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第二幕:鏡の向こう側の真実 第4章:追跡
第4章:追跡
久瀬は、自分を陥れている「彼」の正体を暴くべく、残された足跡を辿った。瑞希と食事をしたというレストラン、そしてあの深夜のコンビニ。
店員に頼み込んで見せてもらった防犯カメラの映像。そこに映っていたのは、残像でも幽霊でもない、肉体を持った久瀬遥希本人だった。
指紋を照合しても、声紋を解析しても、結果は同一人物。世界というシステムにおいて、彼は自分自身の存在を証明する唯一性を失っていた。モニターの中の「彼」は、カメラに向かって、まるで久瀬が画面越しに見ていることを知っているかのように、一瞬だけあざ笑った。




