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幼馴染三人が異世界転生!?〜転生先で幼馴染として再び出会う〜  作者: 榊 祐
クエント帝国・シーラス王国編
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第十八話 緊急会議

 クレアとヴィオーネに連れ去られたケントを助けるために、クレアの部屋へと向かう。

 その途中で、息を切らしたレインの姿を見かけた。


 「レインさん!何かあったんですか?」

 「あっ!アイちゃん!探してたんだよ!」

 「私ですか?」

 「正確にはアイちゃんとケント君だけど...」


 話を聞くと、緊急で会議をするためにレインが賢者を集めていたと言うことだった。驚くことに、その発案者は時の魔女ユニバだった。


 「ケントのことは任せてください。私もこれから呼びに行こうと思っていたので」

 「本当!?じゃあお願いするわ!シエラ様はシーラス王国に言っているからいないけど、それ以外はみんないるから」


 そう言ってレインは、歩いて会議室へと向かっていった。


 さてと...ケントを呼び出す口実ができてよかった...


 下手な理由でケントを連れ出せば、あの二人に何を言われるかわからない。

 クレアの部屋の前に着くと、中から話し声が聞こえる。もうこの時点で嫌な予感がしているが、扉を三回ノックする。

 すると、「はーい」と中から声が聞こえて、扉が開いた。


 「アイ様、何か御用ですか?」

 「えーっと...ケントに用があるんだけど...」


 チラッと部屋の中をみると、正座をしながら話を聞いているケントの姿が見えた。


 「ケント様はもう少し時間がかかるので後ででもよろしいですか?」


 クレアの言葉に寒気がする。


 もう少し時間がかかるって何事!?


 それでも、緊急会議の方が大事なので無理矢理にでも連れていかなくてはならない。


 「ごめん、緊急会議が入ったからどうしてもケントを連れていかなきゃならないんだ」

 「そうですか...それは仕方ないですわ...」


 クレアはそう小さくつぶやくとヴィオーネと二人で何かを話し始めた。

 ケントはアイの姿を確認すると、嬉しそうにこちらを見つめている。


 「わかりました。では、少しの間ケント様をお貸しします」

 「また戻ってきたら話があるから、ちゃんと戻ってくるんだぞ」

 「は、はい...」


 ケントと二人で歩いていると、疲れ切った様子だった。


 「大変だね、二人いると...」

 「本当だよ...二人とも張り合うから大変だよ...それにしても、アイは元気だな」

 「まぁね...ちょっといいことがあったから」

 「なんだよ、いいことって」

 「んー秘密!」

 「なんだよ...まぁ、アイが元気ならなんでもいいや」

 「そうそう、乙女の秘密は知るもんじゃないよ」


 そう言うと、ケントは大きなため息をついた。

 そんな話をしているとあっという間に会議室へと到着する。

 扉を開けると、シエラ以外の賢者は既に座っていた。


 「ようやくきたか...早く座れ。大事な話がある」


 ユニバに促され、二人は席に着く。


 「さて、全員揃ったな」

 

 ユニバは一回咳払いをして本題に入った。


 「さっき程ラミファから情報があって、暴虐の魔女クレーナがラウレスと繋がっているかもしれないと言う情報があった」

 「「「「「!?」」」」」


 ユニバの言葉を聞くと、賢者全員は勢いよく立ち上がった。


 「暴虐の魔女がラウレスと...?」

 「嘘でしょ...でももし、それが本当なら...」

 「世界の危機だね...ラウレスやその他の魔人でさえ厄介なのに...」


 ケントは暴虐の魔女と一回あったことがあるが、腹の打ちどころが読めない人物だったことは覚えていた。


 「なんの目的でそうなっているんですか?」

 「まだ手を貸していると確信ではないが、ラミファによると死神の加護を持っている人間を調べているらしい」

 「死神の加護って...」

 「ああ...ユアンが持っていた加護の一つじゃな。おそらく奴らはユアンを生き返らせようとしているのかわからんが、ユアンが関係していることは間違いなさそうじゃ」


 ユアンが生き返ることについては嬉しいが、ラウレスたちが生き返らせるとなると嫌な予感がする。


 「わしの未来予知じゃまだ先のことはわからないが、一つだけ方法がある」

 「方法?そんなのあるの?」

 「ああ、お主たちには魔人を見つけたらすぐに教えてほしい。すぐにわしが合流してその魔人の未来を見る。其奴がラウレスとのなんらかの関係があれば、あっちの情報がわかる」


 ユニバの作戦を聞いてみんなの顔つきが険しくなった。

 普通の魔人なら一人で十分だが、この前のような魔人がいると一人では危険すぎる。


 「今回は二人ペアでどうだ?」

 「そうね、もしもの場合に備えた方が良さそうね」

 「俺とアイは一人で大丈夫。この人数だと一人余るし」

 「まぁ、それが妥当じゃな。悪いが、そっちは三人で組んでもらって良いか?」

 「俺らは別に問題ないっす」

 「決まりじゃな。それでは各自頼んだぞ!」


 そして、会議は解散となった。

 三人ペアのバーンたちはすぐに魔人を探すために、急いで会議室を飛び出すと森の方へと探しに行くようだった。


 「俺たちも行くか」

 「うん!...でも、クレアたちに一言言わなくてもいいの?」

 「そうだな、言ってくるから先に行っててくれ」

 「私も一緒に説明しに行こうか?」

 「いや、いい。ここは俺が行ってくる」

 「わかった。じゃあ先に行ってるね」

 「ああ」


 今のケントはさっきの疲れは忘れているようで、どこか怒りを感じる。


 正直私も怒っている部分はある。どうしてラウレスたちがユアンを生き返らせようとしているのか...何が目的で死神の加護を持っている人を調べているのか。謎が多すぎて、考えれば考えるほどわからなくなる。


 それでも、ラウレスたちを止めたいが、ユアンを生き返らせることは止めたくないと思う自分がいる。

 アイは魔人を探しに行くためにヴァントが亡くなった場所で魔人を探すことに決めた。


 

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