第六話 新生破壊神の一日、その一。
さて、俺が地上に降誕し、三歳になったわけではあるが、その三年の間に、国際情勢や政治情勢の話では、起こった出来事はそんなに大したことが無かった。
だが、俺自身の身の上では特筆するべきことが三つ起こった。
第一に、冒険者ギルドに登録した事。
次に、教会に週三から五で入り浸るようになった事。
最後に、兄貴が親父の後を継ぐべく、修行を開始した事。
まずは、冒険者ギルドに登録したこと。
これに関して言えば、前にチラリと話したと思うが、俺のこの世界の父親であるアンドレに駄々をこねて、無理矢理に登録させてもらったのだ。
当初こそ親バカに付け込んで、我儘を言いまくるばかりのバカガキという空気が付きまとい、冒険者ギルドの受付嬢からすら、眼の奥が笑っていない笑顔を向けられていた俺だったが、継続は力なりとはよく言ったモノ。
毎日毎日、悪さもせずに一日の半分を冒険者ギルドで過ごしている内にギルド内からの評判も徐々に上がって行き、今では、冒険者ギルドの職員から回された仕事をこなせるようになった。
実際、今現在もギルドから回された仕事をこなしている所である。
とは言え、
「よっしゃー!美味しい野草ゲットーーー!
コレ貰っていいんだよね?ね?ね?いいんだよね?」
「はいはい。貰って、貰って。いいからさっさと草むしり続けて」
「はいよー!やったね!」
その仕事内容は、近所のおばちゃんちの草むしりだが。
まあね。普通、三歳のガキにそれ以上の仕事を任す奴なんて、いねえよ。
つーか、ガキを連れてダンジョンを連れ回そうとするやつなんざ、俺の方からごめんだ。
そいつ絶対、何も考えてないバカか、俺を殺そうとするバカか、俺相手に変態しようとするクズかの何れかだよ。そもそも関わりたくねえ。
他の冒険者や、冒険者志望の奴らが聞いたら眉を顰めそうなことだが、そもそも、s俺が冒険者ギルドに登録したのには、明確な目的があるからだ。
その目的とは主に三つ。
第一に、まとまったカネを作ること。
第二に、コネづくり。
そして第三に、情報収集である。
カネの事に関して言えば、目的は色々である。
俺専用の武器は欲しいし、医療系のポーションも欲しい。武術を習う為にも諸々の事情があって、金が欲しいし、将来的には旅に出なきゃいけないわけだからその為の資金も必要だ。後、余裕があるなら魔術を覚える為にも魔導書のひとつか二つは欲しいし、財布のひもが許すなら、魔道具も欲しいのが幾つかあるんだよな~。
とまあ、こんな調子で、欲しい物を上げたらキリが無い。将来的に必要になるだろう、と思われる物を用意するだけでも、ざっと、計算したところでこの街の住人の年収十倍の金は必要になる。
三歳児がそんなに簡単に大金を稼げるのかって?
実はこれがかなり稼げるんだな~。
さて、俺の貯金計画について説明する前に、まず、この世界の貨幣について説明せねばなるまい。
第一にこの世界の貨幣制度では、硬貨の身を使用していることが特徴として挙げられる。
硬貨の種類は、全部で五つ。白金貨、金貨、銀貨、銅貨、青銅貨である。
青銅貨が十枚あって、銅貨一枚。
銅貨が十枚あって、銀貨一枚。
銀貨が十枚あって、金貨一枚。
金貨が十枚あって、白金貨一枚になる。
日常生活で使うお金は、基本的に青銅貨から銀貨までの三つの貨幣を使用する。
青銅貨一枚は大した価値はなく、大体何枚かまとめて使うのが普通だ。
そして、青銅貨五枚でパン半分と言った価値だ。
つまり、銅貨一枚でパン一斤の価値となり、一日の食事一食分となる。
宿屋や、飯屋と言った生活に密着した場で使われるカネというのは、この銅貨を基準として使われる。
基本的な相場で言えば、宿一泊分で銅貨五枚。
内実は、飯代が銅貨三枚、寝床代が銅貨一枚、残りの銅貨一枚が、利益分。
何で寝るだけで金がかかるか、っていう話だが、商売やると税金がかかるから、税金分をここで稼がないと、利益が無いんだ。
銅貨五枚で一宿分だと、その二倍で二日は生活できる。
つまり、銀貨一枚で二日分の生活費になる。
此処からは、更に大雑把な計算になるが、金貨一枚で大体一般家庭の一か月分の生活費になり、最大価値である白金貨一枚では、一般家庭一年分の生活費と同価値となって来る。
この為、金貨や白金貨が飛び交う店というのは、そこらの地方都市であるならば、滅多に見れるものでは無く、王都に本店を構える大商人か、王室御用達の商店か、大貴族が常連の店でも無ければ、国家やそれに通じる商業組織の取引に使われる類の物だ。
そうして、そんな景色を一般庶民が早々拝めるものでは無い。
だから、生活に密着した商店というのは、銀貨何枚分の利益が出るか、とか、銅貨何枚分で何日分か、という計算を行って商売を営むことになる。
此処で本題に戻る。
これ等の事柄から、通常子供の小遣い金でも銅貨を渡す家庭は少ない。
大概の場合は、近所のパン屋や肉屋、魚屋に行って、青銅貨何枚分の食事の切れ端を貰う。
本を読む場合も、青銅貨を対価とする場合は、貸本で何日間か読みたい本を借りることになる。
だが、冒険者ギルドを通して払われるカネは別だ。
どんなに小さな仕事であっても、最低でも銅貨から、支払われる。そらそうだ。
冒険者ギルドに通った依頼というのは、正式な仕事であり、一日分の糧を稼ぐ術である。
仕事をこなした以上は、ガキであっても報酬を支払われる。
それも、ある程度まとまったカネを、だ。
さて、それだけの金額を三歳のガキの懐に入れ続ければ、そのうちに中々の金額になるのは、まあ、眼に見えた現実であるだろう。
「じゃあ、おばちゃん。草むしり終わったから、俺帰っていい?」
「うん?うんうん。あいよ。よく頑張ったね。じゃあ、依頼書に
サイン書いとくから、持ってきな。じゃあ、また草が伸びてきた頃に
頼むよ」
「アイアイサー!ボス!」
俺は地球に居た頃に映画で見たことのある軍人の動作を思いだして、そのおばちゃんに対して最敬礼して見せると、依頼終了の文字が書き足された依頼書を持っておばちゃんの家を後にすると、その幼児特有の短い脚で冒険者ギルドに向かって走り出した。
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冒険者ギルドに戻ってきた俺は、早速ギルドの受付におばちゃんからもらった依頼書を差し出す。
すると、俺の依頼を担当していた受付嬢は、にこやかな笑顔を浮かべてその依頼書を受け取って、依頼書の上に掌大の大きさの水晶玉を乗っけると、その上に右手をかざして一言、二言、小さく呪文を唱えはじめ、水晶玉の中が白い煙で一斉に濁るのを見て、満足そうに小さく頷いた。
彼女が今行ったのは、『鑑定』の魔法だ。
依頼人が依頼書に書いた依頼終了のサインが、冒険者が偽造したり、依頼人を脅したりして無理矢理書かせたような不正手段で作成されたものでは無いか。というのを、調べる為の魔法である。
もしも、上記の様に不正を行った場合には、水晶玉の中には赤い煙が充満し、そうでないなら白い煙で充満する。
ある一定以上の依頼に成れば、こういうまどろこっしい事はしなくなるのだが、今俺が終えたばかりの依頼のような、下位の依頼である場合は、こういう小さな諍いを初めとした厄介事が往々にして起こる為、それ等を防ぐための対策としてこういう、『鑑定』の魔法を初めとした、不正防止や偽装阻止の魔法を使用している。
こうして、『鑑定』の魔法によって俺が何の不正もせずに依頼を達成したことを確認した受付嬢のテレーズは、にこやかな笑みを浮かべると、依頼書を受け付けの机の中の引きだしにしまい込んで、その代わりに、別の引きだしの中から、まとまった額の入った麻袋で出来た小さな小銭入れを渡して来た。
「はい。依頼書の鑑定終わりました。それでは、銅貨五枚と青銅貨七枚。
こちらが、依頼達成の報酬になりますね。分かってると思うけど、
幾ら、貴方の稼いだお金だからって、あんまり無駄遣いしちゃだめよ?サンちゃん」
テレーズは、遠縁にダークエルフの血が入っているらしく、褐色の肌と金色の髪をした、スタイル抜群の美女であり、もう八十歳も既に超えて、夫とは二人も死別して、子持ちどころか孫、ひ孫までいる癖に、どう見ても二十代前半にしか見えないのだから、エルフって恐ろしい。
俺は、報酬の入った小袋を机の上から持ち上げると、テレーゼの言葉に軽く肩を竦めて、軽く笑いながら返答した。
「はは。何を当然の事を言ってるんだよ、テレーゼ。俺だって、別に目的も無く
金を貯めてるんじゃねえんだ。んな事をするわけねえだろ」
「でも本当にサンちゃんは働き者ねえ。普通、あなたくらいか、それより少し上の年の子なら、
お金の使い道何て、それこそ、ちょっとしたおやつや、自分の欲しい物を買っちゃて、
すぐにおけらに成っちゃうものなのに。それに、冒険者には憧れても、こういう地味で
本当に必要な仕事は受けたがらないし、受けても文句しか言わないのに、
それすらないんだもの」
うちの子達なんてのはねー、もう本当にそんな感じなのに。と、小さく愚痴をこぼすテレーゼの姿は、見た目はそれこそ妙齢の美女にしか見えないのに、それら全てを台無しにして、所帯持ちであることを再確認するには十分だった。
そんなテレーゼに向かって、俺は人差指を立てると、有りもしない帽子の鍔を弾く様な仕草をして、ハードボイルドな口調になる。
「ふふん。一日は短く、人生はもっと短い。だぜ、アンネ。俺は俺の本当にやりたい
事、やらなきゃならないことの為に、この人生を生きているんだ。下らないことをして
時間を潰している暇なんかないのさ。それと、前から言っているだろ?俺の事は、
サンちゃんなんてダサい呼び方するな。サンダルって呼べよ。そっちの方が、
ダサくてかっこいい。略してダサイイ」
「はいはい。本当にこまっしゃくれた子供ね貴方は。その年で、そんな言い回しを
覚えるなんて、末は女たらしか、気障野郎か、どちらにせよ禄でもなさそうな未来しか
見えないわね」
「おや?それは、俺に惚れたと言う事かな?
チッチ、ダメだぜベイビー。火傷しちゃうぜ」
「どこをどう聞けば、そんな科白に聞こえるのよ?
ま、二十年くらいたったら、又来なさい。相手くらいはして上げるわ」
暫くそんな風にギルドの看板、娘?……まあ、看板娘か。とにかく、テレーゼを相手にして、わちゃわちゃとじゃれ合った俺は、テレーゼから渡されたカネを持って受付を離れると、パッと見は荒くれどもか、チンピラにしか見えやしないが、実力と実績を兼ね備えた冒険者がたむろしている依頼書の掲示板の前に向かう。
「よお、電光のとこの坊主。依頼はもう終わったのか?
さっき依頼を受けたばかりだってのに、お早い帰りじゃねえか?」
すると、そんな俺の姿を目にした荒くれどもの一人、力士かプロレスラーを思わせる肥満体にも似た筋肉質な体格に、無精ひげを生やしてザーアーマーを着こなした中年に差し掛かった男が、その姿に違わぬ汗臭い匂いをまとわりつかせながら、掲示板の前に佇む俺の傍に寄って来ては、からかいの混じった笑みを浮かべながら俺に話しかけて来る。
ぶっちゃけ、悪人面にしか見えない強面を歪めながらさっきの科白を口走っている姿を見ると、まるで何かの皮肉か嫌味を言われたような気がするが、実はこれで真面目に褒めているのだから、口下手にも程がある。まあ、三か月の付き合いでそのことが分ってるから、俺もその言葉を受けて、快く笑みを浮かべて頷いて見せる。
「ふふん。俺を誰だと思ってやがるのだ。この髭面親父。
俺はいずれ、世界を震撼させるほどの実力を秘めたガキだぞ?
このギルド程度から下される依頼如き、こなせないわけがないわ!
まあ、やってることは草むしりだけどな」
俺は、何様かと思うほどに胸を張ってどや顔を決めて言うと、それを見た悪人面の中年冒険者は、その悪人面を機嫌よく崩して、俺に向かってこっちに来るように手を振って示した。
「そうか。そうか。そりゃあ、良かった。それより、腹減ってねえか?
俺がおごってやるからよ、次いでに呑めるだけ飲んできな。あ、勿論酒はだめだぞ?」
「へーんだ。あんな不味いモン、こちらから願い下げだ。
そんなモンより、ゲリックのおっさんがこれまでに受けた依頼の話を
聞かせろよ。そっちの方が、酒飲むよりいい気分になれる」
「本当におめえは、冒険者とか冒険の話が好きだなあ。ま、その調子だと、
いずれは本格的に冒険者になるんだろうが、それまでに強くなってなきゃ、
話に成んねえぞ。あんまり、ガキの内から無茶はするなよ?」
「あったりきしゃりきのコンコンチキよ。いずれ俺の名は、
世界に轟き、人類は恐怖と脅威を持って俺の名を口にするだろう。
その時には、お前らに俺とパーティーを組む権利をやろう。
光栄に思えよ。石頭ども」
「そいつは俺らの言葉だろうが、クソガキ。
早いとこデカくなって、言うほどの実力をつけるこったな」
こうして、俺の軽口に付き合いつつも、眼前に居る山賊の大親分みたいな顔の相好を崩して、俺の好物である野牛型の魔物のステーキとオレンジジュースを注文しながら、数年前に複数のパーティーと合同で倒したというワイバーン討伐の時の話をしてくれる。
この冒険者の名前は、ゲリック・モヒカン。ネタのような名前と、誤解を受けがちな言動と見た目が相まって、一見すれば、マンガの中の三流の噛ませ犬にしか見えない奴だが、その実、かなりの子供好きでお人好し、ついでに世話焼き野郎で意外と繊細と、四拍子そろった超絶良い人である。
実を言うと、最初に遭った時は、先の科白を言われて、この体で生まれて初めて血管が切れる感覚を味わって、口汚い罵り言葉を浴びせかけてやったんだが、その瞬間に、この男、まるで雨に打たれた仔猫か、捨てられた子犬みたいに、せつなげに両眼を潤ませて、仲間に慰められていたものだから、それを見た俺は、素直に事情を察して、頭を下げて、そこらで拾った石をやった。
それ以来、何かと俺に構って来るこのおっさんに、俺は遠慮躊躇なく甘えさせてもらい、ことあるごとに昼飯をおごってもらったり、冒険者ギルドで受けた依頼の話を聞かせてもらっている。
ちなみにこのおっさん。パッと見は、噛ませ犬のやられ役にしか見えない癖に、実力はこのギルドはおろか、国内でも上位百位以内に入る剛の者である上に、実績も相当なもので、本来ならこんな辺境のど田舎に来るはずがないほどの人間なのだが、本人曰く、『俺は死ぬまで現場主義だ』とのことで、最も盗賊の被害を受けやすく、かつ、最も強い力を持った魔物が出やすい辺境の最前線に拠点を作るのが流儀との事で、有事の際には、それがどんな貧乏くじの荒事で有ろうとも引き受ける人物でもある。
そんなことだから、冒険者が誇る人格者としても有名で、そんな人間に目を掛けられている俺は、冒険者ギルドに立ち寄る度に、良くも悪くもいろんな奴に絡まれる。どうでもいいが、三歳のガキに嫉妬する大人ってのは、人としてどうなのよ?
まあ、それはともかく。これが俺が冒険者ギルドに登録した二番目の目的、コネづくりである。別に農業するわけじゃないよ?って、そりゃあ、コメ作りだろ。まあ、そんな漫談はさておいて。
これは俺の第三の目的と直結する、俺が冒険者ギルドに登録した本来の目的である。
と言っても、俺の中身はともかく、俺の現在の見た目と実力は、どうあがいても、三歳児。
所詮は、場末の冒険者ギルドに通い詰める少しばかり世間ずれした風のガキである。
コネづくり。と言っても、精々が顔なじみの冒険者を五、六人作るのが関の山である。
大体、コネづくりという言い方をして恰好をつけてみたはいい物の、実際の所、やってることと言えば、冒険者の手柄話を聞いて、相槌を打つだけである。
では、何故そんなことをするのかと言えば、俺の最大の目的である、情報収集を円滑に進めるためだ。
ネットもテレビも雑誌も無いこの世界。辛うじて、新聞に似た物はあるが、それは精々、冒険者ギルドや教会、神殿や王宮を初めとした、公共の施設から発信される一部の限られた情報を乗せた掲示板の様な物である。江戸自体で言う所の人相書きによく似ている。最早、瓦版ですらもねえんだよ
そんなんだから、この世界での情報集ってのは、骨が折れるなんてレベルじゃねえ。
ぶっちゃけ、この世界の庶民が世界中の情報を集めるよりも、真夜中に砂漠で一粒の砂金を星灯だけで探したほうがはるかに成功率が高い。
だが、その点、冒険者ギルドは情報に強い。
何しろ、辺境・都会を問わずに国内中の、場合によっては国外、大陸レベルに至るまでのありとあらゆる不測の事態に対する依頼が冒険者ギルドの掲示板には溢れかえっており、それを眺めるだけでも相当量の情報が流れ込んでくる上に、実際に依頼を引き受けた人間や、依頼を達成した人間から訊く話は、相当な量の情報の宝庫である。
そしてそこに顔なじみの冒険者という条件が加わると、情報の質と量の両方に磨きがかかる。
何しろ、顔なじみのガキに話す噂話と、そこらへんで絡んできたガキに話す噂話では、話し方、噂の量、噂の精度、共に桁が違って来る。
守秘義務が絡んだ依頼だって、『守秘義務がある』の一点だけで、どの程度の重要な依頼なのかが分るが、そもそもなじみの人間でなければ、『守秘義務』の一言を探り出すのだって、一苦労なのだ。
それを鑑みれば、冒険者の顔なじみがいる、いない。の差がどれだけ大きいが分るであろう。ましてや、モヒカンの親父は、実力、実績、人望、その三点のどれをとっても一流と言えるほどの人物である。
この人脈の持つ意味は、途轍もなく大きい。
現在の仕事につながる人脈から、今後の人生における評判、冒険者ギルドの待遇の差、等々、数え上げたらきりがない。
『キタコレ計画』の性質上、この業界で生きていかねばならない俺は、現在進行形の未来形でこの男を出汁にして、甘い汁を啜らせてもらうのだ。ゲッへっへっへ。
だから俺は、このオレ絵が知る限りでも国内最高峰の情報の宝庫を相手に、揉み手をしつつ愛嬌をしっかりと振りまいて、ごますりしながら有為な情報を集めて行くのだ。
まあ、奢られたジュースを飲みながら、大口叩いて椅子の上にふんぞり返っている姿を、愛嬌というのかどうかはさておいて。
さーて、この飯を食い終わったら、次の目的地へと行くとするか。