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第二十三話 魔法の修行

 「あの子たちなら、冒険者ギルドで冒険者をしてるけど?」


 「は?」


 ユアンの思考は一気に低下した。


 「えっ、全然そんなこと聞いてないんですけど!?」


 「だってユアン君いつも死にそうだたし、話そうと思ってても自分の部屋にいたらずっと寝てるだけだったじゃん」


 ユアンはこの三ヶ月兵士と同じ生活をほぼ一緒にしていたためアイ達と話す機会はなかった。部屋に戻れたとしても疲れていて寝ること以外は何もする気になれなかった。


 「確かにそうですけど.....でも手紙を書いておくとか何かしら伝えることは出来たんじゃ.....」


 ユアンの言葉を聞いてレインは何か考えている様子だった。


 「ごめん、そこまで考えつかなかったなぁ」


 レインは軽く言った。


 「まぁいいですよ。今更言っても始まらないので、それで今日はそのなんの属性を覚えるんですか?」


 「とりあえず、第一訓練場に行こうか。そこに行けば誰がいるかわかるよ」


 ユアンとレインは第二訓練場を後にし、第一訓練場へと向かった。向かう途中、ケントたちのことを少し教えてもらった。


 「ケントたちはいつから冒険者に?」


 「うーんと、二ヶ月前くらいかな?アイちゃんの修行が思ったより長くなっちゃって」


 ユアンはレインの修行を思い出した。確か三ヶ月前にアイの姿を見たことがあるが一人じゃ歩けないぐらいに疲れていたような気がする。


 「アイの修行ってどんなことをやったんですか?」


 「水属性の魔法はすぐに覚えちゃって一日で覚えちゃったんだよね。それで、魔法を出す速度が遅かったからその修行をやったんだよね。あとはたまに、反射速度を高めるためにユアン君がやったやつをアイちゃんにもやったんだけど、半泣きになっちゃって途中でやめたんだよね。まぁこれが二ヶ月かかって、まぁいいかなってぐらいのレベルにはなったよ。」


 レインの言葉を聞いてゾッとする。あの修行をユアンだけでなくアイにも行っていたことを知ると恐ろしい。

 

 ユアンには「透過」のスキルがあったため危ない時は一応回避はできるものの、アイにはそのスキルは無い。アイのスキル「再生」は自分の魔力で傷を治すことができる能力なので、レインの修行で怪我をしてもすぐに治ってしまう。そのせいで修行が休みなく行われたことはユアンは知る由もなかった。


 「やりすぎですよ。俺のスキルがあったから耐えられたものの、アイには厳しすぎですよ」


 「まぁ少しやりすぎたかな?って思って魔法を出す速度のことしかやってないんだよね」


 「魔法の出す速度ってどんなことをやったんですか?」


 「口で説明するより見せたほうが早いかも」


 そう言うとレインは掌を出した瞬間に水玉(ウォーターボール)が出た。


 「ユアン君もやってみて」


 ユアンもレインと同じように掌から火玉(ファイヤーボール)を出したがレインと比べると遅かった。


 「レインさんと比べると遅いですね」


 「ユアン君も宮廷魔道士からしたら早いほうだけど、賢者の私たちにしたら遅いほうなの。アイちゃんには早くなってもらうために、一日の魔力を全て使ってひたすら水玉(ウォーターボール)を出してもらったの。そうすることによって出す速さも早くなるし、魔力量も増えるから一石二鳥でしょ?」


 レインの説明にはとても納得ができた。今のユアンたちと賢者たちと比べると天と地の差がある。それを埋めるためには、今は修行をするしか無いと思った。


 ユアンの最終的な目標はある程度の力をつけたら冒険者などになってゆっくりと王都で暮らすことだ。そのためにケントと王女殿下のクレアをくっつけたに過ぎない。アイはまだ五歳だが大人になれば美人になる可能性が高いので、皇位の貴族との縁談があるに違いない。


 そんなことを考えていると第一訓練場についた。


 「さぁ着いたよ!ユアン君が最初に魔法を教えてもらう人はこの人だよ」


 第一訓練場には人影が見えた。近づいてみるとそこに立っていたのはバーンだった。


 「おっきたか。お前の火属性魔法を教えるバーンだ!よろしくなって...前にも挨拶したか。まぁいいやとりあえず今日は時間も少ないし、とっととやるか!」


 「はい!お願いします!」


 バーンはまず初級魔法の火玉(ファイヤーボール)が使えるかどうかを聞いてきた。ユアンは「使える」と言うとバーンは「見せてみろ」と言うのでユアンは火玉(ファイヤーボール)を出してみた。


 「ケントよりかは魔力制御ができてるな。これだったら今日で俺が教えることは終わりそうだな」


 「どう言うことですか?」


 ユアンはバーンの言っていたことに理解ができなかった。


 「最初ケントに火玉(ファイヤーボール)を出してみろって言ったら、馬鹿でかい火玉(ファイヤーボール)を出しやがって小さくしろって言ってもできないって言うから、あいつには最初魔力制御から教えたんだよ」


 バーンが言ったことにようやく理解ができた。ケントの性格からすると細かい作業が苦手なため大雑把になってしまう時がある。そう考えるとケントは魔力制御は苦手だろうなと理解できてしまった。


 「あーそれは大変でしたね」


 「まじで時間がかかった。魔法を覚えるのは時間がかからなかったのに魔力制御だけ時間がかかった。ユアンを見てると魔力制御は出来てるみたいだから今日は火属性魔法を全部教えてやるよ」


 「はい!お願いします!」


 ユアンはこの日にバーンが使える魔法を全て使えるようになり驚くバーンであった。


 


 

いつもありがとうございます。もうすぐで幼少期編が終わります。終わる直前になったら後書きの方で連絡します。近々番外編で魔法の技など人物紹介など軽く紹介するつもりです。面白かったらブックマークと評価をお願いします。感想もお待ちしております。

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