はらいてぇ
俺は腹が痛い。すごく。
なぜだろう。
俺は学校への道を歩きながら原因を考えていた。
今日の朝の光景を思い出す。
それはいつもと変わらない朝だった。
いつも通りに起きて、いつも通りの制服に着替えて、いつも通り朝食を食べて。
朝食か…。
その中にこの腹痛の原因があるのかもしれない。
今日の朝食は、トーストにハムにヨーグルトと牛乳と言う、一般的な朝食だった。
この中で一番原因っぽいのは、牛乳だ。
期限いつだったっけ?
そうだ4月20日。
全然大丈夫だな……。
ん?まてよ……?
俺はどこかの名探偵(名前忘れた)ばりの推理力と記憶力を駆使して、すべての砕けたピースを一つの出来事にリンクさせてみようかなーーなんて、思っちゃったりして?テヘッ☆
やべぇやべぇやべぇやべぇやべぇやべぇやべぇ……。
ふう…。危うくすべてを諦めてしまいそうになったぜ。
くっ!もうあまり時間が残されていないようだ。
次のビックウェーブがくる前に学校に辿り着かないと、俺のBIG・便がプリティヒップからメニーメニーしてお母さんごめんなさい、と言う気持ちになってしまう。
学校まであと、歩いて7分程度か。
これは時間との勝負だな…
そしてこれほどまでに俺を苦しめるこの腹痛の原因はなんだ?
俺のどこかの名探偵(思い出せない)ばりの推理力と記憶力を持ってしても、答えは出なかった。
しかし、この痛みは普通じゃない。
母が期限切れの物を勘違いして俺に食べさせた?
ありえる。うちの母なら。
俺は携帯を取出し、母に電話してみた。
そしてすべての答えがここにあった。
昨日――――。
「あらーっ!牛乳を冷蔵庫に入れないでほったらかしにしといたら、ヨーグルトができたわ!うふ。私って料理のて・ん・さ・い!」
今朝――――。
「あれ?ヨーグルトなんてあったっけ。」
「あ、そのヨーグルト?それ、お母さんが作ったのよ!」
「へぇー、手作りか。」
「とってもおいしい(と思う)わよ!ほら、食べてみなさい!」
お母さん、それは、ダメ。いけないことだよ?
よし、BIG・便を漏らしてしまったら、お母さん、ごめんなさいじゃなくて、お母さんを、一生許しませんにしよう。
よし、決まりだな。
決意を新たにした所で、ようやく学校が見えてきた。ああ、やっとこの苦痛から逃れられる……と少し気を緩めてしまった事で、爆発のリミットが短くなった。
く………っっ!
大丈夫、まだいける…。
俺は心の中でうーん、やばいね☆うーん、やばいね☆と、連呼して気を紛らわせ続けた。
そして、ようやく学校に入り、下駄箱まで来ていた。
「うっうーん、やばやばいね☆うーん…ぁぅ……、やばい…ぁ…ね☆」
あと少し…あと少し…。
靴を履きかえて、パラダイス(トイレ)まで少し歩くだけだ…。慎重に…慎重に…
その時、後ろから声がした。
「おーい!鈴木!学校来んのおせぇぞ!なーにやってたんだよっ」
ドンッ
「……ぁっ………」
その後の事は、きくな。
きかないでください…。