閑話 神々の住む場所3
「ユアン君を生き返らせてほしい」
セレスの言った言葉はクロノス、レアー、ユアンの三人は想像もしていなく、セレスの言葉を理解できなかった。
「セレス...今なんと言ったんだ?」
「だからユアン君を生き返らせてほしいって言ったの!」
ようやくセレスの言葉を理解したのか、クロノスの顔は青ざめている。
「おい!俺は別にこのまま...!」
ユアンは思わず立ち上がってセレスに話しかけるが、その後のセレスの言葉にユアンは驚いた。
「ユアン君は黙ってて...これはあくまで神達の会話だよ。ユアン君は入ってこないで」
セレスの強い口調にユアンは言い返すことができずにその場で何もせず、ただの傍観者として再び椅子に座った。
「セレス...その話は無理だ。神がどんなに万能でも死人を生き返らせることはできない」
「それはつまり方法がないからってこと?それともやっちゃダメだからってこと?」
「方法がないんだ。何人かの神が挑戦していたとは聞くが成功例は聞いたことがない...」
クロノスの言葉を聞いてセレスと死神はニヤリと不気味な笑顔が浮かぶ。
「じゃあ、成功したらユアン君を生き返らせていいってことだよね?
死神がクロノスに問いかけるとクロノスは静かに頷いた。
「よしっ!じゃあ帰ってユアン君が生き返れる方法でも探そうか!」
そう言って死神は立ち上がると、部屋の扉の方へと歩いていく。それについていくようにユアン達も死神の跡をついていくようにして出ていった。
「待て!セレス!もう少しお茶でも!」
何が何でも引き止めたいクロノスは引き出しから様々なお菓子を出すがセレスは一切興味を示さなかった。
「ではお母様、また今度お茶会で」
「ええ、楽しみにしてますね」
「お茶会って何!?呼ばれたことなんだけど!?」
「だってあなたがいると静かに娘とお話ができないんだもの」
クロノスは何か騒いでいる様子だったが、関わりたくなかったのですぐに四人は部屋を後にした。
そして、すぐに宮殿を出た四人はセレスの転移で元の空間へと転移した。
「はぁ...ようやく帰ってこれたな...」
「まぁ、神々の住む場所だからな。疲れるの無理はないな」
「それにしても...死神はまた置いていかれたのね...」
「死神の能力だからしょうがねえしな」
笑っている雷神と少し呆れているセレスを見てようやく帰ってきたことを実感する。
「でも、本当にするの?俺を生き返らせるなんて」
「もちろん!何が何でもユアン君を生き返らせるって誓うよ!」
「なんでそんなに俺のために...」
「言ったでしょ!ユアン君を死なせたのは私たち神の責任だからちゃんとケジメを取らないとね!」
そこまで言うセレスに感謝しかなかったが、本当に生き返る方法があるのか心配になる。
「それで...アテはあるのかよ...」
「フッフーン!あるに決まってるでしょ!」
自慢げに言うセレスに少し心配になる。
「まぁ...この話はまた今度で...ユアン君にはやってもらうことがあるし!」
「な、なんだよ...」
「それはね...」
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次回から本編に戻ります




