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第七話 結果

 「始め!」


 試験管の合図で三人のバトルロワイヤルが始まる。アイとケントはユアンに向けて魔法を放った。


 「破壊の風(ブレイクストーム)!!」


 「光剣の刃(ライトニングカッター)!!」


 ユアンはすぐに結界を展開し二人の攻撃を防ぐ。結界はびくともせず傷がついていなかった。


 「硬すぎんだろ。あいつの結界....」


 「私たちが撃つ上級魔法でも傷がつかないなんて」


 どうやら二人は俺から先に倒そうとしてるみたいだ。


 「お前らの攻撃が弱すぎんだろ。それにいきなり俺を攻撃って.....バトルロイヤルなんだからお前らも攻撃しろよ」


 ユアンは二人を挑発しつつユアンも攻撃する態勢をする。


 「アイ、お前にはできれば降参してほしい」


 ユアンはどうしても女子であるアイを傷つけるのはしたくなかった。だから言ってやめてくれれば気が楽になる。そしてその後に、適当に戦って自分からギブアップをすれば目的は完了する。


 「やだよ、初めて三人で戦うんだよ。この五年間どれくらい私が強くなったか知ってほしいもん」


 まぁ未来で見た返答と同じ答えが返って来た。ユアンはため息を吐いてアイに攻撃を仕掛ける。


 「しょうがないか....行くぞ!」


 ユアンは結界を解除し持っていた刀を抜いてアイに斬りかかった。アイは一瞬動揺したが、光の剣を作り出してユアンの剣を止める。


 「いきなり斬りかかるなんて酷いじゃない」


 「あの速度で防ぐんだから大したもんだよ。強くなってんな」


 「ありがと。でも、後ろは気をつけたほうがいいよ」


 後ろを振り返ると炎の矢がユアン目がけて飛んできた。ユアンは躱さずに「透過」を使って魔法をすり抜けさせた。

すり抜けた炎の矢がアイに直撃する。アイはギリギリで交わしたが腕には火傷の跡が数カ所あった。アイの傷はすぐに治っていった。アイのスキル「再生」の力だった。


 「いたた〜ユアンのスキル忘れてたよ」


 「お前らの動きなんて「未来予知」で見えてんだよ。だからアイ、ギブアップしてくれないか?してくれたら一つだけ言うこと聞いてあげるよ」


 「えっ!本当に!?」


 「ああ、俺にできることがあったらなんでもしてやるよ」


 「うーん...わかった!じゃあ降参します」


 「アイさん降参ですね。ではこちらで見学してください」


 降参したアイは試験管の隣で試合の続きを見ることになった。


 「さて、これでお前だけだなケント。俺を倒す手段は思いついたか?」


 「そんなの決まってねーよ。とりあえずお前に攻撃を当ててやる」


 ケントは自身に風の魔法を纏い自身のスピードをあげた。身体能力よりも早く、ユアンの身体能力では簡単に負けてしまう。ケントは風魔法で強化した状態でユアンを殴る。ユアンは早すぎて「透過」を使うことができずに壁に叩きつけられた。


 「痛てーな。早すぎんだろ」


 「まだまだこんなもんじゃないぜ」


 壁に背を向けているユアンに対しケントは容赦なく襲いかかって来た。ユアンは「透過」を使って回避するが、尋常じゃないスピードでケントが追いついて来た。


 「どうした?その刀の魔力は解放しないのか?刀を持った日からずっと魔力を溜め込んでるだろ」


 「本気出すとすぐ終わっちゃうからな。少しは楽しまないとなって」


 「じゃあ本気出すまで待っててやるよ。俺は本気のお前と戦いたい」


 ユアンはマジかと思いつつも刀に込められた魔力を解放した。ユアンの刀に込められていた魔力は地下のグラウンドを包み込むような程の量だった。


 「これがお望みの本気だぞ。この魔力を前にしてもやるのか?」


 試験管の先生はユアンの魔力を浴びて立っていることができなかった。アイとケントは立ってはいるもののその場から動けなそうだった。


 「おかしすぎんだろお前の魔力.....けどさすがユアンだな。この五年間ずっと力を制御して戦って来たけど、初めて本気のお前と戦える!」


 ケントはユアンの魔力の中で自分の魔力を極限まで放出し動けるようにした。


 「俺はこの状態で戦えるのは持って一分だ。それまでにお前を倒す」


 ケントの魔力量はユアンが貯めていた魔力量の三分の一にも満たないが、他の賢者達が精霊化してもケントの魔力量には負けるだろう。それだけ自分達が特別なんだと改めて実感する。


 「そうか....じゃあ俺はその間に......降参しまーす」


 「「「は?」」」


 グラウンドにいる人たちは理解が追いつかなかった。ユアンはグラウンドを包み込んでいる魔力を出していてほぼ勝ちが確定してるにもかかわらず負けを宣言した。


 「ちょっとユアンどう言うこと!?」


 「いや、このまま戦えばお互い大怪我じゃ済まないし、死ぬ可能性もある。それにこのグラウンドが耐えられないだろ」


 「だからってこの状態で終わりかよ!もうちょっと戦いたかったぞ!」


 「また今度な、俺は疲れた。それにお前が勝てば賭けは俺の勝ちだし....」


 ユアンは自分が言った言葉は心の中で言ったつもりだったがしっかりとケントとアイに聞かれてしまった。


 「ちょっとユアン。なんでケントが勝てば賭けはユアンの勝ちになるの?」


 「なんでってそれは.....あっ!!!」


 ユアンは自分で言ったことに気がついた。もうこれは「未来予知」で全て知っていたと言ったようなもの。アイはニッコリと笑っているが後ろから黒いオーラが見える。ケントも同じだった。


 「これはズルしたってことだよな?」


 「そうだね〜。でもこれはちょっと悪質だよね〜。逆にユアンに罰を受けてもらおうかな」


 「ちょっと待てって!誰もスキルは使っちゃいけないなんて言ってないだろ?」


 「それでも俺たちの気持ちは傷ついたな〜」


 ユアンの反論は二人には届かなかった。ユアンは賭けに勝てる自信はあった。いや、賭けには勝ったのだ。しかし、ユアンは決定的なミスを犯した。それは自分の心の中で言ったつもりがみんなに聞こえていたと言うことだ。ユアンは過去にいってやり直したいと思っていた。


 「私はもう一つお願い増やしてもらうことで許してあげる」


 「じゃあ俺は冒険者の仕事を手伝ってもらうことでいいや」


 ユアンはただの敗者となった。賭けには勝ったがある意味負けた。これで得するのはヴァントだけだろう。


 「わかったよ...じゃあとりあえず首席はケントで、俺は目立ちたくないからさ」


 「まぁ別にいいよ。その代わり約束は守れよ」


 「はいはい」


 「私のもね!」


 「わかってるって」


 とりあえず帰ろうと試験管の先生に一言言おうと先生を見た。すると先生は座った状態で気絶をしてアイが三席というとこまでしか記録されていなかった。


 「もしかして先生を担いで行かないといけないやつかな?これ?」


 「多分そうだろ....」


 ユアンとケントはジャンケンをして、ジャンケンに負けたケントは先生を担いで地上に戻った。地上に戻ると大勢の先生達が地下グラウンドにつながるドアの前に密集していた。


 「先ほどの高魔力反応はあなた達でしたか」


 高価な服装をした黒髪の女性の先生が話しかけて来た。


 「私はマーシュ・ブライ。ここの学園長をしてる者です。試験お疲れ様でした。それと後ろで伸びている試験管を連れて来ていただきありがとうございます」


 「いえ、別に大したことはしてませんけど。あと、なんで敬語なんですか?」


 「あなた達が賢者様だからですよ。国王陛下から聞いております。ユアン君、ケント君が最年少でなった賢者だと。先程の魔力を感じて改めて実感しました」


 「はぁそうですか...とりあえず首席はケントということになりました。次席は俺で、三席はアイです」


 「わかりました。では国王陛下にはそのような成績でお伝えします。今日の試験はこれで終了ですのでこのまま帰ってもよろしいですよ」


 「わかりました。じゃあ俺たちはこれで」


 ケントは試験管の先生をその場に置きユアン達と一緒に学園を出た。学園を出ると朝乗った馬車が止まっており中からクレアが出て来た。


 「皆様お疲れ様です。お待ちしておりました」


 「クレアじゃん。先帰らなかったの?」


 「皆様を置いて帰るなんてできませんよ!!」


 「そっかありがとな」


 ケントとクレアの甘いやりとりを見てユアンは直視できないほど甘い光景だった。


 「砂糖飲んでるみたい」


 「本当だね〜」


 ユアンが発した言葉にアイも賛同した。あの二人と同じ馬車に乗ると考えると少しきつい。


 「ねぇユアン。私たちは歩いて帰ろうよ。いいでしょ?」


 「なんでだよ。俺疲れてるんだけど....」


 「じゃあ、さっきの言うこと一回聞いてもらおうかな」


 アイは早速言うことを聞いてもらえる権利を一つ使った。


 「わかったよ。まぁ別に遠くないしいいか」


 「決まりね!じゃあクレアに話してくるね!」


 アイはクレアに話をしに行った。ユアンはアイが帰ってくるまで学園の門に寄りかかっていた。数分してアイが戻ってくるとケントとクレアを乗せた馬車はゆっくりと王城の方角へと進んでいった。


 「お待たせ!じゃあ行こっか!デートしに!!」


 「えっ?」


 

 


 



 


 


 

 

いつもありがとうございます。アイとユアンのデートの話は番外編などで描こうと思ってるので楽しみにしていてください。面白かったらブックマークと評価をお願いします。少しずつ読んでくれている人が増えて嬉しく思っています。これからもよろしくお願いします。

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