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第11話世界の半分をお前にやる③ ヒルゼ

第11話 世界の半分をお前にやる③ ヒルゼ




 「行くぞ」




 パーシバルは皮の胸当てを着け、肋骨の辺りで紐を縛り、肩に大斧を担いだ。




 「先導は任せてください! いきましょう!」



 ユーベルはパーシバルと比べると防具などは付けず、手袋と腰に短剣を着け、布で目を隠していた。




 「なぁ、何で目を隠してるんだ?」



 「僕は人の器なんですが、戦闘面ではからっきしで、でも魔力量は人の何倍もあるんで体から魔力を飛ばしてその帰ってくる時間との反応で情報を得てるんです。 


 魔力を飛ばしてる時には目を瞑ってる方が視えてるんですよね」



 「そうなのか、ミラを見つけてくれ、頼む」



 ユーベルは2人の前を歩き森の中に入っていく。



 「流石に夜の森に松明3本は無理なんじゃないんですか? 2本先の木までしか見えませんよ」



 「文句を言うな、村人に光魔法を使える奴は居るがこんな夜更けに付き合わせられるか」



「そうですよね、仕方ないか。 あ! 微弱ですけど魔力の反応があります、魔獣かもしれないですけど行ってみますか?」



 「元から当てもなく森をしらみ潰しに探す予定だったからな、少しでも可能性がある方に行ったほうが良いだろう。 ガイアはそれで良いか?」



 「それで良い、とにかく早く動こう」



 「そうだな、時間との勝負になってくるからな」



 「さっき感じた魔力の持ち主がこちらに高速で接近してきます! この感じ魔獣じゃありません!」




 咄嗟にガイアは2人を蹴飛ばして倒し、前方から迫る魔力の持ち主の攻撃に備えた。




 「筋が良い、油断してたらそのまま首を刎ねようと思っていたんですが」




 ガイアの目の前に頭から2本の角が生え、体を締め付ける様なタイトな服を来た女が現れた。




 「魔人か、魔王の手先か?」



 「いかにも、私は魔王ルギアの従者ヒルゼです、魔王様が住まうこの土地に何の御用でしょうか」



 「俺はガイア! この森に人間が来てないか! 村の人が何十人も行方不明になってるんだ!」



 「魔王様は何もしてない。 帰れ」



 ヒルゼはその目にかからないぐらいの短い髪をかきあげると身を翻し森の奥に戻ろうとした。




 「待てよ! すごい良いスタイルした姉ちゃんだが、魔王の従者と聞いて帰らす訳にはいかないな。 どうせお前らが村の人間を連れ去ったんだろ」



 パーシバルは大斧を構えた。



 「これだから私は人間が嫌いなんだ。 自分達の手に負えない問題が起こったらすぐに魔物や魔人のせい、どうしてこんな奴らを魔王様は好きなんだか。 来なよ、遊んであげる」



 

 パーシバルは斧を振りかぶりヒルゼに向かっていった。




 「やめろ! あんたが敵うレベルの相手じゃない!」




 ガイアの忠告も虚しくパーシバルの溝に深々とヒルゼの拳がめり込んだ。




 「殺さないだけありがたいと思いなさいよ」



 「パーシバルさん! 大丈夫ですか!」



 

 すぐにユーベルが駆け寄り、パーシバルをヒルゼから引き離した。




 「殺さないんだな」



 「当たり前でしょ、殺す価値もないわ。 殺しは人間の専売特許でしょ」



 「パーシバル! 回復魔法は使えるか?」



 「少しなら! 意識を戻すぐらいは出来ると思います」



 「充分だ、やってくれ、俺はこいつをどうにかする」



 「私をどうするつもりなの? 色男さん」



 「魔王の所に連れてって欲しい、それと行方不明者を一緒に探すのも協力して欲しい」



 「本当お前ら要求ばかりで調子が良いな、私達は友好的な関係を築こうとしてたのに! あんたらはルギア様を裏切った!」



 「そういう事情は後から聞く、今はとにかく合わせてくれ、ブル・エリックから言伝がある」



 「ブル・エリック?」



 ヒルゼの目は猫の様に鋭く尖り、懐から2本のナイフを取り出すとそれを投げつけガイアに襲い掛かった。



 「許さない! ルギア様に傷をつけたやつの仲間! 絶対に殺す!」





 

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