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第二十一話 剣術の先生

 今日ユアンはレインに呼び出されており、みんなと修行するのではなくある部屋に来いと言われていた。

 部屋につくとレインとその対面には鎧を着た大柄な男性が座っていた。


 「あっユアン君来たね。こっちに座って」


 レインに促されるようにレインの隣に座った。


 「こいつがお前の言っていた剣を教えて欲しいって言っていたガキか?」


 大柄の男性はユアンのことを睨みつけた。


 「まぁまだ子供だけど、この国の近衛兵よりも強いよ。あと一年修行をすれば私たちを超える」


 「そんな感じには見えないけどな....」


 男性はユアンを品定めをするかのようにじっと見つめる。


 「まぁ信じられないなら実際に戦ってみるっていうのは?」


 「面白い。なら今すぐ準備をしよう」


 レインの提案にすぐに乗った男性は笑みを浮かべていた。


 「あのーレインさん。この人って誰ですか?」


 「ああ、紹介してなかったね。この人はこの国の騎士団長さん。名前はガルム・エレベス。この国の騎士のトップの人だよ」


 「あーなるほど。レインさんのスパルタぶりにはもう驚きません」


 そう言うとレインは「あはは」と力なく笑っていた。


 「第一訓練場は他の奴らが使ってんだろ?」


 「うん。ユアン君以外の子供たちはそこでやってるから」


 「じゃあ第二訓練場だな」


 そう言ってガルムは第二訓練場に案内をしてくれた。第二訓練場に行く途中何かがぶつかる音が聞こえた。


 「この音ってなんですか?」


 「ああ、もうすぐで第二訓練場に着くけどそこからだと思うよ。第二訓練場は主に近衛兵が使う場所だからね。今は剣術の訓練でもやってるんじゃないかな?」


 少し歩くと大きな場所に大勢の兵士が木刀で訓練をしていた。


 「さぁ着いたぞ。ここが第二訓練場だ」


 いつも使っていた訓練場よりもはるかに大きい。

 近衛兵がガルムの姿を見つけると大きな声で挨拶をした。


 「団長おはようございます」 「「「「おはようございます」」」」


 一人の兵士の後に全員が続いた。大勢の兵士が一斉に挨拶をしたので少し驚いた。


 「ああ、おはよう。それより訓練は少し中断して場所を開けてくれ。今からこのガキと戦ってみるからよ」


 「構いませんが、団長がその子供と戦うんですか?」


 兵士はガルムと五歳であるユアンと戦うのが不思議に思っていた。


 「仕方ねーだろ。国最強戦力の賢者様が言うんだからよ」


 ガルムがそう言うと後ろにいるレインを指でさす。


 「これはどうもレイン様。挨拶が遅くなってすみません」


 「いや、別に構わないよ。それより早くお願いできるかな?」


 「失礼いたしました。すぐに準備をいたします」


 レインがそう言うと兵士たちは急いで場所を作ってくれた。

 1分もしないうちに場所が作られ、ガルムと一緒に作られた場所まで移動した。


 「さて、ルールは魔法は禁止で。身体強化と自前のスキルだけだな。武器はありだが、お前は持ってないから俺も使わずに行く」


 「じゃあ、私が審判やるね。ユアン君思いっきりやっていいからね!準備はいい?始め!!」


 レインの合図でガルムが身体強化をしてユアンに一気に近づき、右ストレートをユアンの顔面目掛けて殴った。が、ユアンは「未来予知」と「透過」を使って簡単に避ける。攻撃があたらなかったガルムは不思議に思い、さっきと同じ攻撃を仕掛ける。今度ユアンは「透過」を使わずに「未来予知」だけでガルムの攻撃を先読みし交わしていく。


 「どうなってんだ?お前のスキル.....攻撃が全然あたらねーぞ」


 「まぁ秘密ですね。じゃあ今度はこっちから行きます」


 身体強化の魔力をいつもより多めにしてガルムに攻撃を仕掛ける。先ほどのスピードより速くなっていることに気づいたガルムは、身体強化の魔力を多くしユアンの攻撃を受け流している。


 「おい、見ろよ。あの子供団長と互角だぞ」


 「いや、団長押されてんじゃ.....」


 兵士がユアンたちの戦いを見て溢している言葉が聞こえた。


 ガルムとの攻防一戦が終わり、次の手を考えているとガルムが話しかけてきた。


 「正直ここまでやるとは思わなかったな。お前名前は?」


 「ユアンです」


 「そうか、ユアンか。お前今日から俺がお前に剣を教えてやる!」


 「「「「えええええええええ」」」


 兵士はみんな驚いていた。


 「あの子供嫌いの団長が!?」 「今日は嵐が来るぞ!!」 「いや、魔人の大群が.....」


 などと兵士が混乱していた。


 「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!お前らは各自自分の訓練をしてろ!!!!」


 ガルムが一喝すると兵士たちは自分たちの訓練に戻って行った。


 「レイン、お前の言う通りだな。あと一年したらこの国一番の魔導師になる。今日戦ってみて実感したぜ」


 「でしょ?伊達に私の修行についてきてないんだから今日の戦いだってこれくらいできないとね」


 レインの言った言葉にガルムが青ざめてる。


 「待て。お前の修行をユアンが?本当か?」


 「そうだよ。何か問題でも?」


 「お前の修行って王宮に使えてる魔導師でも一日で逃げ出すって有名じゃねーか!!」


 ガルムの言葉を聞いて耳を疑った。確かにレインの修行はマジできつい。でも王宮に使えてる魔導師が逃げ出すって何?じっとレインを見つめると、レインはユアンの顔を見ると目を合わさないように首を横に向けた。


 「別に厳しくしてるつもりは無かったけど、言ったことを短時間で習得してくれるから面白くてつい」


 「でも、レインの修行に耐えれるんだったら俺も厳しくしても大丈夫だよな?」


 ガルムはニヤリと笑ってユアンの方を見る。


 「大丈夫だよ。半殺しぐらいだったら平気だから」


 レインとガルムが悪魔に見えてきた。剣術を習いたいと言った自分を過去に戻ってぶん殴りたいと思った。


 「じゃあ、今から素振りを一万回」


 「ユアン君頑張ってね〜私はアイちゃんに水魔法教えて来るから〜」


 レインはそそくさとアイたちがいる訓練場へと向かっていった。


 「さぁ始めようか」


 ガルムから木刀を渡され、まずガルムの手本を見たのちに素振りを一万回行った。



 素振りが終わり腕が上がらない状態で部屋に帰る途中、疲れ果てていて倒れそうになっているアイを見つけた。

 アイの姿を見てレインのスパルタ修行をしたことがわかった。ユアンはそのままアイに声をかけずに自分の部屋に戻った。


 次の日朝起きると、部屋にガルムが突撃してそのまま訓練に参加させられ地獄のような一日を過ごしたユアンだった。


 


 


 


 



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