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第十一話 戦闘2

 魔人は俺たちを見て不敵な笑みを溢す。


 「もう一人は逃げたか.....まぁいい。お前らを殺した後すぐに追えばいいだけだ」


 魔人は俺とケントを見るとニヤニヤとしながら挑発してくる。


 「どうした?威勢がいいのはさっきだけか?」


 「じゃあさっきと同じところに一発入れてやるよ」


 ケントが挑発で返す。俺はケントを落ち着かせるために作戦を考えた。


 「おいケント。俺があいつの隙を作るからお前はあいつに重い一撃を入れろ」


 「でも、どうやって?」


 「俺があいつの顔面を殴るフリして「透過」であいつの顔面をすり抜けるから、多分その時に隙ができる」


 俺は自分が嫌な役割だと言う事に気づいているが、方法はこれしかない。俺は早速、身体強化をして魔人に近づいた。


 「ほう、次はお前か。何を企んでる?」


 「言うわけねーだろ」


 俺は作戦通りに魔人の顔面を殴る。魔人は防御をするがユアンのスキル「透過」ですり抜けた。魔人は不覚にも殴られると勘違いをして目をつぶってしまった。その隙にケントが最初に殴った同じ場所を殴った。


「がはっ」


 魔人は再び森に吹っ飛ばされた。


 「今のうちに早く逃げましょう!」


 俺は護衛の兵士とケントに早く逃げるように言った。

 十分ぐらい走っていても魔人が追いかけてくる気配はなかったが、念のため「未来予知」で未来を見てみると森から魔人が出てくる未来が見えた。


 「みんな止まって!!」


 「なんだよ。急に出てきたら驚くだろうと思って先回りしていたのに、がっかりだな」


 魔人はさっき二回も攻撃を受けたはずなのに平気な顔をしている。


 「化け物かよ.........」


 攻撃したケントも信じられずに声が出てしまう。


 「化け物?我からしたらお前らの方がよっぽどの化け物だぞ。まだ年齢は.....五つといったところだろ?」


 俺はこんな化け物に勝てる気がしなかった。


 「さて、さっきはやられっぱなしだったから今度はこっちから行くぞ!」


 俺は魔人を「未来予知」で未来を見る。魔人は俺たちに向かって火属性の魔法を撃つ未来が見えた。


 「みんな左右に飛んで!」


 「灼熱(インフェルノ)


 魔法が発射されると同時にみんな左右に飛んだ。魔人が撃った魔法は消えることなく遠くにあった岩に当たったが全て燃え尽きていた。


 「灼熱(インフェルノ)って最上級魔法じゃねーか」


 兵士がポツリと言葉をこぼした。


 「ほぉよく避けたな。じゃあ次は火の舞踏(ファイヤーダンス)だ」


 魔人は詠唱もなしに魔法を発動する。魔人の後ろから五つの火の玉が出てきた。


 「この火の舞踏(ファイヤーダンス)は相手に当たるまでは消えないからな。死なないようにがんばるんだな」


 火の玉は一斉に俺たちがいる方向に飛んできた。


 兵士は剣で切ろうとしても簡単に避けられてしまう。


 「くそ!なんで当たらないんだ!」


 騒ぐ兵士を見て魔人が笑う。


 「当たり前だろ、その火の玉を操ってるのは我だぞ。そう簡単に当たると思うなよ」


 一人の兵士が火の玉に当たってしまう。


 「ぐあああああああああ」


 もがき苦しむ兵士を横目に見ながらも自分たちに襲いかかってくる火の玉のせいで助けに行けない。叫び声がしなくなったので火の玉に当たった兵士を見てみると兵士の姿はなかった。


 「ああ、言い忘れてたけど俺の炎は燃やし尽くすまで消えないからな」


 魔人は俺たちを見ながら余裕そうに見物している。


 「ユアン、このままじゃ埓があかないぞ」


 「ちょっと待て。さっきあいつが言ったことを思い出してみろ。燃やし尽くすまで消えないってことはなんでもいいから何かしら当てたら消えるってことだよな?」


 「それがどうかしたのかよ」


 「試したいことがある。ケント、俺の後ろに来てくれ。ギリギリまで火の玉を引きつけたらそのまま上に飛べ」


 ケントはニヤッとして了承してくれた。


 「了解。任せたぞ」


 ケントはすぐに俺の後ろにきた。俺とケントは背中合わせの状態だ。


 「いいか、ギリギリまで引き付けろよ」


 「わかってるよ」


 二つの火の玉は俺とケントの方に飛んでくる。ケントは自分に当たる寸前で上に飛んだ。二つの火の玉は俺のほうに飛んできたがスキル「透過」で当たることはなかった。

 すり抜けた火の玉はお互いにぶつかって消えてしまった。


 「やるじゃんユアン」


 「相手の技を逆手に取ったんだよ」


 残りは二人の兵士が火の玉を二つ相手にしている。まずはそれを片付けないと行けないので俺はしゃがんで石を数個拾った。兵士が火の玉を切りつけているが、簡単に避けられてしまう。その火の玉が避ける未来を見て避ける方向に石を投げた。


 火の玉は石が当たって石が燃え尽きて無くなってしまった。


 「さて、これからどうするか」


 残っていた火の玉は全て消したが、魔人を倒さない限り安全とは言えない。残っている兵士もさっきの火の玉で疲れ切っている。


 「ほぅ、よく我の火の舞踏(ファイヤーダンス)を受けても生き残れたな。だが、この技はいくらお前らでも防ぐことはできないぞ」


 魔人の後ろから五つの魔法陣が浮かび上がった。


 「なんだよ......あれ.....」


「未来予知」で見てみると、灼熱(インフェルノ)と同じ威力の魔法が五つ撃ってくる未来が見える。


 「おい、さっきの灼熱(インフェルノ)ってやつが五つ同時に撃ってくるぞ」


 「いや.....さすがに無理だろ......いくらなんでも防げねーよ......」


 さすがにケントも絶句する。後ろにいる兵士は絶望している。


 



 

いつも更新が遅くなってすみません

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