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第五十話 修行

 「それで...エルクはシエラ様に任せるとして、アイはどうするんだ?ユアンの代わりにラグレスを見るの?」

 「うーん...それは私も迷ってるんだよね。光属性を教えるんだったら私だと思うけど、ラグレス君って光剣(ライトニングセイバー)を使うから剣の腕がある人がいいと思うんだけど...」


 クレアの部屋でお茶会が終わってからケントとアイは王城の廊下を二人で歩いていた。

 師匠が変わるとなると、ラグレス達も動揺するだろう。面識はあるにしろ、修行の付け方が違ったり合う合わないの問題もある。

 アイはもともとエルクの師匠だったため、エルクを見るつもりだったが、シエラに取られてしまったため、どうするか悩んでいた。


 「そうだよな...俺らには剣の腕はないから尚更だよな。リキトも剣を使うからこういう時ってどうすればいいんだ?」

 「ユアンの剣って確か...騎士団で学んでたよね?三ヶ月くらい」

 「そういえばそうだよな...でも、あいつらを騎士団に送るのはいいけど、その間俺たちは暇だぞ?」

 「じゃあ、その間私に身体強化の修行をつけてよ」

 「......え?」

 「だから!その間私に身体強化の修行をつけてって言ってるの!」


 ケントは目を見開いて驚いている。それもそうだ。小さい時は、身体強化の練習をあまりやっておらず、なんとなく感覚でできていたため、組み手などの練習もあまりしていなかった。


 「お前が...身体強化の練習?どうした急に?昔はあんなに嫌がってたのに...」

 「だって...ユアンに言われたんだもん。「身体強化が下手だからケントに教えてもらえ」って...」


 アイの身体強化は一般人からしたら上出来レベルだ。しかし、ケントやユアンレベルになるとそれはお粗末と言っても過言ではない。アイが身体強化で戦うんだったら、バーンやアークが身体強化をして戦った方がまだ強い。それぐらいアイの身体強化が下手と言える。


 「ぷっ...あはははは!」

 「ちょっと何がおかしいのよ!」


 赤面しながらケントを睨みつける。


 「いや、ごめんごめん。ユアンの言ったことならなんでもやるんだなって...」

 「悪い?それがユアンとの約束なんだけど」

 「いいや、全然いいよ!アイも強くなりたいんだな」


 ケントは嬉しそうな顔をしながら笑っている。


 「うん。だって、それがユアンとの約束だからね!」

 「よっしゃ!じゃあ、ラグレスとリキトに話をつけにいくか!」


 そう言って、ラグレスとリキトの屋敷に向かおうとした時、一人の兵士が息を切らしながら廊下を走るのを目撃する。


 「け、ケント様!お聞きしたいことが!」

 「ん?」

 「さ、先ほどラグレス様とリキト様が森に放る許可をケント様からもらったと言われてお通ししたのですが...」

 「はぁ?俺そんなこと言ってないよ...な?」


 横にいるアイに視線を向けるが、アイも「うん」と小さく頷く。


 「どうしましょう...私たちがきちんと確認を取っていれば...」

 「いや、まぁどっちにしろ会いにいくつもりだったから、問題はないけど...とりあえず、あいつらのことを鵜呑みにするのはやめてほしい」

 「大変申し訳ございませんでした!」


 そうと決まれば、すぐに森に行ってあいつらを叱らなければ...

 急いで王城を出て門のところまで走っていく。


 「ケント、あまり二人を叱らないであげてね?多分...この前の出来事を引きずってるのが原因だからさ...」

 「うーん...まぁわかったよ。けど、あいつらの態度にもよるなぁ...」

 「あははは...まぁ...そうだよね」


 ケントとアイの二人は急いで森へと向かった。

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