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【茂野由美】 小碓飛鳥斗ルート①彼には妄想癖がある


「あー授業かったるーい」


昼になり皆が弁当やパンを食べている。

私はいつも隣のクラスの親友、アキと屋上で食べているので呼びに行った。


「えっと田中…アキいますかー?」

「アキ?今日は来てないぜ風邪だってさ」

「そうですか…」

アキはことわざにある通りバカは風邪引かないタイプだと言っていた。

たしかに滅多に風邪を引かないのだが、昨日は雪が降っていた。

たぶん雪遊びをしていたんだろう。

仕方なく一人で屋上に行く。


「ベタすぎる…」

いつもと少し違う屋上の風景に、思わず口に出してしまった。


屋上のフェンスを飛び越えようとしている男子生徒がいるのである。


彼はまさに今、この世から去ろうとしていた。


止めたほうがいいのだろうか、見なかったことにしてこの世から去る彼を見る前に私は屋上から瞬時に去るべきか迷う。


(たぶん本気で死ぬわけじゃないよね。)


「…あの」

(話しかけられたあああああ!?)


「はい!!」

無視するわけにもいかず私は返事をした。

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