透明の糸
戦争の絶えない世界で、犠牲となったのは子供たちだった。
突然、子供は必ず双子で生まれようになった。
そして片方の子供にだけ体に奇妙な印がついていた。印のついた子は、印のつかない子に比べよく泣く。不思議に思った大人達は様々な実験をして1つの可能性にたどり着く。
印のない子は痛みを感じない。
印のついた子は、痛みを感じる。自分のだけではなく、もう片方の子の痛みも。
大人たちは、印のない子を「アベル」、印を持つ子を「スケープ」と名付けた。
そして大人達は考えた。アベルを敵国に送り込もう。アベルは何も恐れない。なにせアベルは痛みを感じないのだから。
アベルは神様が与えてくれた最強のの武器なのだと、大人達は思った。
これは、大人達に仕組まれた悲しい人生を歩く、双子達のストーリーである。
しるし
2011/01/15 00:00