第14話 世界の半分をお前にやる。 ⑥ガイアの見返り
第14話 世界の半分をお前にやる。⑥ ガイアの計画
「このお方こそ魔王ルギア様だ」
「へ? 俺もしかしたら殺されるかもしれないとか言ってなかった?」
ヒルゼをおぶさったままガイアは指をさされた大木の皮を捲るとそこには小さな子供なら寝れるぐらいのスペースがあり、そこには文字通りやっと言葉を覚えたであろう子供が寝そべっていた。
「子供だよね? 3歳くらい? 青色の肌だけどなんか全体的に愛らしい雰囲気だね」
ガイアは魔王ルギアを抱え上げるとルギアはガイアの頬っぺたをつねって引っ張った。
「離せ、私は魔王ルギア。 無礼だろ」
魔王ルギアは低く深みのある優しい声で話した。
「うぉおおぁ!」
ガイアがその声変わりがとっくに終わっているであろう声に驚き、思わず手を離すとすかさずヒルゼがガイアの肩から地面とルギアの間に滑り落ちルギアを抱え込んだ。
「落とすなアホ! ルギア様に傷がついたらどうする!」
「お前もだよ。 子供扱いをやめろ、下してくれ」
「し、失礼しました!」
ヒルゼは自分のズボンを片方破り、それを地面に引き、ルギアを地面に下ろした。
「やめなさい、年頃の女性が」
ルギアはそう言うと、ヒルゼに優しく手のひらを触れた。 ヒルゼの体が一瞬ブレたかと思うとヒルゼが戦う前の服や体の状態に戻っていた。
「ルギア様! 私のために力を使わないでください! ただでさえ幼くなっているのに」
「もう仲間はお前だけだ。 他に誰に力を使えば良い」
「それもそうですが、これ以上時間を戻したら存在自体が消えてしまいますよ」
「確かにな」
「もう、本当にあんなに騙されたり、裏切られたりしたのにまだ懲りて無いんですか?」
「俺は注意深いつもりなんだけどな」
そう言いながらルギアはガイアに触れると、ガイアの傷は綺麗さっぱり消えていた。
「ルギア様! こいつは仲間でもなんでも無いんですよ!」
「ヒルゼをここまでつれてきたんだもう仲間みたいなもんだろ。 とにかく2人とも誰にやられたんだ?」
ガイアはこれまであったことを話し、ユーベルが村人の失踪事件の黒幕であった事を伝えた。
「それで君は村人もユーベルも全員救いたいというわけだね? 普通ならユーベルを殺してお終いだが、君は私に似てるみたいだ」
「そうだ。 ユーベルはまだ若いし、人の器だ。 ヴァルハラで保護したい、あなたの協力が必要だ」
「協力しても良いが、君は見返りに何をくれる? それともタダで私に寿命を削り力を使えと言うのか?」
「世界の半分をお前にやる!」
ガイアは大きな声でそう言い放った。
「世界の半分? それは貰いたいものだがどうするんだ?」
「人の器を集めて地球を再建しようとしてる勇者の計画を俺が使う。 人の器の中身、人の魂を全部俺の器に入れて、地球を複製する。 つもり星を作るって事だ」
「星を作るか! 面白い! 君の器がそれほどデカイのかは別にして、まだない星の土地を条件に出してくるか良いだろう協力してやる」
「ありがとう、俺は約束は絶対に守る」
「どうだが、私も自分がお人好しなのは理解してる。 もう何十回も裏切られてるからな」
「でも本当なら魔族の復活が一気に進みますよ! 私達で生き残りの魔族達を集めてその土地に移住すれば!」
「そうだな、ヒルゼはガイアと一緒に村を救ってきてくれ、魔族復興の第一歩だ。 私は争い事は好まないからな、わかってるだろ?」
「そうですね、ルギア様が出るまでもありません」
「ガイア! これを持ってけ」
ルギアはその小さな手を広げると空間が歪み腕時計が現れた。
ガイアは膝を折り曲げ、ルギアと同じ目線まで下がり、時計を受け取り腕に着けた。
「それは魔王の時計で魔計とでも呼ぼうか、対象にした生き物や物体の時間を好きなだけ戻せる。
そこに貯めた時間は後1年ぐらいは残ってるかな、その時計をはめた手でユベールに触れると時計の文字盤が浮き出る。
それを押し込めそうすれば、1ヶ月か半年なのか1年なのかは分からないが、人の器に覚醒する前に戻してしまえる。 それであいつの悪事ごと記憶を飛ばして一件落着だな」
ガイアは妙に馴染む腕時計をさすりながら魔王ルギアの話を聞いていた。




