第15話世界の半分をお前にやる ⑦魔王の力
第15話 世界の半分をお前にやる。⑦ 魔王の力
「さて、まずはやる事は決まってるな」
「村に行くんじゃないの?」
「パーシバルの時を戻す。 戦力は1人でも多い方がいい」
「あの木こりね。 さっきの攻撃は木こりらしい見事な攻撃だった。 弱いのに男らしいやつだ」
「じゃあその木こりを助けよう」
2人は来た道を戻り、地面に倒れているパーシバルを見つけた。
「脈もないし、すっかり冷たくなってる。 これを生き返らせたら神を超える力だな」
「魔王様は既に神なんてとっくに超えている。 早く木こりの時を戻してやれ」
ガイアはパーシバルの体に手のひらを付ける、すると時計の針が逆に回り始め、文字盤が浮き出した。
「1時間前に時を戻す」
ガイアはパーシバルがユーベルに刺された時を思い出し、浮き出た文字盤を押し込んだ。
「おい! これ手の指が何十本にもずれて見えるけど! 大丈夫なの?」
「正直わからん。 だが魔王様の魔法だ、安心しろ」
「どうだが」
ガイアはパーシバルの体から離れ、後ずさった。 パーシバルの何重にもずれぼやけた体は波が収まる様に次第に輪郭がハッキリとしていった。
「ガイア!!」
パーシバルは跳ねる様に起き上がった。
「その女! まだ倒せてなかったのか!」
パーシバルは斧を拾い上げヒルゼに向かって切りかかった。
「落ち着け!」
ガイアは体を押さえ、パーシバルを静止する。
「なんで止めるんだ! 俺が木を倒して、こいつの動きを止めて、お前がトドメを刺す作戦だっただろ」
「その作戦は成功したけど、あんたは背中を刺されて死んだんだ。 それで今はヒルゼと仲間になって一緒にあんたを生き返らせた所だよ」
「刺されたって誰にだ?」
「ユーベルだよ。 村人の失踪も全部あいつが糸を引いていた」
「嘘だな、あいつは俺の弟子だぞ。 そんな事するわけない」
「そんな事しなさそうなのが、1番悪い事をしてるのが人間だろ」
「それは確かに」
ガイアは深く頷いた。
「俺は見たものしか信じないぞ! ユーベルはどこに行ったんだ!」
「村だな、ユーベルは生物を操れる。 森以外で生物が居るのはあの村だからな」
「生物って村人の事か? あいつは感知魔法しか使えないはずだぞ!」
「俺もそう聞いてたらこの始末だよ。 後一歩で死ぬところだった。 あんたを生き返らせた様にユーベルの記憶を巻き戻して力の覚醒前まで戻す」
「俺の許可無しにやるなよ! 俺がユーベルと直接会って判断してからだ」
「わかったよ。 あんたがユーベルと話して説得できたらそれが1番良いしな」
「私は反対だ。 見つけたすぐさま抑えて、時を戻した方が良い、これから相手のホームに乗り込むわけだし」
「うるさい、ユーベルはそんな事しない」
「とりあえず、村でユーベルと会ってからそれからだ」
ガイア、ユーベル、ヒルゼの3人は急ぎ足で村へと戻っていった。
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「ユーベル!! 何をやってるんだ!」




