第十六話 師匠決定!?
陛下との話し合いから数日が経った頃、ユアンたちは訓練場に来るようにセバスから言われた。訓練場と聞いただけで大体の予想はついた。
訓練場に行くために部屋を出て訓練場へと向かう。その途中でアイとケントに出会った。
「あっユアンだ!ユアンも訓練場に行くの?」
「そうだけど、お前らもだろ?」
「急に言われたからびっくりしたけど、訓練場っていったら魔法の訓練だろ?楽しみだよな」
ケントはこれから起きることはある程度予想はできていた。ケントは魔人と戦ってから、ユアンのイメージでは戦闘狂のイメージがついていた。
「訓練が楽しいと思えるお前がすごいよ....」
「でも、新しい魔法を覚えることができるのは楽しみだよね!私たちまだ初級魔法しかできないから物足りないよね」
アイは俺たちが最上級魔法が使えるのは知らない。あの魔人との戦いで見ただけで使えるようになったとは決して言えない。言ったら拗ねることはわかるし、落ち込むと思う。言わないでおこうと心に決めた時、
「あっ俺とユアン火属性の最上級魔法使えるよ」
ケントの爆弾発言で、先ほどまで新しい魔法を覚えられると喜んでいたアイの表情はみるみる落胆していくのがわかった。
「えっ....嘘だよね?」
消えるような声でアイはユアンとケントを見た。ユアンはアイの顔を見れず目を逸らした。
「本当だって、この前の魔人と戦った時に灼熱っていうんだけど、見たら撃てたよな?ユアン」
こっちに話を振るんじゃねえと思いながらも、ケントの行った言葉に小さく頷いた。
「私まだ水玉しか使えないよ......私って落ちこぼれ?」
涙目になっているアイを見てケントはようやく理解する。
「いや、でも俺たちあの時は必死だったからなんとかできただけで、そうだよなユアン!」
必死になっているケントを見てアイを慰めにいく。
「大丈夫だよ。今日はそのために訓練場で魔法を覚えるんだろ?アイならすぐに覚えられるよ」
アイの頭をポンポンと優しく叩いて励ました。
「そうだよね!ケントたちができるなら私にもできるよね!」
アイは少し元気になりさっきと同じように魔法を覚えることを楽しみにしている。
ケントはこっそりと近づいて耳打ちでお礼を言った。
「ユアンありがとな。流石にやばいと思った」
「もうこれ以上変な発言は控えろよ」
「わかった...でもよくアイの機嫌を直すことができたな」
「前世でずっとお前らといたから扱いは慣れてんだよ。何年幼馴染やってると思ってんだよ」
そう言うとケントは笑いながら「さすがユアン」と言っていたがあまり嬉しくなかった。
訓練場につくとまだ誰も来ていなかった。
「あれ?まだ誰も来てないね?」
辺りを見回しても誰もいない。時間を間違えたか?と思った時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「時間通りみんなそろってるね。じゃあ始めようか」
後ろを振り向くと、レインとその後ろに男性が二人いた。
ユアンたちはレインの前に立って横一列に並んだ。
「さて、まずは自己紹介からかな。私はレイン・カース。水属性の魔導師で賢者をしている。こっちの左隣にいる人はバーン・ナックル。火属性の魔導師で一応賢者をしている」
「一応ってなんだよ!説明するならちゃんとやれ!」
レインの紹介に気に食わなかったようで鋭いツッコミをしていた。
「で、私の右隣にいる人がアーク・ペンデント。光属性を使う魔導師で賢者」
「アーク・ペンデントです。君たちが噂の子供たちなんだね?希少な光属性を使う子もいるって聞いたから面白そうだと思って魔法を教えることになったからよろしくね」
「と言うことで、アイちゃんはアークに見てもらって、ケント君はバーン、ユアン君は私ね」
アイとケントは教えてくれる人が同じ属性だからわかるが、レインは水属性で、俺は炎属性と雷属性を使う。レインには教えることができないと思った。
「レインさん、俺は火属性と雷属性を使うんですけど......」
「うん知ってるよ」
「じゃあなんで」
「今日ユアン君には、スキルの力をつけて欲しくてね。属性は関係ないけどユアン君のスキルを訓練するなら私の属性でもできるから」
思っていたのと違う答えが返ってきたので少し戸惑いはしたが、レインの言葉を信じることにした。
修行は始まったばかりだが、この後地獄のような修行を行うとは思っていなかった。
今日は少し時間があったので投稿できました。このような気候なので皆さん充分に気をつけて生活してください。
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