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世界の半分をお前にやる④ 決着

第12話 世界の半分をお前にやる④ 決着




 「ヒルゼ! 落ち着け! 争う気はない!」




 ガイアは飛んでくる無数のナイフを払い除けながら叫ぶ。




 「黙れ! 勇者の一味の仲間は黙って死ね!」




 さらに激しくナイフが飛び、それに紛れてヒルゼは短剣を両手に持ちガイアに迫っていく。




 「やるしかないか、パーシバル! ユーベルと下がっとけ! こいつを大人しくさせる」



 「良いから、早く死ね!」



 

 ヒルゼはガイアの肩へと短剣を突き立てる。 ガイアは顔を歪ませ、ヒルゼに向かって前蹴りを繰り出すがヒルゼは身を翻し、それを避ける。




 「早く楽にしてあげるわ」




 「そっちがその気ならやってやるよ! ケルベロス 定着!」




 ガイアの体に3つの噛み跡が現れる。




 「来いよ」




 ヒルゼはガイアの周囲を周りながらナイフを投げ続ける。


 

 ガイアはそれを避けもせずに体で受ける。




 「あんたのナイフは俺には刺さらない、そもそもの威力が足りない」



 「どうかしらね?」



 

 ナイフの数はガイアの視界を覆うほどになっていき、それでも数はより増えていく。




 「流石に数が、多すぎる!」




 ガイアはハエを顔の周りから払う様に迫り来るナイフを払い除けていく。




 「良いわね、その必死な顔! 魔王様には負けるけど!」




 「それは嬉しいな!」



 ガイアは息を大きく吸い込み大口を開け、一瞬、木々葉が全て落ちてしまうんじゃないかと思わせるほどの咆哮を繰り出した。



 ナイフがその場で全て地面に落ちると、目の前に立つヒルゼを見つけ、地面を蹴り飛ばし、向かっていく。




 「貰った!」




 ガイアが思わず声を漏らしたその時、ヒルゼは既にナイフを投げ終わり、ガイアがそのナイフの存在に気付いたのはガイアの胸に深々とナイフが突き刺さる時だった。




 「敵が1番気が緩むのは守りから攻撃に転じる一瞬よ。 貴方は戦士としては最高だけど、殺し合いには向いてない」




 ガイアはその場に倒れ、膝をついた。




 「ガイア!!」




 治療を終えたパーシバルがガイアに駆け寄る。




 「俺は大丈夫」



 ガイアは胸を押さえながら、苦しい表情を、浮かべている。




 「お前がその状態で生きてる事も驚きだが、相当な重傷だ。 少し休め、俺が隙を作る、その時を逃すな」



 「任せた」



 「おう、年上を時には頼れよ。 あと、タメ口やめろ」



 「次は誰かと思ったら木こりか? 戦士ですからないのか」



 「木こりだが、やる時はやるぞ?」



 「どうだか、どけ弱い奴を痛ぶる趣味はない」



 「じゃあ俺がぶった斬るから、そこに突っ立ってくれ」




 パーシバルは斧を振りかぶり、ヒルぜに振り下ろした。




 「当たらないな」




 ヒルゼは軽く斧を避け、パーシバルの脇腹にナイフを突き刺した。 




 「私はこのナイフの器でな、代々受け継がれたこのナイフは絶対に相手に刺さる。 どんな強度を誇る物でも人がでも、だから格上のガイアにも勝つ事出来る。


 もっともあんたには普通のナイフで十分だがな」



 「それは良かったな、だがな俺も村を守らないといけないんだ。 ただじゃ負けられない」



 パーシバルはナイフを引き抜くと、斧を持ち直し、再びヒルザに向かっていく。



 ヒルザは斧を軽く避け、今度はパーシバルの肩にナイフを突き立てる。


 パーシバルは勢いそのままに木に切りかり、斧が木に切り込むを入れた。




 「強いな、あんた、間違いなく俺より強い」




 パーシバルは懐からタバコを取り出しそれに火を付けた。




 「煙草か、人間はとにかく殺すのが好きだな、自分の体すら簡単に殺そうとする」



 「これはな、東側の国から来た奴しか持ってなくて贅沢品なんだ。 俺が1日働いてやっと1本買える。 でも今日は特別だ」



 「お前の命日になるからからか?」



 「いや、木こりとして最高の仕事が出来たからだよ」




 さっき切り込みを入れた木が一気にヒルゼに向かって倒れ込む。




 「こんな子供騙し!」



 

 パーシバルはヒルゼに向かって飛び込み、足にしがみついた。




 「貴様!!」



 「ガイア!! 今だ!」



 「クソ!」



 

 ヒルザは咄嗟に短剣で前面を守ったが、ガイアの獣の様な重く、鋭い拳は短剣ごときでは止められず、倒れてくる木にたたきつけられそのまま下敷きになった。



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