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第六話 練習

俺たちは属性の適性検査の次の日から村の人たちから神童と崇められた。理由は、属性検査で見せた魔力の量や二つの属性を使えることから神童と呼ばれるようになった。

 俺たちは今、なぜか村の近くにある湖にいた。

なぜこうなったかと言うと、自分の属性がわかったので魔法の練習しようとケントとアイに誘われて、属性検査をした場所で練習しようとしたら、村に滞在していた茶髪の髪をした旅人のリズという女性にあった。その人は俺たちの属性検査を見ていたらしく、初級の魔法なら教えてくれると言ってくれた。それで移動した場所は村の近くにある湖だった。なんでも、俺たちの魔力は桁違いで魔法の制御ができなかったら村で大変な事が起こるかもしれないという配慮だ。

 リズという女性は学園にいた時は学年でも魔法で負けた事がなかったらしく、魔道士になる事ができたのに魔導師にはならず旅をしながら魔法の腕を磨いているらしい。


「さぁて、まずはケント君。君は火の属性と風の属性が使えるよね?」


「はい」


「じゃあ湖に向かって『火の精霊よ、我に力を貸したまえ。火玉(ファイヤーボール)』って手を前に出して言ってみて」


「わ、わかりました。『火の精霊よ、我に力を貸したまえ。火玉(ファイヤーボール)』」


ケントが詠唱を唱えると手から大きな火の玉が出てきて湖の水を半分蒸発させた。それを見たリズは驚いて腰を抜かしている。流石の俺たちもかなり驚いてる。


「しょ、初級魔法でこの威力って......もしかしたら将来、君たち賢者になったりして......」


それから俺たちは魔法の練習を続けた。次にアイが水魔法で水玉(ウォーターボール)を湖に向けて撃ったら、ケントと同じ大きさの水の玉が出てきて半分蒸発した湖は元の水量に戻っていた。


俺も火属性魔法の火玉(ファイヤーボール)を湖に撃ってその日の練習は終わった。俺が撃った後もアイの水玉(ウォーターボール)を撃って水量を戻した。


「はぁ...もう教えることはないかも......」


リズがぐったりとして落ち込んでいた。


「まさか、初めて教えた魔法も一発で覚えるし、それにあの威力....中級や上級に匹敵する威力よ..」


「リズさんの教え方が上手だったからですよ」


とアイが透かさずほフォローを入れる。


「ありがとね、アイちゃん。でも私はただ、詠唱を教えただけ」


アイの慰めの言葉に喜んではいたが、どこか納得していない様子だった。


「君たちは王都に行きたいんだっけ?」


「「はい!そうです!!」」


ケントとアイは即答して答える。リズは答えなかった俺を見て不思議そうな顔をして話しかけてきた。


「ユアン君は王都に行きたくないの?」


「行きたくないわけじゃないけど......」


「けど?」


「俺は平和にゆっくりと暮らしたいから...そこまでして王都には興味がないっていうか....」


俺の言葉でアイとケントは驚いていた。確かに三人で話している時も王都にあまり行きたくないとは言っていない。俺の言葉を聞いて驚くのは仕方がないが、前世でも俺たちは幼馴染だったので言いたいことは遠慮なく言っていた。


「そっか...でも王都って結構楽しい場所だよ?おいしいレストランはあるし買い物ができるお店はあるから、ユアン君も行きたいって思うよ」


リズは俺の頭を撫でながら言った。その声は母の声よりも優しい声に聞こえた。


「そっか、そんなに楽しそうなら俺も行ってみたいかな」


俺の言葉を聞いて嬉しかったのかケントとアイは俺の手を掴んでブンブンと振り回した。


「そうだよ!絶対楽しいからさみんなで王都に行こうよ」


「そうだぞ、三人一緒じゃなきゃ楽しくないだろ」


今回改めて自分の素直な気持ちを二人に伝えられたので良かったと思えた。これからの俺の目標は三人で必ず王都に行くことになった。

 












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