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幼馴染三人が異世界転生!?〜転生先で幼馴染として再び出会う〜  作者: 榊 祐
クエント帝国・シーラス王国編
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第五話 皇帝との謁見

 城で一泊したケント達は、優雅な朝を迎えた。

 朝は部屋まで朝食が運ばれ、その後は風呂など、いたせり尽せりだった。そして、すぐに皇帝との謁見が許され、正装をして謁見の広間へと向かう。ケントは正装と黒いローブを、リキトとラグレスは正装だけしてケントの後ろで待機することになっている。


 宰相がケントの名前を呼び、ケントは大きな声で「はい!」と答えて皇帝の前へと歩いていった。その後ろをリキトとラグレスがついていった。


 「まずは、娘を助けてくれて感謝する」


 皇帝は自ら頭を下げると、周りにいる貴族達は騒ぎ立てたが、皇帝が右手を少し上げて貴族達を黙らせた。


 「周りの貴族がすまなかった。後で詫びを入れよう」

 「いえ、私どもは気にしておりません」

 「ふっ、そうか...では、本題に入ろうか」


 周囲の雰囲気がガラッと変わった。先ほどまでは父親の顔が見られていたが、今では皇帝の顔に切り替わっている。


 「まず、この手紙に書かれている初代勇者は本当に生きていたのかね?実際に目で見ていないから信じられるわけがないし、そもそもおとぎ話ではなかったのか?」

 「はい...ラウレスは生きており、魔人となって生きていたと聞かされました」

 「ほぅ...それは確かな事実なのか?」

 「はい、時の魔女から直接聞きました」


 参列している貴族達がざわめきたてる。すると、一人の貴族が声を荒げた。


 「ふざけるな!そんなありもしない話で我々帝国が力を貸すと思っているのか!そもそも時の魔女から聞いたというのも嘘くさい!」

 

 その後に続き、他の貴族達もヤジを飛ばしてきたが、ケントは貴族達の方を向き話し始めた。


 「まぁ...いきなり信じろとは言いませんよ。ですが、この報告をするために賢者である俺がここにくるとお思いますか?」

 「ふん!そんなもの我々を陥れるためにやっているんだろう!騙されんぞ!」

 「だったらご自由に...ですが、決めるのはあなたではない...そうですよね...皇帝様?」


 ケントの後ろにいるリキトとラグレスはガタガタと震えている。先ほどから微量だがケントから殺気が漏れている。

 おそらく、貴族の言葉に怒りが込み上げているようだ。


 「賢者殿のいうとおり、決めるのは我だ。お主達が口を挟むべきではない!」

 「は、はっ!」


 皇帝の一言に貴族達は再び大人しくなった。


 「わかった。この手紙に書かれている通り帝国も力を貸すことにする。これは、国どころか世界に関すると思って良いのだな?」

 「はい。その考えで間違い無いです。全ての国と力を合わせなければラウレスを倒すことはできません」

 「それほどの相手なのか...初代勇者は...」

 「現にアウスト王国最強の賢者も殺られましたから...」

 「何!?それは本当なのか!」

 「ええ、神の加護持ちでスキルは「未来予知」と「透過」を持った賢者でさえラウレスを倒すことはできませんでした」

 「神の加護を持ったものでも倒せなかったのか...」

 「俺も神の加護を持っていますが、歯がたちませんでした」


 ケントの言葉に周囲が再びざわめいた。


 「今なんといった...?」

 「俺も神の加護を持っていますが、歯がたちませんでした」

 「神の加護を持っておるのか...?」

 「はい、炎神の加護です」


 神の加護を持っているとわかると、貴族達は急に大人しくなった。


 「なるほど...魔人を無傷で容易く討伐したこと、よく頭が切れること...ようやく合点がいった」


 皇帝は王座から立ち上がり、ゆっくりとケントの前まで歩いていった。


 「そうとなれば、話は早い方がいい」


 皇帝はケントの肩に手を置いて、大声で宣言した。


 「モーガン・フォン・クエントの名において、娘のヴィオーネとケント殿を婚約させることを誓う!!」

 「はぁああああああ!?」「「ええええええええええ!!」」


 突然の発表でケント達三人は思わず、素の反応が出てしまった。

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