第10話世界の半分をお前にやる② 失踪
第10話 世界の半分をお前にやる② 失踪
「お兄ちゃん名前は何て言うの?」
「俺はガイアだよ、よろしくね」
「うん! 私はミラだよ! 着いてきて!」
好奇心が旺盛なその少女はポータルの出現位置を囲む様に立っている、村の大人達のガイアを見る不審な目をよそに、珍しい生き物見る様な顔でガイアの腕を引っ張って行く。
「ありがとう、ここは何て村なの?」
「ここはね、ライ村だよ! みんな明るくて良い人ばっかりなの! お兄ちゃんはゔぁるはらから来た人?」
ライ村は100人程度が住む小さな村でそれぞれの家が密集して立っている。
「そうだよ! ここで最近何か居なくなった人とか居ない?」
ガイアにさりげなくという言葉は無く、いきなり本題に入った。
「こっち来て!」
ミラは先ほどとは血相を変え、ガイアの手を爪が食い込むほど掴み引っ張っていき、やがて一つの小さな小屋に入った。
「ここ私の家!」
ミラが引っ張った小さなレンガの小屋の中でミラの親と見られる男女が怯えた目でガイアを見ている。
「いや! いや! 怪しい者じゃないです!!」
「ミラ! こっちに来なさい!」
奥にいた女性はミラを手招きする。
「ヴァルハラ!! ヴァルハラから来ました! 行方不明者の捜索のためです! 名前はソル・ガイアです!」
「ヴァルハラから来たのか! なら安心だ! ママ! お茶を出してくれ」
奥にいた強面のミラの父親は一気に表情が柔らかくなった。
「すまなかったね、ヴァルハラの人だとは思わなかったよ、さぁここに座ってくれ」
ミラの父親は椅子を引いてガイアを座らせ、ミラはガイアの膝の上に座った。
「居なくなったのは私達の息子で名前はバル。 ミラと同じ赤毛の子供で面倒見の良い子なんだ! 頼む! 早く見つけてくれ」
父親はおそらく捜索のせいで汚れてしまって指先でガイアの服を汚してしまい、咄嗟に手を離した。
「すまない」
服をハンカチで拭こうとしたその手をガイアは掴み声をかける。
「そんな事しなくて良い! 俺が1秒でも早くバルを見つけられる様に祈っててください!」
「ありがとう。 もう村で10人以上が行方が分からなくなっている。 その10人は話を聞いた限り、目を離した本当に短い時間で居なくなってる、私達が出した結論は村の目の前にある森しかそんな大勢を隠せる場所はないと考えた」
「それでヴァルハラに要請を出したってわけか、森から感じられるこの魔力尋常じゃないですもんね」
「そうだ、1週間ほど前にいきなり気配大きくなり私達は森に入れなくなった」
ライ村の森は果物や狩り、水を汲む池に生活する上では無くてはならない存在だ。
「じゃあ今から入って連れ戻して来ます!」
ガイアはミラを膝から下ろし、家のドアに手をかけた。
「夜は危ないと言いたいところだが正直ありがたい。 どうか気おつけてくれ」
「絶対見つけて来て」
ミラはガイアのズボンの袖を掴みそう言った。
「うん、任せな」
ガイアはミラの頭を優しく撫でるとミラはとびきりの照れ笑いを見せたがよく見るとその目には涙が瞼を伝った後が残っていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ガイアはミラの家を出ると日が沈みかけた村を真っ直ぐと森を目指して歩き始めた。
「ちょっと待て! どこに行こうとしてるんだ」
ガイアはパーシバルに声をかけられる。
「どこって森だよ、行方不明になった村人を助けに行く」
「ここは俺たちが守っている村だ、勝手な行動はやめてもらおうか」
「じゃあいつ行くんだよ!」
ガイアはパーシバルににじり寄る。
「明日、日の出と共に森に入る。 私達の安全が優先だ」
「そんな事!」
「君は確かに強いが自惚れすぎだ。 強者ほど準備は怠らない、もっと自分の命を大切にしろ」
「わかったよ、その代わり俺は朝まで村の見回りをする」
「好きにしろ、寝不足で動けないなんてない様にな」
「そんなのあるわ」
その時村からミラのお父さんが大声で叫びながら森へと向かう道に飛び出して来た。
「ミラが! ミラが居なくなってしまった!!」
「何! ヘンダーソン、貴様はミラから目を離したのか!!」
「離してない!! ミラがトイレに行ったのを俺は扉の外で見てた!それだけだ!」
ヘンダーソンはパーシバルに胸ぐらを掴まれ、泣きじゃくりながらそう答えた。
「ユーベル!! お前の探索能力にミラは引っかかったか?」
「いえ、何の魔力の荒れもなく、ミラの反応だけが消えています」
「そうか…………予定変更だ! ガイア! 今から森へ行って焼き払ってでも皆を見つける! 行くぞ!」
「わかった」
ガイアはまだ手に残るミラの頭の形と髪の肌触りを思い出し、拳を深く握りしめた。
体調を崩してて3日ほど投稿できませんでした! すみません! 復活したのでこれから頑張っていきます! 良かったらブクマや評価してくれるとやる気が湧きます!




