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幼馴染三人が異世界転生!?〜転生先で幼馴染として再び出会う〜  作者: 榊 祐
クエント帝国・シーラス王国編
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第二十八話 決闘

 決闘当日...フィリップは会場である闘技場である仕掛けを施していた。


 「これさえあれば...確実に勝てる...」


 すると、背後から声をかけられる。


 「良いのですか?そんなことをして...」

 「ああ、いいんだよ。何のために何でもありのルールにしたと思ってる...」


 声をかけてきた男性はトーマスという名前で、フィリップに仕えている執事だ。


 「そこまでするほどの相手なのですか?私にはどうも同じ様な子供としか見えませんでしたが...」

 「ふっ...お前もまだまだだな。アウスト王国の賢者達のレベルは高い...さすが大国というまではある...だが、その中でも特にやばいのが俺と同じくらいの歳のあの二人だ。普通に戦えば勝てるかどうかもわからん」

 「それほどまでの相手なのですか...しかしまぁよくそれで喧嘩を売ったものですね」

 「俺はあの女が欲しい。あの容姿、あの性格、あの力...一眼見た瞬間、俺の結婚相手はあいつしかいないと思った。だからまぁ...一芝居打ったってわけよ。亡くなった故人を悪くいうのは悪いとは思っているけど...それぐらいこの戦いには意味があるんだよ」


 そういうとトーマスはため息をつきながら「わかりました。尻拭いはご自分でやってくださいね」と一言だけ残して城へと戻っていった。


 ***


 その頃、アウスト王国では出発の準備ができていた。


 「それじゃあ!行くか!」

 「うん!」


 シーラス王国に行くのは賢者全員、国にいるのは騎士団長と宮廷魔道士長と時の魔女だ。時の魔女は昨日たまたま帰ってきて事情を話して今日一日アウスト王国に滞在してくれることを約束してくれた。


 「ほれさっさと行って来い。お土産は甘いお菓子で頼むな」

 「はいはい。わかったよ」

 「それとアイ...」


 時の魔女は出発しようとするアイを引き止めてじっと見つめた。


 「ど、どうにかしたの...?」

 

 アイが問いかけると時の魔女は「ふっ」と笑ってある助言をした。


 「今日は楽しんでくるといい。多分じゃけどいいことが起こるかもしれん」

 「いいこと?」


 アイが質問をすると時の魔女は何も喋らなくなった。時の魔女はニコニコと笑いながら早くいけと言わんばかりに手で追い払う仕草をしている。

 アイは少し疑問に思いつつも、シエラが作り出した黒い穴の中に入っていった。


 到着すると、そこは昨日訪れた部屋の中にいた。


 「お待ちしておりました。陛下は闘技場でお待ちになられています」


 突然背後にいた男性に声をかけられた。全員は驚きのあまり一瞬警戒をするが、その警戒はシエラが解いた。


 「やぁトーマスさん。闘技場まで案内頼んでもいいかな?」

 「もちろんでございます。ではどうぞ」


 そう言ってトーマスの後について行き、城の前に待機させられていた馬車に乗り込み闘技場へと案内された。

 城から約十分後すると闘技場に着いた。その大きさは以前ユアンがクローム王国でジェロンドと戦った場所と大きさは同じくらいだ。

 馬車を降りて、再びトーマスの後をついていく。するとその先には試合相手のフィリップが立って待っていた。


 「お連れしました」

 「ご苦労!トーマスお前は下がっていいぞ」

 「承知したしました」


 トーマスは一礼して闘技場の通路へ消えていった。


 「さて...戦う相手を決めていなかったな。お前らの中から一人選んでくれ」


 その言葉を聞いたけケントは真っ先に出ようとするが、アイに阻止された。


 「私が出る」


 その発言にケントを含め賢者の全員が驚いている。


 「アイ...?昨日俺のために修行を付き合ってくれたんじゃないの?」

 「えっ?違うよ?私が出るためだよ?」


 真実を知ったケントは肩をガクッと落として落ち込んでいる。


 「ごめんね、ケント。でもこれは私が戦いたい」


 アイが初めて自分から戦いたいと口にすると、ケントは笑いながらアイの背中を思いっきり叩いた。


 「痛っいな!」

 「仕方ないけどアイに任せるよ!ユアンを馬鹿にしたことを後悔させてやれ」

 「うん!」


 相手がアイに決まったことにフィリップは満面の笑みを浮かべていた。


 「それじゃあ外野の人たちは観戦席で俺たちの試合でも見ていてくれ」


 ケント達賢者は再びトーマスの案内によって二階の観戦席へと案内された。


 場内にはフィリップとアイの二人だけ。フィリップは再びルールの確認をし始めた。


 「ルールは何でもありだが、他の人が参戦しない限りは何でもありだ。武器も薬も全て使用することを許可する。それでいいか?」

 「ええ...全く問題はないわ」

 「それでは...始めるか!」



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