海月たゆたう
第2幕が開かれた──
スクールバスでの帰り際、私は狸寝入りをしながら悦に浸っていた。
すでに頭の中ではプレゼンシートが作成され、
B4二つ折り12ページの小冊子をどのようにしたら丁寧なホチキス留めが出来るかで勝負が決まる……
そんなギリギリ崖っぷちの泥仕合が繰り広げられていた。
しかし、無人バスは残酷にも我が肉体を本土北部にあるツンドラ地帯へと放り出したのだ。
「まるで海の体温が可視化されているようだ」
私は昔読んだ小説の一節を呟いた。
もちろんリスクは承知だ。
あのクラゲ共に聞かれたら一国の元首が腹芸を見せる程度では収まらぬ。
妖艶で美味なるその触手を踏んでいるとも気づかずに、一歩一歩と前へ進む 真の自由を求めて♡