第一話 序章
俺の名前は、五十嵐太陽。毎日平凡に生きてる高校二年生だ。最近の趣味は部屋に引きこもって漫画を読んだりゲームをしたりすることだ。まぁ、自分はこの生活が気に入ってるから文句はあまりない。
そんなことを思いつつ、学校の準備をして家を出る。学校までの道のりを遅刻しない程度の速度で歩くのが最近の日課だ。ゆっくり歩いていると、後ろから走ってくる音が聞こえてきたので一旦止まって後ろを確認した。
「太陽おはよ〜。いやー今日寝坊しちゃって、朝起きた時目覚まし時計二度見しちゃったよ」
「おっす、太陽。太陽がいるってことはまだ遅刻じゃねーな」
話しかけてきたのは俺の幼馴染の一条由依と佐藤大地だ。由依は昔から勉強ができて学年ではトップの成績を誇っている。そんな由依を嫌う人は居なく老若男女全ての人に好かれるほどの善人。由依の両親は医者で小さな病院を経営している。大地は運動神経抜群で体力テストはいつも学年一位。なのに部活にも入らないで、放課後になると俺たちと遊んだり、バイトしたりしているだけ。大地の両親の実家は定食屋を経営していて、たまにお弁当を作ってもらう時がある。まぁこの二人は小さい頃から一緒で小中高も全部同じ。いわゆる腐れ縁ってやつだ。
「なに?大地も寝坊したのか?」
「俺は、朝起きた時にまだ眠かったからもう一回寝ただけ」
いい笑顔で行ってくるけど世間ではそれを寝坊って言うんだよ!まぁいいかと思いながら毎日のたわいも無い話をしてまた歩き始めた。
「ねぇ、来週の日曜日に山の上の神社でお祭りがあるからさ三人で一緒に行こうよ!!」
「俺は別に空いてるけど。大地は?」
「俺も平気!」
「じゃあ決まりね!!」
祭りに行く約束をして気分が良くなる由依。またどうでもいい話を続けながら学校を目指した。5分ぐらいすると学校が見えてきて、学校の前にある横断歩道を渡ればすぐに着く。俺たちは横断歩道で信号が青になるのを待つ。待っている間に、友達から連絡がきていないかスマホを確認しようとしたら、前の方から
「危ない!!!!!!!!」
と言う大きな声が聞こえた。その瞬間俺たちはトラックに跳ねられた。気がつくと俺は道路に倒れていた。重いまぶたを開けてみると、自分の周りは血だらけで腕を見たら骨が見えていた。全身が痛い。あぁ、死ぬのか。と思った時二人の姿が見えなかった。
重い体を起き上がらせる。けど、少し動かすだけで全身に激痛が走る。今の自分には二人の安全を願うことしかできない。ようやく起き上がれてゆっくり周りを見渡す。すると後ろには、全身血塗れの二人が横たわっていた。
「な......なんで...なんでだよ....」
嘘だろ。朝一緒に登校してただろ。朝元気だったろ。冗談...だよ...な?
俺は信じられずに少しずつ、大地と由依の方に歩いて行く。体に激痛が走っても気にならない。もう少しのところで、警察官の人が近づいてきた。
「君!!こんな大怪我してるじゃないか!!もうすぐ救急車が来るから大人しくしてなさい!」
俺は自分が出せる精一杯の声で警察官の人にお願いした。
「あ..あの二人...のとこ..ろに連れ...てって..ください。お願..いします」
「いや、でも...」
警察官の人は俺の顔を見た後ゆっくりと頷いてくれた。警官は俺を大地と由依のところに運んでくれた。二人に触れてみるととても冷たかった。俺は我慢していた涙が溢れ出てきて止まることがなかった。
「なぁ..起きてくれよ..さっき祭りに行く約束したじゃねーか....約束..破るんじゃねーよ」
だんだん意識が遠くなっていく。あぁ流石に限界だな。体の感覚がなくなってきた。最後に家族に謝りたかったなぁ。救急車のサイレンが聞こえてきた。大人たちが話している声が聞こえてきたが、なにを言っているか聞き取れなかった。そこで、俺の意識はなくなった。
初めまして榊祐と申します。初めての作品なので最後まで読んでもらえると嬉しいです!
誤字脱字があったりおかしい言い回しなどがあると思いますがよろしくお願いいたします!