんだがユーベルは器の力うんぬんは関係ないな」
「だな、根っからだ。根っからの独裁者だ」
「そうだな、苦労するのはお前だからどうでも良いがな。次はルギア様に報告に行くぞ」
「わかってるよ。ユーベル、パーシバルさんと積もる話もあるだろうから1時間くらいしたらまた迎えに来るよ」
「分かりました、絶対に来てくださいよ!」
ユーベルに念を押されたガイアはヒルゼと一緒に魔王ルギアのいる森の中へと入っていった。
「どうやら上手くいったようだね」
小さな魔王は切り株に腰掛け、歩いてくるガイアとヒルゼに向かってそう言った。
「あんたとは初対面のはずだが」
「私が忘れるわけないだろう、君は私の時計を使って時を戻し辻褄を合わせた。私の能力なんだから私に効くわけない。すべて上手く収めて感心していた所だよ」
「質問だ。 あんたはあの時計以上の力を持ってるのか?」
ルギアはその小さな体がすべて収まるような切り株に寝転び空を見上げた。
「もちろん、魔王だからね」
「なんで、勇者にわざと負けたんだ。 あいつは太陽を操る。 あんたは時を操るどっちが強いかなんてバカでもわかるだろ」
「世界の終わりに私が1人だったからかな、人間を全員殺した世界線では最終的に私が1人きりで世界が終わる。だからやめた! 人間と争うのは」
「壮大な話だけど人間を殺す気がないだけいいか、ヒルゼも元気でな」
「人間にしては良いやつだから死ぬなよ、ガイア」
ヒルゼは魔王を手の中に抱えながらそう言った。ガイアと魔王達の距離が離れていく。
「ガイア! 君の未来も見てあげようか?」
「良い、どうせ俺が最後には勝つ未来しか待ってないからな」
ガイアの初めての調査は何事も無く、終了した。




